肉離れの症状とは?見分け方や交通事故との関連も解説!
監修記事
枡中 昂也
理学療法士
交通事故後にむちうちのような症状となり、患部が腫れて痛みが強く、日常生活に支障をきたしている方もいるのではないでしょうか?
このような症状の方は肉離れを発症している可能性が高いです。
肉離れは一般的にスポーツとの関連性が高い疾患と報告されていますが、交通事故の衝撃による過度な外力によっても発症することがあります。
今回は肉離れの症状について、チェックポイントや注意点などを解説します。肉離れを発症しているかもと悩んでいる方は、ぜひチェックしてみてください。
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目次
肉離れの主な症状
肉離れは瞬間的な動きを行ったときや、過度な外力によって過度に引き伸ばされた際に、筋肉に負荷が加わり損傷や断裂を起こしてしまった状態です。
症状としては、受傷直後から強い痛みを感じて患部が腫れ、日常生活動作を行うことが困難となります。
以下に、肉離れの主な症状をリストアップしますのでチェックしてみましょう。
POINT
肉離れの主な症状
・痛みで動けない
・力を入れようとすると痛い
・痛みのある部位が腫れている
・腫れた部分の皮膚が赤紫色になっている
・急に強い痛みが出た
・押すと痛みがある
・ストレッチなど伸ばすと痛い
・筋肉に凹みがある
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肉離れと似た別の疾患との見分け方
肉離れの症状と似た別の疾患がいくつかありますので、類似した疾患の症状や見分け方を以下にわけて紹介します。
- こむら返り
- 筋膜炎
- 筋挫傷
こむら返り
こむら返りは筋肉に発生する痙攣の総称で、「足がつった」と表現されることが多い症状です。原因としては主に栄養不足、水分不足、筋肉疲労、冷え、内科的疾患などが起因となり発症します。
運動中や睡眠時に発症する場合が多く、妊婦さんや高齢の方にも発症しやすいのも特徴です。
こむら返りが起きると、強い痛みで動作を行うことが困難となりますが、痛みが出ている筋肉を伸ばしてあげることで容易に症状が緩和してきます。
筋膜炎
筋膜炎とは、筋肉の使い過ぎによって筋膜が硬くなり炎症を起こした状態です。運動や生活動作などの特定の繰り返される動作が負担となり、筋膜に炎症を生じることで発症します。
疾患としてはマラソンランナーが発症する足底腱膜炎が有名です。症状としては動いている際の痛みがメインで、運動・歩行・家事などの動作時に出現し、夕方に痛みが強くなることも特徴の一つです。
筋挫傷
筋挫傷とは、打撲といった外力によって筋肉に損傷を生じた状態です。主にはスポーツ動作時の接触や、交通事故などで物にぶつかることで発症します。
症状としては患部の内出血によって腫れ、動作時の痛みを生じます。痛みの度合いは損傷の程度によって軽度〜重度まで様々です。
筋肉の腫れは徐々に悪化していき、数日間続くことがあります。筋挫傷の症状は肉離れに類似していることが多いです。
肉離れの程度の見分け方
肉離れの程度を見分ける際には、以下の重症度分類という評価方法を用いて筋肉の損傷度合いをチェックします。
- 軽度(歩ける程度)
- 中等度
- 重度
軽度(歩ける程度)
筋肉の断裂といった大きな損傷はなく、引き伸ばされた程度の軽度の損傷。よって歩くことは可能であり、損傷している筋肉を押すと痛みがある程度です。
治療としてはストレッチや関節の可動域訓練から開始し、症状の改善が確認された段階でジョギングのような軽い運動を徐々に開始します。治療期間の目安は1〜2週間程度です。
中等度
筋肉に部分断裂を生じ、目視で確認できる程度の皮下出血がみられ、炎症反応が強く出現している状態です。自力歩行自体は可能ですが、歩行スピードが遅く、患部をかばいながらの歩行となります。
治療としては、患部の筋肉に無理の無い範囲での軽めのリハビリから開始し、徐々に運動強度を上げていきます。治療期間の目安は4〜6週間です。
重度
筋肉に重度の断裂を生じ、目視でも筋肉の凹みを確認できる状態です。痛みが強いため自力歩行は困難となり、状態によっては手術が検討されます。
患部をギプス固定し、松葉杖での歩行を行い患部への負担を最小限に抑えます。治療期間は3〜6カ月程度となり、患部への物理療法や関節可動域訓練などの軽めのリハビリを行う流れで進むでしょう。
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肉離れを診断する検査方法
肉離れを診断する検査方法としては、MRI検査と超音波エコーを用いた画像所見を参考にして行っていきます。
主にMRI検査を行う病院が多く、筋肉の損傷部位の特定や炎症の確認など肉離れの有無だけではなく、重症度のチェックも行います。
皮膚表面の視診だけでは、内部の損傷や炎症を詳細に判断することは困難です。症状が強く出現している場合には、MRIや超音波エコーによる検査を受け、内部にある組織の損傷度合いを確認してもらいましょう。
肉離れに関する注意点
肉離れに関する注意点は、①放置は後遺症や怪我につながる、②湿布には種類や貼り方があるという点です。
放置は後遺症や怪我につながる
肉離れを放置してしまうと筋肉の状態が回復しないことで、痛みや違和感が改善されず慢性的に症状が残ってしまう危険性が高まります。
炎症が発生している場合は、組織の治癒に向けて一定期間の安静が非常に重要です。
また筋肉の機能が十分に回復していなければ、動作を行う能力が低下してしまい、結果的に怪我を再受傷する原因となる危険性があります。
肉離れの炎症は長期化する可能性が高いため、病院での治療やリハビリを受けることをおすすめします。
湿布には種類や貼り方がある
肉離れによって発生した炎症による症状には、消炎鎮痛作用のある湿布を貼る治療方法があります。
冷湿布と温湿布どちらを使用すれば良いのかを悩んでいる方も多いのではないでしょうか?基本的には炎症のある急性症状には冷湿布、慢性的な症状には温湿布を使用することが、製薬会社から推奨されています。
また、人によっては皮膚のかぶれなどが発生する場合もあるため、症状が出た場合には医師に相談し湿布のタイプを変更してもらいましょう。
湿布の使用に関しては医師や薬剤師の指示に従い、用法用量を守った使用を心掛けてください。
交通事故でも肉離れは起きる
交通事故の衝撃でも肉離れを発症する可能性があります。交通事故の衝撃による過度な外力は、首を中心とした体には負担となり非常に危険です。
この衝撃による過度な外力は、重量のある頭部を大きく動かし、首の筋肉を損傷してしまうことは容易にイメージができると思います。
事故直後に症状が無くても、時間経過と共に悪化する可能性もあるため、症状を軽視せずに医療機関を受診するようにしましょう。
まとめ
今回は肉離れの症状や種類、ポイントや注意点などを紹介しました。肉離れは筋肉の損傷の度合いによって軽度〜重度に分類され、重症度に適した治療方法が選択されます。
肉離れは症状が軽症であっても、放置することで慢性的に症状が残存し、後遺症となってしまう危険性があります。
また、交通事故による衝撃でも肉離れを発症するケースもあるため、事故後の症状を軽視することなく、少しでも当てはまる症状がある方は病院を受診するようにしましょう。
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この記事を監修したのは…
理学療法士として整形外科病院で患者様に対するリハビリテーションを担当。
現在は病院勤務を行いながら、Webライターとして医療に関する情報発信を行っている。
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