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交通事故後の捻挫が治らない?治らない原因や対処法について解説!

監修記事

世良 泰

医師(整形外科他)

交通事故の影響で頚部捻挫を発症してしまったが、捻挫が治らないことを悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

捻挫を軽視すると後遺症が残ってしまい、症状が治らないという危険性が高まります。

今回は交通事故後の捻挫が治らない方に向けて、治らない原因や対処法について解説します。捻挫が治らずに困っている方はぜひ参考にしてください。

捻挫が治らないとどうなる?

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捻挫が治らないと関節が変形する「変形性関節症」へ移行してしまう危険性があります。交通事故後の捻挫では関節を安定させる靭帯が、事故の衝撃によって引き伸ばされて緩んだ状態となり、関節の不安定性が増すことで周辺の組織を傷めてしまうのです。

この不安定な状態が長期化すると、関節内に変形を生じ「変形性関節症」が形成されます。変形性関節症が形成されると、関節の痛みや違和感などが慢性症状として残ってしまい、私生活での歩行を中心とした動作に支障をきたします。

捻挫が治らないことを放置すると「変形性関節症」へ移行してしまい、最終的には手術を受けなければならない状態となる可能性が高まるため注意が必要です。まず、捻挫になった場合は放置せずに、しっかり整形外科で治療を行うようにしましょう。

交通事故の捻挫が治らない原因

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交通事故後の捻挫が治らない原因としては、日々の生活での負担や、対処方法が適切ではない場合、合併症の有無など多くのことが影響します。それぞれについて以下に詳細に解説します。

治りを悪くする生活を送っている

治りを悪くする生活を送っている方は、捻挫が治らない原因となっているかもしれません。悪影響となる生活としては

  • 食事の栄養バランスが悪い
  • 睡眠不足
  • 立ち仕事で足に負担が掛かり安静にできない
  • 患部のセルフケアが行えていない

などが挙げられます。怪我の治癒力を効果的に高めるには食事、睡眠、安静、ケアが非常に重要となります。心当たりのある方は私生活での負担を解消し、治癒力を高めるように心掛けしましょう。

適切な処置を受けられていない

捻挫の受傷後に適切な処置を受けていない場合も、治らない原因となる可能性があります。整形外科では急性症状に対してRICE(ライス)処置が処方されることが多いです。

RICE処置とは、Rest(安静) 、Ice(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)を行い、炎症反応を抑えることを目的としています。具体的には、アイシングの指導やテーピング固定、安静指導など、患部の治癒に効果的な処置やケア指導を行います。

急性症状への適切な処置は、患部の治癒に非常に重要な要素となるため、分からない方は専門家に相談をしましょう。

合併症がある

捻挫が治らない原因として合併症がある可能性が疑われます。重度の捻挫の場合は、事故の衝撃によって筋肉損傷、靭帯損傷、剥離骨折などの合併症を患っているケースがあり、症状が強い方は注意が必要です。

また、安静を目的とした関節の固定後にも、関節の可動域制限が発生することもあり、これによって二次的な症状が誘発される危険性があります。病院などで「完治」と言われるまでは、治療やケアをしっかりと継続するように心掛けましょう。

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捻挫が治らないときの対処法

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捻挫が治らないときの対処方法としては、関節可動域の改善や、再発の予防、手術の検討などが挙げられます。それぞれについて以下に解説します。

関節可動域の改善と再発予防

捻挫が治らないときの対処法として優先されるのが、関節可動域の改善や、筋力強化や動作の修正などを行う再発予防を目的としたリハビリです。怪我をした際には、組織の修復過程や安静による固定によって「関節の硬さ」や「筋力低下」が誘発され、日常生活の動作が思い通りに行えない状態となることがあります。

このまま放置してしまうと二次的な症状が誘発される危険性があるため、関節可動域の改善や筋力強化、動作の修正などの再発予防を含めたリハビリやケアを行うことが重要です。

手術による治療を受ける

リハビリなどの保存的治療を行っても、痛みや不安定性などの症状が改善されない場合は、手術による組織の修復が選択されます。

近年では小さな切開で行われる関節鏡視下手術ができるようになり、負担を最小限に抑えた手術となっています。 しかし、足関節靱帯損傷に対する関節鏡での手術はまだ一般的ではなく、専門病院でもあえて関節鏡でやらないところもあります。

手術後は早期からリハビリが開始され、関節の可動性改善、筋力強化、動作訓練などを目的としたアプローチを行っていきます。捻挫が長期的に治らない時には、整形外科の医師に相談するようにしましょう。

交通事故で捻挫になった場合の治療先

交通事故で捻挫になった場合の治療先としては整形外科、整骨院、鍼灸院などが選択されます。それぞれの特徴について以下に詳細を解説します。

整形外科

整形外科ではレントゲンMRIなどの画像検査、整形外科テスト等を用いて医師の詳細な診断を受けることが可能です。また、炎症を抑えて痛みを和らげる内服薬や、湿布の処方などの投薬治療も行われます。

医師の指示の下に関節、筋肉、動作などの機能改善を目的とした理学療法士によるリハビリテーションも提供され、科学的根拠に基づいた、安心安全な治療を受けることが可能です。

リハビリの際には、温熱、寒冷、電気、光線、超音波などの物理的エネルギーを用いた物理療法も行われます。

整骨院

整骨院では、柔道整復師による手を使った徒手的な施術(マッサージなど)や、前述した物理療法などを受けることができます。

整骨院にはレントゲンやMRIなどの画像診断を行う設備が無いため、受傷直後には整形外科で医師の詳細な検査を受けた後に通院することをおススメします。保険適応や交通事故の施術も行っています。

鍼灸院

鍼灸院では、はり(鍼)やお灸、電気治療などを用いた施術を受けることができます。ツボに刺激をする治療を行い、痛みや血液循環の改善、自己治癒力を促すなどを目的に行われます。

整骨院同様に画像診断の設備が無いため、まずは整形外科を受診するようにしましょう。鍼灸院でも保険適応治療、交通事故の治療を行っています。

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まとめ

まとめ

今回は交通事故後の捻挫が治らない方に向けて、治らない原因や対処法について解説しました。捻挫を長期間放置してしまうと関節の変形が生じることや、二次的な症状が誘発される危険性があり、場合によっては手術が適応となる可能性もあります。

先ずは受傷直後に適切なRICE(ライス)処置を行い、関節、筋肉、動作などを目的としたリハビリテーションを行っていきましょう。また、乱れた生活習慣の影響によっても治癒の遅延を招く危険性があるため、食事、睡眠、安静、ケアを意識した生活を心掛けることも重要です。

捻挫が治らないで悩んでいる方は、先ず整形外科を受診して詳細な検査による医師の診断を受けてみてください。捻挫を軽視することなく、受傷早期になるべく早く受診するようにしましょう。

この記事を監修したのは…

慶應義塾大学医学部卒。初期研修後、市中病院にて内科、整形外科の診療や地域の運動療法指導などを行う。スポーツ医学の臨床、教育、研究を行いながら、プロスポーツや高校大学、社会人チームのチームドクターおよび競技団体の医事委員として活動。運動やスポーツ医学を通じて、老若男女多くの人々が健康で豊かな生活が送れるように、診療だけでなくスポーツ医学に関するコンサルティングや施設の医療体制整備など幅広く活動している。「健康を通じて人々の夢や日常を応援すること」をミッションに2024年6月に池尻大橋せらクリニックを開院。

池尻大橋せらクリニックHP
https://sera-clinic.com/

日本整形外科学会専門医
日本内科学会認定内科医
公衆衛生学修士
International Olympic Committee Diploma in Sports Medicine
日本スポーツ協会公認スポーツドクター
日本医師会認定健康スポーツ医
日本整形外科学会認定スポーツ医
日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツ医
Performance Enhancement Specialist (National Academy of Sports Medicine)
Corrective Exercise Specialist (National Academy of Sports Medicine)
日本医師会認定産業医
ロコモアドバイスドクター

TWOLAPSチームドクター(陸上)
LADORĒメディカルアドバイザー
日本陸上連盟医事委員

株式会社スポーツ医学 代表取締役
株式会社Mesign 顧問
株式会社うごきのクリニック 取締役
AuB株式会社 顧問ドクター
株式会社富士急ハイランド 医療顧問
株式会社リハサク メディカルアドバイザー
株式会社アルゴス 顧問医師

この記事の執筆者

理学療法士 / 枡中 昂也
理学療法士として整形外科病院で患者様に対するリハビリテーションを担当。 現在は病院勤務を行いながら、Webライターとして医療に関する情報発信を行っている。

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