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交通事故後、仕事しながら通院が難しい時の対処法や休業補償を解説

監修記事

島谷 柚希

看護師

交通事故の後、仕事をしながらだとなかなか通院するのも難しいことがあります。

それでも治療は続けるべきでしょうか?

今回は転院や整骨院との併用通院といった対処法、仕事を休んだ時の休業補償などについて解説していきます。

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仕事をしながら通院は難しい…治療期間はいつまで?

仕事をしながら通院を続ける上で、どれくらいの頻度で通院すればよいのか、治療期間はいつまでになるか気になりますよね。

それぞれ説明していきます。

事故後の適切な通院頻度とは

交通事故後の通院の頻度は、一人ひとり異なります。

交通事故にあった方の傷病名や怪我の重症度、痛みの程度によるので、あらかじめ決められているものはありません。

また、通院には医師が状態の確認のために行う診察のための通院と、痛みなどに対してリハビリを行うための通院があります。

医師による診察は、通院頻度を医師が指示をしますので、それに従います。怪我の内容や患者さまの状態に合わせて、診察するべき頻度がある程度決まってくるためです。

例えば骨折でギプスをまいた場合は、1週間後の診察、その後2週間などです。傷があり、縫合した場合は、数日に一度消毒のための来院指示がある場合もあります。

リハビリのための通院の場合、本人の痛みの程度によります。

リハビリの多くは怪我による痛みや筋の張り感などの症状を緩和するための処置です。

医師と相談して決めてもよいのですが、リハビリの効果を期待するのであれば、週に2回以上通院したほうがよいともいわれます。

関連記事整形外科のリハビリは週何回通えばいい?機能訓練との違いも解説

治療期間はいつまで?

治療のために通院する期間も、症状やその程度によって異なります。

例をあげると、車の追突事故で多い外傷性頚椎捻挫(がいしょうせいけいついねんざ)、いわゆるむちうちでは3ヶ月ほどで終了となることが多いです。

しかし、症状が重かったり、治まっていなかったりする際は、医師や保険会社と相談して通院期間が延長となる場合があります。

そのため、治療期間がどのくらいかは、それぞれの傷病名や怪我の程度により異なります。

関連記事むちうちの症状が続く期間は?痛みが引かないときの対処法と休業損害

いつまで?

通院を続けるべき理由

事故後の通院を続けるべき理由は2つあります。

1.自分自身の身体のため

1つ目は、自分自身の身体のためです。

交通事故後は精神的なショックや動揺があり、痛みやしびれなどがあっても気が付いていない場合があります。

時間の経過とともに後で身体の不調に気が付く場合や、医師が診察時に全身を観察することで発見される場合があるのです。

小さな不調が、のちに大きな障害となることを見過ごさないためにも、通院は続けたほうが良いでしょう。

例えば症状が軽いと感じられ、自己判断で通院を中断した場合、のちに痛みなどが出て訴えても「事故とは無関係ではないか」と疑われる恐れもあります。

関連記事むちうちは症状が出るまで数日かかる?痛みがあとから出る理由とは

2.保険の請求に必要なため

2つ目は、保険請求に必要なためです。

医師による診察記録やレントゲンといった検査記録は、のちに保険会社から補償を受ける際の重要な証拠となります。

例えば、保険会社が被害者の症状を確認するために、書類だけでなく医師と面談をして被害者の状況を確認するケースもあるのです。面談の際には、被害者の様子などの症状の詳細を聞かれます。

被害者が指定された受診日に受診していなかったり、中断してしまったりした場合、のちに休業損害補償を請求するときの補償額に影響が出る場合があります。

受診の際には医師から、「次回診察は1週間後」などと指示があります。もちろん、その日より前に痛みが強くなって気になる場合は、相談のため早めに受診をしてもかまいません。

また、仕事で多忙のため、指定日から数日ずれて受診するのは仕方のないことです。

しかし、医師に相談せずに受診を中断したり、間隔を1か月以上空けたりすることは避けた方がよいです。

自己判断での受診の中断はデメリットばかりなので、医師から指示された通りの間隔で受診しましょう。

関連記事保険会社が治療の打ち切りを連絡してきたら?理由と対処法を解説

分岐

通院を忙しくても続ける対処法

では、忙しくても事故後の通院を続けるにはどのような対処法があるでしょうか?

1.転院する

交通事故の後、病院への通院が難しい場合は、通院しやすい医療機関に転院する方法があります。

交通事故にあうのは、自宅の近くとは限りません。また、自宅近くで事故にあっても、救急搬送された場合、整形外科の当番医がいないという理由で、遠くの病院に搬送されてしまう場合もあります。

たまたま搬送された、通院が難しい病院にそのまま通うのは時間も交通費も負担です。

今後の通院期間も不明瞭であれば、自宅付近の通院しやすい医療機関に通院したほうが良いでしょう。

転院したい場合は、診察をした医師にその旨を申し出ます。

転院したいので紹介状をお願いします、と伝えればよいです。転院時は、撮影したレントゲンのコピーなども受け取りましょう。

転院時期は早いほどよいので、事故後の受診当日がベストです。

なぜなら、数か月通院してからの転院ですと、転院先でそれまでの経過がわかりにくいからです。

長い付き合いになる可能性があるなら、早い段階から近隣の主治医を決めて通院しましょう。

関連記事近くの病院に転院したいときはどうしたら良い?手続きや紹介状を解説

2.整骨院・接骨院を併用する

交通事故治療で病院と整骨院の併用はできる?

▲交通事故治療で病院と整骨院の併用と注意点

交通事故後の通院には、痛みや辛さを軽減する目的に行うものもあります。

病院でいうとリハビリ通院ですが、このリハビリ部分を整骨院・接骨院を併用して行う方法があるのです。

痛みを楽にするための通院を、整骨院や接骨院で行うメリットは、通院のしやすさです。

総合病院は午後の受付は17時、クリニックでも18時半までのところが多いです。しかし、整骨院は医療機関に比べて19時や21時といった比較的遅い時間まで営業しているところもあります。仕事帰りも通院がしやすいのが特徴です。

また、多数の疾患を取り扱う医療機関に比べ、整骨院や接骨院は予約制をとっているところが多く、待ち時間が短い傾向にあります。

整骨院・接骨院の交通事故施術とは?

▲整骨院の交通事故施術内容の種類

また、交通事故で受傷後、頚椎捻挫(けいついねんざ)腰椎捻挫(ようついねんざ)などで痛みがあり、痛みを軽減するためにリハビリを行う場合があります。

リハビリ内容として、血流を改善し痛みを軽減するための電気療法やホットパックなどがあります。

同様の機器が整骨院にも置いている場合が多いのです。

ただし、整骨院に自賠責保険を利用して併用通院する場合、主治医の同意があった方がスムーズに通院が始められます。

まずは主治医に相談してみましょう。

関連記事整形外科と整骨院は併用できない?整骨院への通院で気になるポイント3つ

通院で仕事を休んだら休業損害補償を

通院を続ける上で、どうしても仕事を休まなければいけないときもあると思います。

そうしたときのために休業損害補償があります。

休業損害補償とは?

交通事故によって怪我を負うと、痛みや機能障害によって仕事ができなくなる場合があります。

本来仕事に出ていれば得られるはずだった給与が損なわれたことに対して支払われるのが休業損害補償です。

支払い対象は交通人身事故にあったすべての被害者です。加害者側の自賠責保険または任意保険により、被害者へと支払われます。

支払い額は、事故前3ヶ月の給与から算出されます。

パート・アルバイト・専業主婦も休業損害補償の対象

休業損害補償の対象は、交通人身事故の被害者全てです。そのため、正社員やパート、アルバイトの学生など、収入があれば補償対象になります。

また、専業主婦は外に出て働いてはいませんが、家事に従事していますから、家事労働ができなかった分として、補償の対象です。

この場合、自分以外の人のために家事に従事していることが条件となります。

関連記事主婦が交通事故で通院を3ヶ月した場合の慰謝料は?相場や請求できる項目を解説

労働者には休業補償もある

交通事故が仕事中または通勤の途中だった場合、事故の怪我によって仕事を休業せざるを得なくなった際に支払われるのが休業補償です。

対象は労働保険に加入している交通事故の被害者になります。この補償は、労働保険から支払われるので、扶養の範囲内で働くパート・アルバイト労働者は補償の対象外です。

また、休業損害補償と休業補償の両方を受け取ることはできません。

そのため、どちらかを選ぶ必要があります。

カレンダー

交通事故後は忙しくてもなるべく通院しましょう

交通事故の後は動揺もあり、その後の通院まで気が回らないこともあるでしょう。

しかし、事故にあった直後は体調に変化がなくても、時間が経ってから首や腰などに痛みが出てくるケースもあります。

また、症状による損害賠償を請求をする場合、病院を受診していなければ請求ができません。

交通事故後の通院は、自分の身体や生活を守るためでもあります。忙しくても、医師の指示通りの期間で通院しましょう。

この記事を監修したのは…

看護師として小児外科、整形外科、健康診断機関など医療現場などで勤務。
この経験を生かし、疾病の予防や健康増進に関する情報を発信する医療・健康ライターとしても活動をしている。

この記事の執筆者

看護師 / 島谷 柚希
看護師として小児外科、整形外科、健康診断機関など医療現場などで勤務。 この経験を生かし、疾病の予防や健康増進に関する情報を発信する医療・健康ライターとしても活動をしている。

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