坐骨神経痛を早く治す方法まとめ|原因・症状・通院〜セルフケアまで解説
監修記事

柿野 俊弥
理学療法士
坐骨神経痛を早く治すには、まず整形外科を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。整骨院での施術も、痛みの緩和を期待できます。
同時に、自宅でできるセルフケアとして、温める、ストレッチ、簡単なマッサージ、適度な運動、正しい姿勢を保つこと、コルセットの使用、寝具の調整、減量、ストレスを減らすことがおすすめです。
今回は、坐骨神経痛の原因や症状に加え、坐骨神経痛を早く治す方法を通院〜セルフケアまで詳しく解説します。
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目次
坐骨神経痛とは?

▲坐骨とは?
坐骨神経痛は、腰から足先にかけて走る「坐骨神経」が圧迫や刺激を受けることで起こる症状の総称です。
坐骨神経は人体で最も太く長い神経で、腰から出てお尻、太もも、ふくらはぎを通って足先まで伸びています。
この神経が何らかの原因で圧迫されると、さまざまな不快な症状が現れます。中高年の方に多く見られる症状ですが、交通事故などによって若い方でも発症することがあります。
できるだけ早く治すために、痛みの原因を正しく特定し、適切な治療を受けましょう。
主な原因
坐骨神経痛を引き起こす主な原因となる病気は以下のとおりです。
椎間板ヘルニアは20〜40代に多く、前かがみで症状が悪化しやすいのが特徴です。
脊柱管狭窄症は50代以上に多く、長時間歩くと症状が出て休むと改善する「間欠性跛行」が見られます。
交通事故による衝撃も坐骨神経痛の原因となることがあり、事故の衝撃で腰椎がずれたり、椎間板ヘルニアが生じたり、お尻にある梨状筋が神経を圧迫したりすることで症状が現れます。
症状
坐骨神経痛の症状は、人によってさまざまです。
主な症状として、お尻や太もも、すね、ふくらはぎ、脚にかけて現れる鋭い痛みやしびれるような痛みがあります。
また、ふくらはぎの張り、冷感や灼熱感、締めつけ感などを感じることもあります。
これらの症状は、脚の一部分だけに強く感じることもあれば、脚全体に強く感じる場合もあります。
痛みの強さも、日常生活に支障がない程度から、歩けないほど強い痛みまでさまざまです。
坐骨神経痛を早く治す方法|通院編
坐骨神経痛の症状の悪化や慢性化を避けるためにも、早い段階での受診と治療が必要です。
まずは医師が在籍していて、詳しい検査ができる整形外科を受診し、整骨院も併用して坐骨神経痛の早い改善を目指しましょう。
ここでは、整形外科での治療と整骨院での施術について解説していきます。
整形外科での治療
整形外科では、レントゲンやMRIなどで検査を行ったのち、以下のような治療が行われます。
薬物療法では鎮痛剤、抗炎症薬、筋弛緩薬などを使い、痛みの緩和や筋肉の圧迫による坐骨神経痛の改善などを図ります。
物理療法には温熱療法や電気治療があり、血流を良くして痛みを和らげる効果が期待できます。
神経ブロック注射は、痛みを感じる神経まわりに直接薬を注射する方法で、即効性が期待できるでしょう。
手術は最終手段として、内視鏡を使った体への負担が少ない方法なども選択肢となっています。
整骨院での施術
整骨院で受けられる主な施術は以下のとおりです。
- マッサージ:筋肉の緊張をほぐし血流を促す
- ストレッチ:梨状筋やハムストリングスの柔軟性を高める
- 電気療法:電気刺激で痛みを緩和し血流を促す
- 骨盤矯正:姿勢の改善を図り坐骨神経への負担を減らす
症状や状態に応じて、これらの施術を組み合わせて行います。柔道整復師による適切な施術により、筋肉の柔軟性の改善や、痛みの緩和が期待できるでしょう。
骨盤の歪みを整えることで、根本的な改善につながることもあります。
坐骨神経痛を早く治す方法|セルフケア編
自宅でできるセルフケアも、坐骨神経痛の改善に重要な役割を果たします。
ただし、症状や患部の状態によって適切な方法は変わるため、通院先の先生に自分の状態に合った方法を教えてもらうことが大切です。
具体的なセルフケアの方法は、以下のとおりです。それぞれ見ていきましょう。
温める(温熱療法)
ホットパックや使い捨てカイロで腰を温めたり、湯船につかって入浴したりすることで、血流が促され、筋肉の緊張が緩和し、痛みが軽減する可能性があります。
血流が良くなることで、痛みを引き起こす物質が流れやすくなるためです。
温める時間は15〜20分程度を目安とし、1日2〜3回実施するとよいでしょう。
ただし、炎症が強い場合は冷やした方が良い場合もあるため、温めすぎにも注意が必要です。
判断が難しい場合は専門家へ相談することをおすすめします。
ストレッチ
梨状筋や大殿筋、ハムストリングスなど、坐骨神経まわりの筋肉をほぐすストレッチは痛みの緩和に役立ちます。
ストレッチをする際は、お尻や股関節、太ももを痛くない程度に伸ばしましょう。
呼吸を止めずにゆっくりと深呼吸をしながら、伸びている部分を意識すると、より筋肉を伸ばせます。入浴後の体が温まっているときに行うのがおすすめです。
ただし、無理に動かしたり、自己流で行ったりするとかえって逆効果になる場合があります。
専門家の指導のもと、正しい方法で行うようにしましょう。
簡単なマッサージ
マッサージで腰回りやお尻の筋肉をほぐすことで、痛みが緩和する可能性があります。筋肉の緊張がほぐれることで、坐骨神経への圧迫が減るためです。
1回5〜10分程度、優しくマッサージしましょう。しかし、指圧が強すぎたり、間違ったやり方をしていると症状を悪化させてしまう可能性があります。
専門家に指導してもらい、適切な強さと方法で行うことが大切です。
適度な運動
症状が軽いときは、ウォーキングや水泳などの適度な運動もおすすめです。
運動により血行が促進され、筋力も維持できるため、坐骨神経痛の改善と再発予防に役立ちます。
15分程度から始め、徐々に時間を増やしていくとよいでしょう。
とくにプールでの水中ウォーキングがおすすめです。水の浮力により腰への負担を減らしながら、水圧によるマッサージ効果も期待できます。
無理に運動をすると症状が長引く原因になるため、痛みのない範囲で行ってください。
正しい姿勢を保つ
イスに座るときは、適度に背筋を伸ばし、左右のお尻に均等に体重がかかるようにしましょう。
足を組んだ姿勢も腰に負担がかかるため避けた方がよいです。
デスクワークの際は、モニターを目の高さに調整し、肘が90度になる高さに机やイスを設定すると、自然と良い姿勢を保てます。
また、長時間座ったままでいると、腰に負担がかかるため、30分~1時間ごとに1度は立ち上がり、軽く体を動かすことが大切です。
コルセットの使用
コルセットを巻くことで、腰の安定性が高まり、痛みを軽減できる可能性があります。
コルセットは自分の腰囲に合ったサイズを選び、締めすぎない程度に巻きます。巻いておくのは主に活動時で、就寝時は外すようにしてください。
また、コルセットを使いすぎると腰が動く範囲や筋力の低下を引き起こす可能性があります。必要のない場面ではなるべく使わないようにしましょう。
痛みが強い時期はできるだけ使い、症状が改善してきたら徐々に使う時間を減らしていくような使い方をおすすめします。
寝具の調整
柔らかすぎるマットレスで寝ると、体の重みのある部分が沈み込んでしまいます。
仮に仰向けで寝た場合、肩まわりやお尻が沈み込み、腰が「く」の字になり、腰周辺の筋肉が常に緊張した状態が続きます。
体が沈み込みすぎず、背骨の自然なカーブを保てる程度の硬さのマットレスを選びましょう。
朝起きたときに腰が痛い場合は、マットレスが合っていない可能性が高いです。枕の高さも重要で、首と背骨が自然な位置関係を保てる高さが適切な高さです。
仰向けで寝たときに、頭の後ろや肩などの一部に圧力を感じる場合は、高さが合っていない可能性があります。
減量
体重が増えると、腰への負担が増強し、坐骨神経痛の悪化につながります。体重が10kg増えると、腰にかかる負担は約30kg増加するとも言われています。
また、体重増加で膝に負担がかかり痛みを生じれば、膝の痛みをかばうために腰の筋肉がこわばり、坐骨神経痛につながることもあります。
適切な体重管理により、腰への負担を減らせるでしょう。
減量は月に1〜2kg程度を目安に、バランスの良い食事と適度な運動に取り組み、少しずつ減らしていくことが大切です。
ストレスを減らす
ストレスは、筋肉の緊張を高め、坐骨神経痛の症状を悪化させる原因になります。
ストレスを感じると、交感神経が優位になり、筋肉が緊張しやすくなるためです。また、ストレスによって痛みに対する感受性も高まり、同じ痛みでもより強く感じるようになることがあります。
趣味を楽しむ、リラックスできる音楽を聴く、友人と会話を楽しむ、自然の中で過ごすなど、自分なりのストレス解消法を見つけることが大切です。
深呼吸や瞑想、ヨガなども効果的なストレス解消法として知られています。
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坐骨神経痛を早く治すためにやってはいけないこと
坐骨神経痛の改善を妨げる行動を避けることも重要です。以下の点に注意しましょう。
自己流のマッサージやストレッチ
自己流でのストレッチやマッサージは避けた方が良いです。
症状に合った適切な方法でなければ、かえって症状を悪化させる可能性があります。
インターネットで見つけた方法をそのまま試すのも危険です。人によって症状の原因や程度が異なるため、他の人に効果があった方法が自分にも合うとは限らないためです。
とくに、突発的に動く、腰を捻る動作を繰り返す、膝を伸ばした状態で前かがみになる、腰に負担のかかる無理な筋トレやストレッチをするなどの動作は避けてください。
専門家に診てもらい、教えてもらった正しい方法を実践するようにしましょう。
重たいものを持つ
重いものを持つ動作は、腰に大きな負担がかかります。
とくに、床に置かれた重いものを膝を伸ばした状態で持ち上げると、腰まわりの筋肉に大きな負担がかかり、筋肉の下にある腰の骨が圧迫されてしまいます。
重いものを持ち上げるときは、腰への負担がかからないよう、膝を曲げて持ち上げることが大切です。
物を体に近づけて持つことで、腰への負担を減らすこともできます。
ただ、できれば重いものを持つことは避けた方がよいため、必要な場合は複数回に分けて運んだり、台車を使用したり、誰かに手伝ってもらったりするようにしましょう。
負担のかかる姿勢
立ち座りの動作をするときは、前かがみになり過ぎないことに注意が必要です。前かがみの姿勢は、椎間板への圧力を増加させ、神経の圧迫を強める可能性があります。
スマートフォンを見るときの下向き姿勢や、料理や掃除などの家事で前かがみになることも腰に負担をかけます。
また、長時間座り続けることも避けるべきです。同じ姿勢を長時間続けると、腰に負担がかかり、症状を悪化させる原因となります。
坐骨神経痛だからといって動かさないままいると、筋肉が硬くなったり血液の循環が滞ったりして、坐骨神経痛の悪化につながります。
定期的に体を動かしたり、日常生活に軽いウォーキングなどの運動を取り入れたりするようにしましょう。
坐骨神経痛を早く治すためにやってはいけないことについて、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
関連記事坐骨神経痛でやってはいけないこととは?治し方や慰謝料の請求についても解説
【Q&A】坐骨神経痛についてよくある質問
坐骨神経痛についてよくある質問をまとめました。
坐骨神経痛を早く治すにはどんな方法がありますか?
姿勢を整える、温める、ストレッチ、適度な運動などがあります。
1日15分程度のウォーキングから始め、入浴で体を温め、痛みのない範囲でストレッチを行うとよいでしょう。
ただし、痛みが強い場合や交通事故後は、医療機関での検査・治療や整骨院での施術を受けましょう。
自己判断で無理をすると、かえって症状を長引かせる可能性があるため注意が必要です。
坐骨神経痛にマッサージやストレッチは効果がありますか?
適切に行えば、血行を良くして痛みを和らげたり、筋肉の緊張をほぐす効果が期待できます。
特に、坐骨神経周辺の筋肉をほぐすことで、神経への圧迫を軽減できる可能性があります。梨状筋やハムストリングスのストレッチは、多くの方に効果的とされています。
ただし、自己流で行うと悪化する可能性があるため、専門家に適切な方法を教えてもらうことが大切です。
痛みを我慢してまで行うのは逆効果になるため、「気持ちいい」と感じる程度で行うことが大切です。
また、強い痛みやしびれがある場合は無理してやらないようにしましょう。症状に応じた適切な強度と方法で行うことが重要です。
坐骨神経痛を自宅で早く治すにはどうすればいいですか?
自宅でできるセルフケアとして、温める、正しい姿勢の維持、適度な運動、ストレッチ、マッサージなどがあります。
また、コルセットの適切な使用、寝具の調整、体重管理、ストレス軽減なども役立ちます。
ただし、これらはあくまで補助的な方法で、専門的な治療の方が重要です。そのため、坐骨神経痛の症状が現れたら早めに整形外科を受診しましょう。
また、セルフケアも自己判断で行わず、専門家の指導のもとで行うことが大切です。
坐骨神経痛の症状がひどい時はどうしたらいいですか?
まずは安静にすることが大切です。無理に動かず、楽な姿勢で休みましょう。
横向きで膝を曲げる姿勢をとると楽になることが多いです。鎮痛薬を一時的に使うのも痛みの軽減に有効ですが、薬に頼りすぎないよう注意が必要です。
もし、足に力が入らない、しびれが強い、排尿に異常があるなどの症状が出ている場合は緊急性が高いため、すぐに医療機関の受診が必要です。
坐骨神経痛は放置すると慢性化しやすいため、自己判断せず、何か不安な症状があれば診察を受けて適切に対処しましょう。
坐骨神経痛が急に治ることはありますか?再発の可能性は?
坐骨神経痛は神経の圧迫が緩和されたり、筋肉の緊張が一時的に和らぐことで「治った」と感じる場合があります。
しかし、根本原因が改善していなければ再発の可能性が高いです。とくに脊柱管狭窄症のような、骨や関節自体の変形が原因になっている場合は、自然に治ることはありません。
症状が軽くなっても油断せず、しっかりと治療を続けることが大切です。原因を特定し、それに応じた適切な治療とセルフケアを継続することで、再発のリスクを下げられるでしょう。
坐骨神経痛を早く治す方法は主に通院とセルフケア
坐骨神経痛の痛みやしびれを感じたら、まずは整形外科を受診することが大切です。
早い段階で原因を特定し、適切な治療を始めることで、症状の悪化を防ぎ、早く治せる可能性が高まります。
「少しくらいなら大丈夫」と自己判断で様子を見ていると、症状が慢性化したり、日常生活に大きな支障が出たりするおそれがあります。
とくに、足に力が入らない、排尿に異常があるなどの症状がある場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
また、医療機関での治療と並行して、整骨院での施術や通院先で指導を受けたセルフケアを自宅で継続することも症状の緩和が期待できます。
整形外科や整骨院の通院先でお悩みの場合は「交通事故病院サーチ」の無料相談窓口へお気軽にご相談ください。
〈参考文献〉
社団法人日本整形外科学会「坐骨神経痛」:https://www.joa.or.jp/public/publication/pdf/joa_029.pdf
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この記事を監修したのは…
理学療法士として、回復期病院で脳血管疾患を中心にリハビリテーションを経験。その後、フリーライターに転向。医療・健康分野をはじめ、地域・観光、転職関連などの幅広いジャンルの執筆を行っている。
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