むちうちを早く治す方法はある?時期別の適切な対処法や通院先について解説
監修記事
河野 裕也
理学療法士
交通事故では強い衝撃により頭が急激に揺さぶられることで首の周囲の筋肉、靭帯、腱、神経などに大きな負荷がかかり、首の痛みやだるさ、頭痛、めまい、吐き気などいわゆる「むちうち」の症状が出てくることが多いです。
また、受傷直後は自覚症状がなくても徐々に症状が出てきたり、なかなか治らず後遺症になってしまう危険性もあります。そこで今回はむちうちを早く治す方法や適切な対処法について解説します。
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目次
むちうちを早く治すことは可能
事故の衝撃が少なく、軽症であれば通院をしっかり続け、適切な治療を受けることで1ヶ月程度で改善する場合もあります。
しかし、途中で通院を中止してしまったり、放置してしまうと治療期間が長くなったり症状が悪化したりすることもあります。
そのため、通院を面倒くさがらずにしっかりと完治するまで続けることが大切であり、結果的にむちうちを早く治すことが可能です。
むちうちの治療期間は2カ月前後が平均
むちうちの治療期間の平均的な目安は2〜3ヶ月といわれています。むちうちを患った方の70%程度は3ヶ月ほどで改善します。
しかし、適切な治療が行われない場合では完治までに時間がかかり、長引くケースもあります。場合によっては6ヶ月以上の長期の治療が必要となることや後遺症として症状が残ってしまう可能性もあります。
むちうちを早く治すために必要な時期別の対処法
むちうちを早く治すためには、受傷してから完治するまでの時期に合わせた適切な対処法が重要です。むちうちを患った直後は急性期といって炎症が生じている時期になります。
その後、炎症が落ち着いてくる時期を回復期または亜急性期、症状が軽減してくる時期を慢性期といい、急性期、回復期、慢性期と段階的に移行します。
これらは組織の回復度合いによるため、各時期に適切な対処をすることで組織の回復を早めることが可能となります。
逆に時期に適さない対処をすることで組織の回復を妨げてしまう可能性があります。どの時期にどのような対処をすれば良いのかを確認しましょう。
急性期
急性期は受傷直後の炎症が生じている時期になります。安静にしていても痛みが強くなったり、熱感があったりします。
多くの場合、受傷してから3日〜1週間程度になります。この急性期では冷やすことで炎症を和らげたり、頭や首を極力動かさないようにして安静を保つことが重要です。氷で冷やすアイシングや冷湿布で患部を冷やすようにします。
固定が必要な場合は頚椎カラー(頚椎のコルセット)などで首を固定し安静を図ります。この時期に安静が保てず首に負担をかけてしまうと炎症が治らず、その後の回復期への移行が遅れてしまうため治るまでに時間がかかってしまいます。
手技療法
むちうちを患うと頸部周囲の筋肉の緊張が高まり、疼痛や可動域制限(首の動く範囲が小さくなる)が生じることが多いです。
その場合、筋肉の緊張を緩和させるマッサージやストレッチ、筋膜リリースや関節モビライゼーションという関節の動きを改善させる手技療法を専門家である理学療法士や柔道整復師から受けることで、より早く症状を緩和させることが可能です。
電気治療
むちうちの治療には電気治療も効果が期待できます。電気による刺激は筋肉の緊張を緩和させ、痛みや血流、リンパ液の循環を改善させる効果があります。
電気治療には低周波、中周波、高周波、干渉波治療やマイクロ波治療、超音波治療などがあり、それらは専用の機器が必要となります。
治療院によってはそのような機器がない場合もあるため事前に確認する必要があります。
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回復期~慢性期
急性期の炎症が治まり痛みや症状がある程度軽減してくる時期を回復期または亜急性期、3ヶ月以降の症状が落ち着いてくる時期を慢性期といいます。
急性期ではじっとしていても痛む安静時痛があったり、熱感があったりします。受傷から1週間程度でそのような症状が落ち着いてきたら回復期に移行したといえます。
回復期ではある程度首を動かすことが可能となります。首の動かせる範囲の途中で痛みがあったりします。そして、さらに痛みが軽減できて首の最終域(動かせる範囲の最後のところ)で少し痛みがある程度になると慢性期に移行したといえます。
運動療法
慢性期では痛みがある程度落ち着いているので無理のない範囲で積極的に動かすことが重要です。
痛みが軽減しても筋肉の硬さや筋力の低下、首の可動域が回復していないことが多いため油断をせずにしっかりと完治に向けて運動療法を行い筋力や可動域の改善を図っていきます。
ストレッチや首を動かすエクササイズが効果的です。しかし、首は上下の動きや左右に倒す動き、回旋する動きがあり、それらが組み合わさることで複雑な動きとなります。
また、首の周囲にはさまざまな筋肉があり倒す角度によってストレッチされる筋肉が異なります。そのため身体の専門知識のある理学療法士や柔道整復師などにしっかりと指導してもらい、適切に運動療法を行うことが重要です。
日常生活動作の指導
日常生活でも首の負担を極力減らすことが重要になります。下を向いた姿勢を長時間しないことやパソコンなどをする際に画面に近づくような顔が前に出てしまう姿勢は頭の重さによって首に大きな負担がかかりますので注意が必要です。
また、座っている姿勢では背中がまるまりやすくなります。そうすると自然と頭が前に出てしまうなど姿勢は首だけでなく背中や腰の背骨の影響であったり、股関節や膝関節、足関節などの下肢の影響、肩関節や肘関節、手関節など上肢の影響があります。
そのため、正しい姿勢を理解することが重要です。必要であれば座っているときに腰にクッションを入れて背骨を立たせて姿勢を保持するなど正しい姿勢が取りやすい状況を作っていくことも大切です。
また、不意に振り向くような動きも首に負担がかかりますので注意しましょう。
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むちうちの治療ができる通院先は?
むちうちは症状が軽くてもしっかりと医療機関にかかり、適切な治療を受けることが重要です。適切な治療がされないことで軽症でも完治までに時間がかかってしまったり、後遺症が残ってしまう可能性があります。
むちうちの治療ができる通院先は整形外科などの病院や整骨院がありますのでしっかりと通院しましょう。
整形外科
交通事故でむちうちを患った場合は、まず整形外科などの病院を受診しましょう。交通事故では想像以上の衝撃が加わるため、外から見ただけでは分からない脳や神経の障害や骨折をしている場合もあります。
そのため、しっかりと検査する必要があります。整形外科ではX線(レントゲン)検査やCT検査、MRI検査など医師による詳しい検査と診断が受けられます。
また、交通事故の場合は治療費や慰謝料の請求など通常の怪我の治療をする際の手続きとは異なります。
医師による診断書や後遺症がある場合には後遺症診断書が交通事故の手続きには必要となりますので病院へ通院していることでその手続きがスムーズに行えます。
整骨院や接骨院
整骨院や接骨院でもむちうちの施術は可能です。整形外科での画像検査では異常がなくても首の痛みや頭痛、めまい、吐き気などむちうちの症状は出てきます。
整骨院や接骨院ではむちうちを専門に施術を実施しているところもありますので一定の効果も期待できます。また、病院では診療時間が短くなったり、休日は休みのことが多いです。
整骨院や接骨院は遅い時間まで対応していたり、休日も含めた対応を実施していたりすることもあります。
まずは整形外科を受診し正確な診断を受けてから、仕事帰りや休日に通うなどご自身のライフスタイルにあわせて整骨院や接骨院での施術を受けるのも良いでしょう。
むちうちを早く治すために自宅でできること
むちうちの治療は整形外科や整骨院などに通うことも大事ですが、自宅で行うセルフケアも早く治すために必要となります。
しかし、間違ったセルフケアは症状を増悪させてしまったり回復を遅らせてしまう可能性があります。少しでも早く治すためにも適切なセルフケアを実践していきましょう。
安静にする
怪我が治る過程にはまず炎症が起こり、それが落ち着いて組織が徐々に回復していき修復されて完治するという流れがあります。この治る過程の時期に合わせた適切なケアをすることで組織の回復を早めることができます。
逆に時期に合わないケアをしてしまうことで治りを遅くしてしまう可能性がありますので注意が必要です。むちうちを患った直後や痛みの強い時期は急性期といわれ炎症が起きている時期になるためまずは安静にすることが重要です。
無理に動かしたり負荷がかかると炎症が落ち着かず、治るまでに時間がかかってしまいます。症状が落ち着くまで無理はせずに自宅でゆっくり過ごすなど安静を心がけましょう。
医療機関や整骨院で指導してもらった方法を実践する
整形外科や整骨院では適切なセルフケアの方法を教えてもらえます。
間違ったストレッチや運動、日常生活での姿勢などは首への負担が増強し、良くしようとして取り組んでいるにも関わらず、逆に症状が悪化してしまうことがあります。
自己流ではなく身体の状態を良く知る理学療法士や柔道整復師などの専門家から指導されたことを適切に実践していきましょう。
炎症が落ち着いたら血液の循環を良くする
急性期の炎症が落ち着き、痛みが軽減してきた時期になったら運動や患部を温めるなど血液の循環を促します。損傷した組織が回復するためには栄養と酸素が必要となりますので血液の循環を促し、組織の回復を助けるようにします。しかし、まだ炎症が起きている状態で運動したり温めたりすると炎症が治らず、逆に組織の回復を妨げてしまうため注意していきましょう。
むちうちを早く治すために日常生活で注意するポイント
むちうちを早く治すためには日常生活において首の負担を減らしていくことが重要となります。
医療機関での治療以外の日常生活の時間をどのように過ごすかによって回復のスピードが変わってきます。日常生活で注意するポイントを確認していきましょう。
急性期は入浴などで温めない
むちうちを患った直後の急性期では炎症が生じているため、まずは炎症を落ち着かせることが重要です。しかし、入浴などで身体を温めると血流が良くなり、炎症が酷くなる可能性があります。
炎症が長引くことで、その後の治癒過程が遅れてしまうため完治までに時間がかかってしまいます。
そのため、急性期では湯船に浸かって身体を温めすぎることは避けてシャワーだけに留めておきましょう。
首に負担のかからない就寝姿勢を整える
急性期には安静を保つことが重要ですが、動かないことだけが安静ではありません。姿勢を保つだけでも場合によっては負担がかかっていることがあります。
特に就寝時の姿勢は長時間同じ姿勢で保持されるため負担がかかりやすくなります。また、寝返りなど無意識に動くことで首に負担がかかってしまう恐れもあります。
そのため、就寝時に負担のかかりにくい姿勢が取れるような環境を設定することが大切です。特に枕やベッドがご自身の身体に合っているのかを確認する必要があります。
合っていない寝具を使用することで首に負担がかかることがあります。枕が高すぎてしまうと首が曲がった状態で保持され、症状が増悪する可能性があります。
また、仰向けの姿勢が続くと痛みが強くなることもあるため、抱き枕などを抱えながら横向きになるなど首の負担を緩和することで楽に眠れることがあります。
睡眠時には成長ホルモンが分泌されます。この成長ホルモンは組織の回復を促す作用があるため、就寝時の環境を整えてしっかりと熟睡できること、睡眠の質を高めることもむちうちを早く治すために大切なことになります。
まとめ
今回はむちうちを早く治すための方法について紹介しました。むちうちは想像以上の強い衝撃が加わることにより痛みやしびれ、頭痛、めまい、吐き気などさまざまな症状が出現します。
軽症の場合でも適切な治療が行われないことで完治するまで長引いてしまったり後遺症として残ってしまう可能性もあります。
むちうちの治療では時期によって対処が変わっていきますので、しっかりと医療機関または整骨院で専門知識のある理学療法士や柔道整復師の施術を受けつつ、ご自身でできるセルフケアを実践していきましょう。
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この記事を監修したのは…
国家資格である理学療法士として、約10年間整形外科クリニックで一般の患者様からスポーツ選手の身体のケアに携わり、その後理学療法士の養成校の教員として身体の仕組み、治療技術などについて学生に講義を行っています。早稲田大学大学院スポーツ科学研究科にて修士取得。
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