打撲した患部は温めるよりも冷やした方が良い!急性期の正しい処置について解説
監修記事
福山 祥平
柔道整復師
打撲(打ち身)とは、体の外側に何らかの衝撃がかかり、組織が傷つく怪我のことを指します。スポーツ中に接触して、家具に身体をぶつけたり、転倒した時に身体を打ち付けたりすることで生じる可能性があります。
怪我の重症度には差がありますが、誰もが一度は経験したことがあるのではないでしょうか?
この記事では、
・打撲は冷やすのと温めるのとどちらがいいのか?
・打ち身を冷やすときは保冷剤や冷えピタでいいのか?
・どのくらいの時間、いつまで冷やせばいいのか?
など、打撲(打ち身)の対処に迷っている方へ向けて解説しています。
結論をお伝えすると、以下の通りです。
- 急性期の打撲は冷やした方がいい
- 冷えピタや保冷剤では打ち身の患部は冷えない
- 腫れが引くまでの期間20分くらい冷やす
では、なぜ打撲をした際に冷やす必要があるのか?、といった正しい打撲・打ち身に対する処置について解説します。
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目次
打撲の患部は冷やした方がいい
打撲では、怪我した直後から時間が経過するにつれて、処置の方法が変化します。
打撲直後は、患部を冷やすことが正しい処置方法となります。冷やすことで、怪我をした患部にどのような影響があるのか、以下で解説します。
温めると血行が良くなり腫れが増してしまう
打撲をした時には、体の組織や小さな毛細血管が傷つき、内出血を伴います。打撲直後、内出血に対して温めると、血行が良くなることにより内出血量が増え、腫れも増すことがあります。
そのため、打撲直後は冷やすことで、血管を縮小させ内出血を減少させることで、腫れを抑えることができます。内出血が酷くなり、腫れが残ってしまうと、打撲の痛みが残りやすくなる可能性や、動きにくいなど、予後にさまざまな症状が残るリスクもあります。
痛みの感覚を麻痺させるため
冷やすことで、内出血の減少による腫れの抑制と痛みの感覚を麻痺させる効果があります。打撲をした直後から痛みが発生し、その痛みはスポーツだけでなく日常生活でも支障をきたすことがあります。
さらに、痛みを感じることで力が入り、体中が緊張するため、安静を保つことが難しくなることがあります。痛みを麻痺させることで、打撲の修復に必要な環境を整えることができます。
ただし、内出血が起きている時にお酒を飲むと血行が良くなり、腫れや痛みが増すこともあるため、飲み物などにも注意が必要です。
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打撲した患部の正しい冷やし方
打撲直後は冷やすことが有効ですが、冷やし方や使用する道具など、より効果的な選択が重要です。冷やし方を間違えると効果が発揮できないことや、むしろ皮膚に悪影響を与えることもあるため、注意しましょう。
タオルの上から氷を患部にあてる
打撲をした後、冷やすときに注意が必要なのは、冷やす方法や冷却温度です。冷却温度が低すぎると、皮膚が凍傷を起こしてしまう恐れがあるため、注意が必要です。
効果的な冷やし方として、氷を使用する方法がありますが、氷を直接患部に当てることは避けましょう。まずはビニール袋や氷嚢に氷と水を入れ、溶かしながら使用します。
氷水の入ったビニール袋をタオルで包み、そして患部に当てます。この方法では、患部を効率的に冷やすとともに、皮膚の凍傷のリスクも回避できます。
冷やす道具として、冷えピタや保冷剤などもありますが、できる限り氷水を使用しましょう。
コールドスプレーや保冷剤はNG
冷やすための道具として、氷以外にもコールドスプレーや保冷剤などの方法が数多くあります。しかし、打撲などの怪我をした患部を冷やす際には、極力コールドスプレーや保冷材などは避け、氷水を使用しましょう。
理由としては、凍傷のリスクがあるという点です。コールドスプレー、保冷剤は温度がマイナスまで下がるため、同じ場所に当て続けることで皮膚に凍傷を起こすことがあります。
さらに、皮膚で冷たさを強く感じるため、体の内部まで冷やすことが難しく、保冷剤に関しては化学やけどを起こす可能性もあります。冷えピタや湿布などもありますが、これらは化学物質により冷えているように感じており、身体の内部を冷やす効果は期待できません。
そのため、体の内部まで冷やすことや凍傷のリスクを考えると、氷水がベストです。ただし、患部に水泡や傷がある場合は、そのまま冷やしてしまうと感染症のリスクを伴うため、冷やす前に適切な処置が必要です。
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打撲の患部を冷やす時間は20分程度が目安
打撲の患部を冷やす際には、1回の冷やす時間も重要です。打撲直後には、痛み、内出血、炎症、腫れなどの症状が同時に発生し始めます。
そのため、症状の緩和だけでなく、傷ついた組織の修復を早めるために、できるだけ早く冷やしましょう。患部に清潔なタオルを湿らせて乗せ、その上から氷水を20分間かけます。
氷が溶けながら体内の熱を取り除き、冷やしてくれます。20分経過後、氷水を取り除き、体温が自然の状態に戻るまで待ちます。
凍傷を防ぐため長時間冷やさない
患部を冷やす時間の目安は20分です。これは凍傷のリスク回避と体の感覚の変化に合わせた時間です。打撲した後、患部を冷やし始めると、強い冷感、灼熱感、疼痛、そして感覚消失の順に感覚の変化が起きます。
最後の感覚消失までに15〜20分かかるといわれていますが、これ以上続けると凍傷や皮膚の感覚異常を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
POINT
終わるタイミング
感覚が消失した時点で終了しましょう。感覚が失われると痛みが緩和され、身体の中まで冷えた状態になります。
2時間から3時間おきに冷やすのが良い
患部を冷やす際には、一度冷やしてから次に冷やすまでに2〜3時間の間隔を空けるようにしましょう。打撲により患部を20分間冷やした後、体温が自然に戻るのを待ちます。
体温が戻り、打撲による痛みが治まっている場合は、その後は冷やす必要はありません。しかし、症状が残っている場合は、2〜3時間後に同じく20分間冷やします。これを3〜4回繰り返し、患部を安静にします。
患部を冷やす目的の1つは、冷やされた後に人体の反応により逆に血行が良くなり、修復を早めることです。
しかし、冷やす時間が長すぎたり、間隔が短すぎると血行が悪くなり、修復が遅くなることがあるので、的確な時間で行いましょう。
腫れが引くまでの2日~3日は冷やすようにする
まず、患部を冷やす時間や間隔を決めた後、どの程度の期間冷やす必要があるかを説明します。基本的には、患部の腫れ、熱、痛みなどの症状に応じて冷やす期間が決まりますが、2〜3日は行いましょう。
打撲が発生してから2〜3日で内出血は止まり、冷やすことを繰り返すことで腫れが引いてきます。患部を冷やす処置は、応急処置に過ぎないため、この期間中に病院を受診することも必要です。
打撲でも、時には骨折などの大きな怪我につながる可能性もあるため、注意が必要です。
患部が熱を帯びたタイミングで冷やすと良い
患部のアイシングを続けると、腫れや痛み、熱が引いてきます。冷やす頻度やタイミングも症状にあわせて変えていきますが、指標となるのは患部に熱を持っているかどうかです
。四六時中冷やす必要はなく、患部に熱を帯びたタイミングで冷やしましょう。熱を帯びていると炎症が起きている可能性があるので、2、3日患部の状態を見ながらアイシングを行いましょう。
腫れが引いたら温めて血行を良くする
打撲の影響は程度によりますが、患部に2〜3日間アイシングを続けることで内出血が止まり、腫れがピークを過ぎ始めます。腫れがピークを過ぎた後は、温めて血行を促進し、組織の活性化や再生を促します。
打撲によって傷ついた組織を修復するためには、酸素や栄養素が必要になります。
これらは血液によって運ばれるため、血行を良くすることで修復を早めることができます。さらに、温めることで怪我や痛みで緊張していた筋肉や関節の緊張も緩和され、痛みを和らげることができます。
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まとめ
打撲は程度によって異なりますが、受傷後の対処の速さと方法によって修復速度が左右されます。アイシングを行う際の危険性を理解し、より効果的に効果を発揮するために、この記事を参考にしてください。
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この記事を監修したのは…
柔道整復師。学生時代には整形外科のリハビリでアルバイトを経験、卒業後は整骨院に就職し院長となり後に独立。現在では出張や店舗での整体、フェイシャルエステを経営。また、並行してSEOを始めとするWEB関連についても学び、現在ではWEBライターなど幅広く仕事を行う。
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