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打撲の腫れはいつまで続く?痛みを和らげる方法とその他の打撲症状を解説

監修記事

岡野 圭祐

理学療法士

​​スポーツで相手選手と接触してしまったり、転倒して身体を強く打ち付けてしまったりした経験は誰でもあるでしょう。

痛みは一時的であり、時間の経過で回復するだろうと軽視されることが多いですが、実は骨折や組織損傷による皮下組織の損傷を認めている場合もあるので注意が必要です。

適切な処置をしなければ修復に時間を要してしまうこともあるので、正しい知識を得て自分で判断できるようになりましょう。

打撲とは

打撲とは

打撲とは、局所的に強い衝撃が加わることで身体に起こる損傷のことを指します。

他にも打ち身や挫傷といった表現もあり、コンタクトスポーツや転倒などで発生することが多いです。

皮膚や軟部組織(脂肪・筋肉・血管)がダメージを受けるため、皮下出血や筋肉の微小損傷により皮膚の青紫色変化や圧痛が生じます。

皮膚色の変化は時間の経過で改善することもあり、安静にして回復を待つことも多いですが、炎症反応を引き起こしている場合は適切な処置が必要です。

また、受傷部位によっては重症化するケースもあるため注意しましょう。

打撲の原因

それでは打撲を引き起こす原因にはどのようなものが挙げられるのでしょうか。

一般的に打撲の原因となり得るものは以下の通りです。

  • コンタクトスポーツによる選手同士の接触
  • 自分の身体を物にぶつけたとき
  • 子ども同士が喧嘩をしたとき
  • 転倒して身体を強く打ったとき

スポーツや転倒はイメージがつきやすいでしょう。

子どもは喧嘩に限らずにふざけ合いで生じる場合もありますし、高齢者は転倒しやすいことも原因として挙げられます。

打撲の主な症状

筋挫傷 予防 方法

打撲に認める症状で多いのが炎症や、それに伴う痛みです。

ここでは、打撲に伴う以下の症状について紹介していきます。

  • 炎症
  • 腫れ
  • 痛み
  • 内出血

炎症

組織の損傷で起こる生体の防御反応として、炎症が挙げられます。

炎症の役割は死んでしまった組織といった異物を排除して組織の修復を促す過程であり、主症状は疼痛・発赤・腫脹・熱感です。

組織修復は大きく3つの相に分けられており、受傷直後から3日ほどの急性期に炎症反応が活発となりますが、糖尿病といった疾患があると長引くので気をつけましょう。

炎症を認める時期は安静が第一原則であり、負担をかけないことが重要です。

腫れ

組織損傷では炎症反応に伴い腫れることがあります。

炎症反応が起こると動脈は拡張しますが、静脈は変化がないため血液の渋滞を生じます。

一般的に心臓から出た血管が動脈、臓器を経て心臓に戻る血管が静脈です。血液の渋滞は血管外に血液成分を滲出しやすくなり(血管透過性の亢進(こうしん))、血管と組織の間に水分が貯留してしまったりすることで腫れが生じます。

また、血管自体に損傷があった場合も血管外へ血液成分が漏れ出てしまうため、同様に腫脹の症状を認めます。

痛み

打撲で最も多いのが痛みの訴えです。

人間の組織には痛みを感じるセンサー(受容器)が多数存在しますが、炎症反応により痛みを誘発する物質が体内に産生されたり、センサー自体を刺激してしまったりすると痛みを感じてしまいます。

また、実際に組織が損傷している場合では動かしたり押さえることで損傷部位にストレスを与えることになりますので、痛みを認めている間は安静を心がけましょう。

内出血

皮下には無数の毛細血管が存在しており、皮膚や筋肉を栄養することで正常に機能しています。

局所的に強い衝撃が加わると血管の損傷を招いてしまい、血液が漏れ出てしまうことで内出血を起こしてしまいます。

皮膚は青紫色に変色しますが、時間の経過で組織は修復されて血液も吸収されるので安静にしていましょう。

関節部分に内出血が起こると動かすときに出血部にストレスがかかる場合があり、運動制限を生じます。

関連記事追突事故で打撲を負った場合の慰謝料は?後遺症についても解説!

打撲の腫れが続く期間の目安

打撲 腫れ 期間目安

打撲により腫れが生じますが、症状が改善する期間はどれほどなのでしょうか。

腫れの原因は組織損傷に伴う炎症反応の一種であり、ピークは2〜3日となります。人間の組織修復は炎症期・増殖期・成熟期の過程を経て進むため一定の期間を要します。

炎症反応により数日で異物が除去されると毛細血管が増殖していき(増殖期)、最終的には修復された組織の強度が増加していきます(成熟期)。

軽症であれば数日から数週間で完治しますが、炎症反応が遷延するような強い損傷を伴う場合は3~4週間と長期に続くこともあります。

打撲の腫れは「RICE処置」が大切

RICE処置

打撲の腫れを長引かせないためには、適切な処置であるRICEを行いましょう。

RICEとは、以下に示す4つの応急処置の頭文字を総称したものです。

  • Rest(安静)
  • Ice(冷却)
  • Compression(圧迫)
  • Elevation(挙上)

炎症が強い場合は安静にしましょう。

冷却は1setを15~20分間として、set間は1~2時間と間隔をあけて繰り返し実施します。炎症は生体の防御反応なので、過度に冷やしすぎる必要はありません。

炎症のピークは2~3日間ですが、受傷部位に熱感がなければ冷却は終了しましょう。包帯による適度な圧迫や患部の挙上は組織循環を促進させるため、治癒過程においては重要です。

例えば足が腫れている場合、長時間座っていると重力で血液が下肢に貯留するので気を付ける必要があります。

整骨院で受けられる打撲の施術

整骨院 打撲 施術

打撲になってしまった場合、接骨院で受けられる施術を紹介していきます。

  • テーピング
    テーピングにはさまざまな使い方があります。圧迫を必要とする場合は適切な圧で患部に巻くことで治癒を促進したり、関節周囲に使用して患部の動きをサポートしたりできます。
  • 物理療法
    受傷直後の急性期では、物理療法としてアイシングによる除痛を行います。炎症期を脱した場合も症状が残存している場合には、患部を温める温熱療法や電気療法、超音波療法により組織循環を促進させます。
  • 筋膜リリース
    筋肉は修復後に癒着して関節運動を妨げてしまうことがあります。筋膜の緊張を緩めることで筋肉の動きが改善し、組織循環の促進に貢献して早期回復を目指します。

交通事故の打撲でも慰謝料が請求できる

交通事故で打撲を負った場合には、傷害慰謝料を請求することができます

傷害慰謝料とは、交通事故による怪我で入院や通院をする中で生じる肉体的・精神的苦痛に対する補償のことであり、原則として治療期間を基準に算出されます。

POINT

長期間の放置は厳禁

打撲で入院することはないですが、痛みを我慢する期間が続くこと、通院や治療に時間を要することは大きなストレスです。
打撲だから仕方ないと放っておいては損をすることになるので覚えておくと良いでしょう。

まとめ

打撲 まとめ

今回は打撲の腫れについて解説しました。

打撲とは組織への強い外力による組織損傷であり、多くの場合は腫れといった症状を認めます。軽症例では数日から数週間で完治しますが、症状が強い場合はRICEなどの応急処置が必要です。

接骨院でも打撲に対する施術を受けることができるので相談してみると良いでしょう。

交通事故による打撲の場合は、傷害慰謝料といった形で請求することが可能なので忘れずに請求するようにしてください。

この記事を監修したのは…

理学療法士として、大学病院、総合病院に務め、急性期や外来整形患者を担当。臨床業務の他にロボット開発、リーダー活動、勉強会開催などを経験。理学療法士としての可能性を広げるため、ライターとしても活動中。

この記事の執筆者

理学療法士 / 岡野 圭祐
理学療法士として、大学病院、急性期総合病院に務め、急性期や外来整形患者を担当。 臨床業務の他にロボット開発、リーダー活動、勉強会開催など多岐にわたる経験がある。 理学療法士としての可能性を広げるため、ライター活動も行っている。

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