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<追突事故の被害者談>むちうちをしっかり治す為に

実はむちうち症かもしれない…?

これは、過去に交通事故にあった私の話である。

大学2年の夏休み、彼女とディズニーランドに行く道中に高速道路の料金所で営業車のハイエースに追突されてむちうちになったことがある。
アルバイトして貯めたお金で買った中古の軽自動車が全損になった。

全損した白い軽自動車

車については、13万キロも走っていたし、馬力はないし、クーラー壊れてたし、仕方がないと思えた(なんせ10万円で買ったのだから)。
とにかく、彼女も私も怪我がなかったことで心底ホッとしたのを覚えている。

ところが、事故から5日後。
首が寝違えたように痛く、回らない。どうも気だるい。
病院に行くとむちうち症だと診断された。

当時はガラケーだったので、むちうちについて調べたりもせず、医師の診断を疑いもしない。
処方された湿布と痛み止めで気合いで治した(気でいた)。

私が未だに季節の変わり目に肩が張ったように痛いのは、10年前のむちうちが後遺症となって症状が残ったからではないかと密かに思っている。
そう思うから、今現在、同じ症状や悩みを抱えている人に、むちうちの症状について調べたこと、取材でわかったことを記事にして読んでもらおうと思う。

1.むちうちの症状とは

「むちうち症」といっても、具体的に「これだ!」といったものはなく、人によって実にさまざまな症状がある。

むちうちの症状とは?むちうちが原因で起こる症状の例

▲むちうちが原因で起こる症状の例

代表的な症状「頚椎捻挫(けいついねんざ)

むちうちの正式名称は頚椎捻挫(けいついねんざ)という。

例えば、追突事故車。
急に、予測不能な衝撃が後ろから加わる。
自分の意思ではないので、頭はそのまま。体だけが急激に前方へ押し動かされる状態になる。すると、頚椎(首の骨)に大きな負担がかかる。

車に追突された衝撃で、頚椎(首の骨)の周りの筋肉や靭帯など、軟部組織(なんぶそしき)(※1)が損傷したことによって、様々な症状が現れる。頚椎や脊髄(せきずい)(※2)に損傷を受けることはもちろん、手や肩を打ち付けた時に首の筋肉を痛めることも。

「“軽い追突なら怪我も軽傷である”と安易に考えてしまう方が大勢いますが、そんなことはありません。交通事故の衝撃は、滅多に受けないものですよね。例えば、ラグビーやアメフトといったスポーツをされてる方でも、試合中はかなりの力で衝突しますが、衝突するときは脳が予測して、体を構えてくれるんですね。人間、予測ができればある程度の防御反応はできるものです。それが交通事故のように突然来られると、脳が予期できないので構えられないんです。関節に、直接的に衝撃が入ってしまいます。」

出典:じん鍼灸整骨院インタビュー記事より

むちうちは、この頚椎がムチを打ったときのムチのようになることから「むちうち症」と呼ばれている。
むちうち症は首の痛みや肩の痛みが代表的だが、人によって現れる症状が違う。

  • 首や肩の痛み
  • 頭痛や吐き気
  • 倦怠感(けんたいかん※3)
  • 痺れ(しびれ)

場合によっては、麻痺症状が現れることもあるそうだ。

疼痛から始まり、症状がひどくなっていくことによって、しびれが現れます。
痛みやしびれを訴える方は、交通事故の怪我においては非常に多いです。
交通事故の状況によっては、さらに症状が進むと、麻痺(まひ)症状が出てくる可能性もあることを認識しておくと良いと思います。

むちうちの治療期間はいつまで?慰謝料打ち切りにならないための通院頻度とは

私のように、若気のいたりで「アルバイトもあるし、通院するの面倒だし」なんて思っていると、後遺症になることもあるかもしれない。
少しでも首に違和感や痛みといった不調があるのなら、「自分の体は本当に大丈夫なのか?」と問いかけてみてほしい。

2.簡単!自分でできるむちうちのセルフチェック方法

交通事故に巻き込まれると、自分では気がついていないかもしれないけれど、身体が興奮状態になっていることがある。怪我をしていても、「痛くない」と思いがちだ。

むちうちが交通事故後すぐに痛みとして現れないことがある理由は?

▲むちうちの症状が事故後すぐに出ない理由

でも、交通事故による(あるいはスキーやスノボといったスポーツでも)衝撃は、自分で思っている何十倍もの損傷を与える。
以下のような症状が一つでも出てきたのなら、自分が「むちうちである可能性」を疑ってほしい。

むちうち症セルフチェック方法

  1. 倦怠感がある
  2. 首を動かしにくい(左右前後、動かすと痛い)
  3. 内出血がある
  4. 寝起き、頭痛がする
  5. 患部に熱がある気がする

これらの症状が現れているのであれば、我慢をせず(「おとなしくしていれば治る」と思わず)に、近くの病院にいって、レントゲンやCTを受け、しっかりと診断してもらうことをおすすめする。

「極端に言えば、“交通事故の前にあった症状なのか・なかった症状なのか”です。事故後に感じたことのない痛みや違和感が症状としてい出ていれば、それは当然事故の要因が大きく関わってくる。今までの人生でそんなことはなかったのに事故が起きてから症状が出たということは、事故が引き金になっている可能性が高いと言えます。」

出典:じん鍼灸整骨院インタビュー記事より

3.むちうちの治し方とは?

聞いたことがある人もいると思うが、むちうちには決まった治し方というものがない。
前述もしたとおり、人によって症状はさまざまだからだ。

交通事故の状況や、痛みのある部位や、どんな症状なのかを整形外科や整骨院の先生に聞いてもらってからでないと、具体的な治療方法や施術内容は出てこない。私が調べたことや、取材を続けてきた中で、統計的に多かった意見は二つ。

  • 痛みを感じたら氷で冷やす
  • セルフケアせずに安静にする

「そうはいっても、今すぐこの痛みをどうにかしたい」と思っている方、本当にごめんなさい。
気持ちはわかるが、私はどうにもしてあげられない。

でも、心から治ってほしいと思うから、少しだけ、痛いままで安静にしていてほしい。
そして、痛みが少しでも落ち着いたら、整形外科整骨院へ通院してほしい。
抱えている不安な気持ちや事故の状況をこと細かく話して、下記のような治療や施術を受けてみてほしい。

整形外科の治療内容とは

診断を得意とし、現状や今後などを把握するのに適している。
鎮痛剤(痛み止め)や湿布の処方が主だといえる。

整骨院の施術内容とは

指圧や整体以外にも、電気や超音波など、その人の症状に合わせて施術内容を組み合わせることが多い整骨院。
オーダーメイドの施術をやっているところが多く、痛みの緩和など、通院に向いているといえる。

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4.むちうちで後遺症を残さないために…

むちうちの後遺症は思う以上につらいものだ。

頭痛や肩こり、首の痛み、吐き気。
周りからすれば大したことないと思われるかもしれないが、それらの症状と一生付き合っていかなくてはならない。
精神的にもとてもつらいし、痛みがひどい時は通院もしなければならず、金銭的にもつらい。

後遺障害認定とは、交通事故による怪我の後遺症と付き合っていかなくてはいけない場合に、被害者の精神的苦痛を対価で表した慰謝料を加害者側の保険会社から支払われることをいいます。

交通事故で首のむちうち、治療費はいつまで?整骨院・整形外科の併用通院の方法

しっかりと通院をすること!

これまで整骨院の先生たちに取材をしてきた中で、必ずしてきた質問が「後遺症にならないとためにすべきことは?」だ。
そしてこの問いに対しての回答は、必ず「しっかりと通院してください」である。

私は整骨院の先生にしか質問したことはないが、整形外科の先生でも、保険会社でもそうだろう。
「しっかりと通院することが、症状をよくする唯一の方法」といえる。

交通事故にあった時、遅れて症状が出てくることはよくある。

物損事故から人身事故に切り替えるのは、非常に面倒な作業である。
整形外科にいって診断書をもらい、それを持って警察署へ行き、手続きをする。
(ちなみにこの警察署は、交通事故にあったエリアを管轄している警察署の交通課のこと)。

さらに、保険会社に提出すべき書類は、「まだ書くのか」というくらい山ほどある。
あらゆる手続きが、何しろ煩雑だ。

それでも、我慢して通院してほしい。
切り替えなくてもいいけど、物損事故のままだと治療費は自己負担になってしまう。

5.むちうち症状のまとめ

むちうちの特徴「症状が後から現れる」「診断が難しい」

▲むちうちの特徴「症状が後から現れる」「診断が難しい」

交通事故に遭うと、煩雑な手続きや日々の忙しさから自分の体をないがしろにしてしまいがちだ。
しかし、自分の体を大切にしなければ、のちに頭痛や肩こりに悩まされる可能性があるかもしれない。

  • むちうちはさまざまな症状がある。
  • 少しでも気になる点があるならむちうち症を疑っていい。
  • むちうちかもと思ったら人身事故に切り替えるべき。
  • セルフケアや、誰にでも効く治し方はない。
  • 後遺症にならないためには、定期的に通院する。

もし交通事故にあってしまって、特別に痛みを感じていなくても、
一度は医療機関に行って、記録を残しておくことをおすすめします。心からお大事に。

この記事の執筆者

交通事故病院編集部 ライター / M.F
大学卒業後は社内で違う業務に就いていましたが、以前から興味のあった記事の執筆を最近始めました。学生時代に通っていたこともあり、整骨院に関する知識は豊富ですが、まだまだ新たな知識を身につけるべく勉強の毎日です。

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