【車と自転車の交通事故】修理費用はもらえる?損をしないための方法を解説
自転車で交通事故にあってしまったとき、自分の怪我だけでなく、自転車の修理費用も気になるのではないでしょうか。「修理費用は請求できるのか」「いくらまで補償してもらえるのか」など、いろいろな疑問が浮かぶでしょう。
実は交通事故で破損した自転車の修理費用は、請求方法や過失割合によって大きく変わります。この記事では、自転車の修理費用や買い替え費用をきちんと請求するための知識と手順を、わかりやすく解説します。
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目次
交通事故で破損した自転車は修理・買い替えの費用を請求できる
交通事故の被害者となった場合、期限内に手続きすることで、壊れた自転車の修理費や買い替え費用を相手方に請求することができます。
請求できる期限は事故発生から3年以内です。損害および加害者を知ったときから3年以内、不法行為のときから20年以内という民法の規定に基づいています。
ただし、事故にあって損傷した証拠が必要です。事故時の状況や自転車の破損部分を、写真などで残しておいてください。自転車を購入したときの領収書も用意しておくとよいです。
自転車の修理費用は過失割合によって左右される
▲過失割合とは?
過失割合とは、加害者と被害者それぞれの事故に対する責任の割合のことです。過失割合によって、最終的な賠償額が決まります。
一般的には、自動車よりも自転車のほうが過失割合は低くなる傾向があります。車体の大きさや速さ、安定性から自転車の方が弱い立場だとみなされるためです。
とくに自転車の運転手が児童・高齢者である場合や、自転車が横断歩道を走行中だった場合は、さらに自転車の過失割合が下がりやすくなります。
ただし、状況によって過失割合は変わります。たとえば、2人乗りや夜間無灯火、酒酔い運転など、自転車側に明らかな過失がある場合は、自転車であっても過失割合が高くなることがあります。
自転車の修理費用として請求できる金額
交通事故の損害賠償は「怪我の損害(人損)」と「モノの損害(物損)」の大きく2つに分けられます。自転車の損害賠償は物損にあたります。
賠償金は事故の過失割合に応じて決まります。自分にも責任がある場合は相手の責任分だけ請求できます。
損害賠償を請求するにあたって、まずは自転車が修理できるか、できないかを判断する必要があります。
修理できない場合は全損扱いとなります。全損扱いは、明らかに壊れていて修理のしようがない状態で「物理的全損」と呼ばれます。
修理できる場合でも、修理費用が買い替え費用を上回る場合は「経済的全損」として全損扱いになります。
修理で済む場合
自転車の修理費用は必ず全額もらえる訳ではありません。賠償金は相手の責任割合に応じた分だけ支払われます。
たとえば、修理費用が10万円で、事故の責任が相手50%・自分50%だった場合、保証されるのは5万円分のみです。
しかし、事故の責任が相手100%だった場合でも、必ずしも全額請求できるわけではありません。
請求できる金額は「原状回復」できる範囲が原則のためです。事故前からすでにサビていたり傷があったりした部分まで新品同様に修理することは、「原状回復」の範囲を超えるため、その分の費用は認められないことがあります。
全損の場合
全損の場合、もらえる賠償金は「事故が起きた時点での自転車の価値(時価)」から「壊れた自転車を売却して得られるお金」を引いた金額になります。
時価を決める方法は主に2つあります。
1つ目は「市場価格方式」で、同じ種類・同じくらい使った自転車がいくらで売られているかを調べる方法です。
2つ目は「減価償却」で、使った年数に応じて価値が下がると考える方法です。たとえば新品10万円の自転車を2年使うと、価値が半分の5万円になるといった計算をします。
ただし、減価償却はあくまで目安です。もし専門家による評価や中古市場の価格表などで実際の価値を証明できれば、その金額が採用されることもあります。
乗っていたのがスポーツ自転車だった場合
ロードバイクなどのスポーツ自転車の場合、購入時の価格と受け取れる賠償金が大きく不釣り合いになることがあります。結果的に、被害者が経済的に損をするケースが多いようです。
ここでは、スポーツ自転車特有の賠償金問題と、損をしないための対策を解説します。
賠償金は低くなりがち
ロードバイクなどのスポーツ自転車は、一般的な通勤用自転車よりも高額で、購入時に数十万円することも珍しくありません。
しかし、事故で破損した場合の賠償金は予想以上に低くなることがあります。原因は「減価償却」が適用されやすいためです。
自転車は法定耐用年数が2年とされており、購入から2年経過するとほぼ価値がなくなったと計算されることがあります。30万円で購入したロードバイクでも、1年経過すれば価値は半減し、2年経過すれば大幅に下がると判断される可能性があるのです。
また、市場価格を調べて算出する方法でも、専門性の高いスポーツ自転車は適切な中古相場を見つけにくく、正確な評価が難しい問題があります。
そんな状況で、加害者側の保険会社としては保険金支払いを抑えたいため、できるだけ低い評価が採用されやすくなっています。
適正な賠償金を受け取るためには、以下の方法が効果的です。
● 自転車専門店に「事故がなかった場合の買取価格」の見積もりを出してもらう
● その買取価格の証明書を時価の根拠として保険会社に提示する
● 必要に応じて弁護士に相談し、適正な損害額や過失割合の算定を依頼する
カスタムパーツも損害賠償の対象
カスタムパーツも損害賠償の対象となります。ただし、カスタムパーツの賠償についても注意点があります。
修理の場合、基本的にパーツごとに減価償却した金額が賠償金として計算されます。計算の方法は大きく2パターンあります。
● 自転車本体の取得価額にカスタムパーツの価格を含めて一括で計算する方法
● カスタムパーツを別の財産として個別に計算する方法
買い替えが必要な全損の場合は、カスタムパーツ代まで補償されないケースが多いです。保険会社からすれば、買い替え費用を補償したうえでカスタムパーツまで弁償するのは避けたいと考えるためです。
いずれの場合も弁護士に相談することで、適正な賠償金を受け取れる可能性が高くなります。
交通事故の発生から自転車の修理費用をもらうまでの流れ
交通事故で自転車が破損した場合、以下の手順で対応することで、適切な補償を受けられる可能性が高まります。
- すぐに警察へ連絡
- 自転車の破損状況を残す
- 相手と連絡先を交換する
- 整形外科を受診する
- 人身事故の届出を出す
- 保険会社へ連絡
それぞれ見ていきましょう。
①:すぐに警察へ連絡
事故の程度に関わらず警察へ連絡することが大切です。後に交通事故証明書を発行してもらうことができ、事故で損傷したという事実を証明する際に役立ちます。
▲交通事故証明書とは?
警察に連絡しなければ交通事故として処理されず、賠償金を請求できなくなる可能性があります。
また、相手方が自動車保険に入っているか確認しておくことも大切です。保険に入っている場合は、保険会社が損害賠償について対応してくれます。
②:自転車の破損状況を残す
自転車の破損したところを写真や動画で状況を残しておきましょう。
とくに自転車の破損部分や自動車との接触部分を撮影しておくことが重要です。修理費用や買い替え費用を請求するときに証拠として必要となります。
③:相手と連絡先を交換する
相手と連絡先を交換しておくことも大切です。相手の氏名や住所、仕事先などを控えておいてください。
注意点として、この時点で過失割合に関する話し合いはしないようにしましょう。賠償金の減額など、自分に不利になる可能性があるためです。
過失割合は必ず保険会社を通して決めるようにしてください。
④:整形外科を受診する
事故発生時点で自覚症状がなくても、まずは整形外科を受診することをおすすめします。
▲交通事故後の整形外科受診
自転車と車の事故の場合、体に直接衝撃を受けるので目に見えない部分に怪我を負っている可能性があります。整形外科では検査だけでなく、診断書の作成も依頼できます。
怪我がある場合は事故後からなず病院受診をしましょう。2週間以上経過すると、事故による怪我だと判断できなくなるリスクがあります。
⑤:人身事故の届出を出す
自動車安全運転センターで交通事故証明書を発行してもらいましょう。
交通事故には物損事故と人身事故がありますが、怪我をしていれば人身事故に切り替えを行いましょう。
▲物損事故と人身事故の違い
人身事故に切り替えることで警察が実況見分をしてくれます。実況見分は事故状況の客観的な証拠となり、過失割合に影響します。自転車事故では過失割合に関する争いが起こりやすいため、過失割合の判断をスムーズに進めるためにも実況見分は有効です。
⑥:保険会社へ連絡
自動車保険に加入している場合は、過失の有無にかかわらず、自分が加入している保険会社にも連絡しておくと安心です。
示談の代行サービス(弁護士特約など)が付いている保険に加入している場合は、そのサービスを利用することをおすすめします。
保険会社への連絡は、当日または翌日までに行うようにしましょう。
ただし、大前提として過失がない場合は、自分の保険を使う必要はありません。相手の保険会社に連絡して示談交渉などを進めることになります。
⑦:損害賠償金について交渉
損害賠償金の額について交渉する際は、早めに保険会社へ連絡し、賠償請求を行うことが大切です。
早めに進める理由としては、時間が経つと時価が下がり、賠償金も少なくなる可能性があるためです。また、事故が原因の破損かどうか疑われる可能性も高まります。
損害賠償金の交渉を有利に進めるために、弁護士への相談がおすすめです。弁護士に依頼しなくても賠償金はもらえますが、より多くもらいたい場合は専門的な知識と経験のある弁護士に任せるとよいでしょう。
【注意点】自転車の運転手が損害賠償を支払うケースもある
自転車の運転手が飛び出して、車が大破したような場合は、逆に自転車側が損害賠償を支払うケースもあります。
たとえば、自転車が赤信号を無視して横断し、車が自転車を避けてハンドルを切った結果、車が電信柱などに衝突して大破したようなケースです。運転手に怪我がなかったとしても、自転車の運転手は損害分を賠償する必要があります。
加入している自動車保険の内容によっては、保険から保証される場合もありますが、そうでない場合は自転車側が多額の損害賠償を負担する可能性もあります。
自転車側の過失割合が低い傾向があるとしても、自転車の運転には十分注意することが大切です。
交通事故で壊れた自転車の修理費用は全額出るとは限らない
交通事故で自転車が破損した場合、修理費や買い替え費用は請求できますが、全額が補償されるとは限りません。
賠償額は責任割合や自転車の時価によって決まります。とくにロードバイクなどは減価償却で低く評価されがちです。
適切な補償を受けるために、事故直後の証拠集めと弁護士などの専門家への相談をおすすめします。
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