×

交通事故のむちうちの安静期間はいつまで?仕事を休む場合の補償も

ある日、交通事故に巻き込まれてしまい、むちうちの症状があらわれたあなた。

整形外科を受診し痛み止めと湿布を処方してもらったが、安静にするように言われてしまう。

「安静にするって具体的には何だろう?」「家事も育児もしないといけないのに、いつまで安静にしてればいいの?」など疑問が絶えませんよね。

今回は、交通事故によるむちうちの安静期間や注意点について、西川口みんなの鍼灸整骨院の石元先生(柔道整復師)に解説してもらいました。

西川口みんなの鍼灸 監修記事バナー

▼むちうちの安静期間について4分でまとめた動画もチェック▼

そもそも「むちうち」とは?

むちうちとは、交通事故による強い衝撃で、首周辺の筋肉や靱帯が損傷することで症状があらわれます。また、症状は様々なものがあり、以下のような5つの種類に分類することができます。

むちうちの種類5つ

▲むちうちの5つの種類と違い

  1. 頚椎捻挫型:頭部を支える首を負傷することで痛みがあらわれます。
  2. バレー・ルー症状型:交通事故の衝撃が首の骨を通り越して、自律神経まで傷つけたときに症状があらわれます。
  3. 神経根症状型:神経を支える根本が引き伸ばされたり、圧縮され負荷を受けたときに痛みがあらわれます。
  4. 脊髄症状型:直接、脊髄まで損傷した場合に症状があらわれます。
  5. 脳髄液減少症:交通事故の強い衝撃により脳髄液が漏れだすことで、様々な症状があらわれます。

むちうちになってしまったら具体的に、どのような症状があらわれるのでしょうか。

交通事故でむちうちを負うと、以下のような症状があらわれます。

  • 首の痛み
  • 肩・背中の凝り
  • 頭痛・頭重感
  • 聴力の低下・耳鳴り・めまい
  • 目の疲れ、視力の低下
  • 喉の詰まり感・食欲低下・吐き気
  • 疲労感、全身の重だるさ
  • 足・指先の麻痺

むちうちのセルフチェック方法

上記で述べように、むちうちの症状には様々なものがあります。したがって、「これもむちうちの症状なの?」と思うものあり、判断が難しいかもしれません。

そこで、むちうちのセルフチェック方法を、石元先生に解説してもらいました。

交通事故後、以下8つの自覚症状があれば、むちうちの可能性があります。早急に病院を受診しましょう。

  • 朝目覚めると頭痛がする
  • 朝、すぐに布団から起きられない
  • 首を動かしにくい(左右前後、動かすと痛い)
  • 朝起き上がろうとすると身体の節々に痛みがある
  • 患部に熱がある気がする
  • 体・患部に腫れや内出血がある
  • 倦怠感がある(体がだるい)
  • 湿布でも痛みが改善しない

むちうちの安静期間いつまで?

むちうちの安静期間の目安

▲むちうちの安静期間の目安と急性期と慢性期の違い

「安静にしてください。」といわれても、いつまで安静にしてればいいのか疑問に思う方もいると思います。ここでは、安静期間について説明していきます。

安静期間について

むちうちには、急性期慢性期というものがあります。

急性期とは

怪我になり始めた時期です。このとき、炎症を起こしているため熱を持っています。また、急性期は3日~1週間といわれています。

慢性期とは

痛みや炎症が落ち着いてきて、施術を行うのに適した時期のことです。

ですので、安静期間の目安としては、急性期にあたる3日~1週間といわれています。

むちうちで安静にしなければいけない理由

むちうちの急性期では、なぜ安静が重要なのでしょうか。安静にしなければいけない理由を、石元先生に解説してもらいました。

石元先生:
「むちうちでは、比較的軽い頚部捻挫から、神経や脳などに思いがけない場所にダメージを負っていることもあります。また、首の軟部組織が損傷することで頚椎が歪み、首の損傷として後遺症が残ることも多くあります。

さらに、頚部の筋肉は肩や背中に繋がっており、首をかばうような日常生活は、他の部分の筋肉に余計な負担がかかって痛みが広がってしまうこともあります。

上記のような症状は、急性期に無理な動きをすることで慢性化し、不定愁訴(原因不明の体調不良)に発展してしまうこともあります。そのようなことを防ぐためにも、安静を保つことが重要なのです」

むちうちで「安静にする」とは?

眠る女性

交通事故でむちうちを負い、「安静にしてください」と言われたら、具体的にどのようなことに注意すればよいのでしょうか。

無理な運動や車の運転は控え、お酒も飲まないようにしてください。体になるべく衝撃がかからないようにしましょう。

より安静を保つためには、カラー(首に巻くスポンジでできた固定用装具)等で頚部を固定するのも良いでしょう。特に受傷直後から痛みのある場合は、頭の重さをカラーで支えることで、痛みは楽になります。
ただし、長期の利用は首の筋肉の弱化や、関節が拘縮するなどのデメリットが発生するおそれがあるため、避けた方がよいです。

むちうちで「安静にする」ということをまとめると、以下のようになります。

  • 無理な運動や車の運転は控える
  • お酒(アルコール)は飲まない
  • カラーで頚部を固定する(ただし長期間の使用は避けた方がよい)

それでは、むちうちで「安静にする」以外の対処方法はあるのでしょうか。

石元先生:
「安静以外の対処では、患部を冷やすことが大切です。患部は炎症を起こしていることが多いので、しっかりとアイシングをしましょう。
湿布には冷湿布や温湿布がありますが、冷湿布の方がいいでしょう。基本はアイシングをして、寝る前や外出などで冷やせない時に、湿布を使いましょう。

また、受傷当日から枕を低いものにして、頚部を圧迫せずにリラックスさせてください。
患部を温めることや熱いお風呂に入るなどはせずに、シャワー程度で済ませるようにしましょう」

むちうちの通院先と治療について

交通事故のむちうちの主な治療先(病院・整形外科、整骨院・接骨院)

▲交通事故のむちうちの主な治療先

むちうちの通院先は、整形外科と考える方も多いのでは?しかし、むちうちの通院先は整形外科だけではありません。また、むちうちの治療も様々なものがあります。ここでは、むちうちの通院先や治療についての説明します。

むちうちの通院先2つ

むちうちの主な通院先は、以下の2つです。それぞれの違いについて簡単にまとめました。

  1. 病院・整形外科:レントゲンやMRIなどの検査、痛み止めと湿布の処方による治療
  2. 整骨院・接骨院:マッサージや整体など、痛みのある部分に直接触れて行う施術

「でも、病院・整形外科と整骨院・接骨院のどちらか一つしか通院してはいけないんじゃ?」と思っていませんか?
そんなことはありません。病院・整形外科と整骨院・接骨院の併用も可能です。
病院・整形外科で定期的に検査を行い、整骨院・接骨院でマッサージなどをしてもらうといった、より充実した治療を選択することもできるのです。

もし併用する場合は、病院・整形外科と整骨院・接骨院を同じ日に通うことはできません。そのため、通院するタイミングをずらすことを覚えておいてくださいね。

関連記事接骨院と整形外科の違い。2つの通院先を併用することは可能?

むちうちの治療方法について

むちうちの治療方法は様々です。以下に簡単にまとめてみました。

温熱療法

身体を温めたり冷やしたりする温度刺激によって、血液循環の改善や疼痛の軽減などの効果があります。温熱療法にもさまざまなものがあり、代表的なものとして赤外線治療、ホットパック、マイクロ波治療などが挙げられます。

牽引療法

牽引療法は、脊椎に起因する症状を軽減する効果があります。
椎間関節の軟部組織を伸ばしたり、椎間板や椎間関節の変形や位置を矯正したり、神経の通り道の椎間孔を広げることができます。

痛み止め

痛み止めは、痛みの症状を抑制する効果があります。

ブロック注射

ブロック注射には、トリガーポイントブロックや星状神経節ブロックなどがあります。この治療をすることにより、血行の改善や交感神経の緊張を緩めることができます。

マッサージ

マッサージをすることで、血流改善や自律神経のバランス改善などの効果があります。
この治療は、慢性期に行われることが多いです。

鍼灸治療

人体のツボをはりやお灸で刺激することにより、症状の緩和させる効果があります。

▼通院先ごとに異なる治療や施術

治療・施術内容 病院・整形外科 整骨院・接骨院
温熱療法
牽引療法
痛み止め ×
ブロック注射 ×
マッサージ ×
鍼灸治療 ×

※△…それぞれの医院や整骨院の設備や方針、資格者の在籍有無によって異なります。

自宅でできる、むちうちに効くマッサージはあるの?

治療をしたくても忙しくて通えないという方もいらっしゃると思います。「自宅でできるむちうちに効くマッサージがあればな~」と考えますよね。

ですが、自分でマッサージをして痛みのある部分を動かすのはよくありません。知識もないのに自分でマッサージをしてしまうと、かえって痛みが悪化してしまうことがあります。
治療は病院の先生にお任せするのが、安心ですよ。

日常生活に支障をきたしたら…

「交通事故で仕事や家事などができなくなってしまった。どうすればいいの?」と不安な方もいるのではないでしょうか。そんなときは、休業補償で補うことができます。その内容についてまとめました。

休業補償を請求する

休業補償とは
交通事故で仕事を休んでしまい、その期間に得られたはずの収入に対する補償のことです。

休業補償は、勤務先に休業日数の証明書を発行してもらい、加害者側の保険会社に請求することで受け取ることができます。

家事や育児も休業補償は受けられる!

主婦の場合、「そもそも収入はないし、家事や育児ができなくなった時も休業補償を請求できるの?」と思いますよね。働いておらず収入がなくても、主婦にとっては家事や育児が仕事(労働)としてとらえることができます。このように、主婦でも休業補償が受けられるので安心してくださいね。

ですが、主婦は家事や育児をしているけれど、勤務先があるというわけではないですよね。主婦の方が休業補償を請求するときは、医師による診断書や通院を証明する書類が必要です。これらの書類が休業の証明となるので、とっておくとよいでしょう。

なるべく早くむちうちが治りますように…

びっくりマーク,!

いかがでしたか?むちうちの安静期間は、急性期にあたる3日~1週間です。その期間中は、なるべく安静にしておくことが大事です。無理に動いてしまうと、症状が悪化することもあります。

また、むちうちは、治療をしなければ治りません。むちうちの通院先は、病院・整形外科、整骨院・接骨院の2つです。通院先は自由に選ぶことができるので、お好きな通院先を選んで通うようにしましょう。

この記事を監修した先生

柔道整復師。

この記事の執筆者

交通事故病院編集部 ライター / T.N
大学を卒業し、出版社で取材や編集業務を経験。その後、WEBメディアの執筆に転向し、事故に関する様々な知識を多くの人に届けるべく、日々邁進中。現在は、交通事故専門士の資格を取得するために勉強をしている。座右の銘は、格物究理。

カテゴリ一覧

はじめての交通事故でお悩みの方へ。
交通事故に関する知識や通院について
無料でサポートいたします。
無料 0120-963-887
電話で無料相談する

24H緊急
ダイヤル

0120-963-887

  • お見舞金最大20,000
  • 相談0
  • 安心の365日対応

事故専門の相談員が
無料で完全サポートいたします