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骨折部位にロキソニン湿布は貼っていい?使い方や副作用を解説

監修記事

柿野 俊弥

理学療法士

「骨折にロキソニンの湿布は効果はあるのか」

そんな疑問をもっている方はぜひ本記事をご覧ください。

骨折は、スポーツや交通事故をはじめとして、比較的よく起こるケガです。骨折による痛みや関節を動かせない状況は、日常生活や仕事に支障をきたすため、何とか早く治したいと考える方が多いでしょう。そんな中、自分でもできそうな治療が「湿布を貼る」です。

本記事では、骨折にロキソニンの湿布は効果があるのかを中心に解説します。

交通事故の骨折は意外に多い

骨折といえば、高齢者の転倒やスポーツでの接触が原因としてすぐに思いつくのではないでしょうか。

しかし、交通事故での衝突による骨折も多いことが分かっています。交通事故の骨折で、とくに多いとされる骨折部位は、橈骨や尺骨(前腕)、骨盤や大腿骨、腰骨です。交通事故では、車同士の衝突や、車と歩行者との接触など、大きな衝撃が伴う場合が多いです。

そのため、骨折の程度も重篤なものが多く、合併症や後遺症のリスクも高まります。できるだけ早めに医療機関を受診し、適切な処置や治療を行うことが大切です。
関連記事骨折をしたら何科を受診する?診断方法から治療中の過ごし方までを紹介

骨折の基本はRICE処置

RICE処置 とは

▲応急処置で大切なRICE処置とは

基本となる骨折への対処方法は「RICE処置」です。聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。

RICE処置は、4つの英語から頭文字を取った言葉になります。

  • Rest(安静)
  • Ice(冷却)
  • Compression(圧迫)
  • Elevation(挙上)

それぞれの詳しい処置内容を見ていきましょう。

Rest(安静)

安静は、さらなる損傷や痛みの拡大を防ぐための最も基本的な措置です。

骨折した状態で無理に動かしてしまうと骨折部位に負担がかかり、回復が遅れるおそれがあります。安静にすることで、痛みや腫れの悪化を抑えることが大切です。

安静にする際は、骨折部位に負担のかからない体勢にしましょう。

例えば、骨盤を骨折しているのに、座った状態で安静にすると状態が悪化します。その場合は、仰向けでタオルやクッションなどを利用して負担を軽減するような工夫が必要です。

Ice(冷却)

冷却は、痛みや腫れを和らげる効果的な方法です。

骨折直後の冷やし方としては、冷水や氷をタオルで巻いて、患部に当てるのが一般的です。しかし、何も介さずに氷を肌に当てると、凍傷の原因となることがあり、注意が必要です。

冷やす時間は一回につき20分程度を目安にしましょう。もし、氷が無い場合は、湿布の使用を考える方も多いと思います。しかし、氷や冷水と比べて、冷却効果が薄いです。基本は、冷水や氷などを使用するようにしましょう。

Compression(圧迫)

圧迫は、腫れや内出血の拡大、痛みの増大を防ぐために有効です。

伸縮性のある帯やガーゼを使用し、締め付けすぎないように注意しながら適切に圧迫しましょう。しかし、締めすぎると血流が悪くなり逆効果になりかねないため、指の色や感覚などを確認しながら圧力を調整することが大切です。

Elevation(挙上)

骨折部位に血液がたまると、腫れや痛みが増大してしまいます。

そこで骨折部位を心臓よりも高い位置に挙げることで、骨折部位に血液が溜まるのを防ぐことができるのです。

また、血流やリンパの流れの促進にもつながるので、より腫れや痛みの軽減に役立ちます。例えば、足首を骨折した場合は、椅子の上に足を乗せるなどして、足の位置を心臓よりも高い位置に挙げましょう。

骨折の湿布として挙げられるロキソニンとは

ロキソニンの湿布は、鎮痛消炎作用を持っている「貼る薬」です。

ロキソニン湿布とは:鎮痛消炎作用を持つ貼る薬

▲ロキソニン湿布とは?

成分は、ロキソフェンナトリウム水和物。炎症や痛みのもとであるプロスタグランジンを抑えて、痛みや炎症に対して効果を発揮します。

病院で処方されるものは、ロキソニンテープで、市販で販売されているのはロキソニンSテープと名前が付いています。どちらも含まれている成分や成分量は変わらないため、効果に違いはありません。

ロキソニンの湿布が欲しい場合は、市販で購入して問題ないわけです。

しかし、きちんと医師に診てもらい、必要だと判断してもらってから湿布を手に入れるのと、自己判断で湿布を手に入れるのはリスクが違うといえます。

市販で販売されているロキソニンの湿布を購入する方が簡単ですが、湿布が必要かどうか医師の判断を仰ぐ意味でも、受診して処方してもらう方がよいでしょう

骨折にロキソニンなどの湿布は貼っていい?

骨折にロキソニン湿布は使える?(骨折には効果なし、打撲部分には効果的)

▲骨折にロキソニン湿布は使える?

骨折に対してロキソニンをはじめとした湿布の使用すること自体はできます。しかし、おすすめはしません。

理由は、骨折に対して湿布の効果がそれほど期待できないからです。

骨折の基本になる処置は「RICE処置」になります。繰り返しになりますが、湿布では冷却効果が薄いため、本当に冷やす必要がある場合は氷を使いましょう。

また、骨の治癒を促進するために温めたい場合も、湿布には血流を変化させる効果はないとされているため、別の物を使用して温める方が有効だといえます。

打撲であれば可能

間違いなく打撲であると判断できた場合は、打撲箇所にロキソニンの湿布を貼ることで一定の効果が得られると考えられます。

ロキソニンに含まれる、抗炎症作用や鎮痛作用によって炎症と痛みが抑えられ、内出血の改善が促進されるのです。

打撲に対するロキソニン湿布の効果を詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。

関連記事打撲で痛みが続くならロキソニン湿布がおすすめ!効果的な使い方と注意点

【湿布の貼り方】骨折に貼るロキソニンテープの使い方

交通事故による通院をやめるに関するFAQ

基本的に、骨折の治療で湿布は使いませんが、痛みや炎症がひどい場合には医師から処方されることもあるでしょう。

間違った使い方をすると、副作用が現れたり症状が悪化したりする可能性があります。そのため、ここでロキソニンテープの正しい使い方を学んでいく必要があるのです。

まずは、貼り方についてです。ロキソニンテープを貼る際の流れは次の通りです。

  1. 皮膚の油分や汗をよく拭き取り清潔にする。
  2. 痛みを感じる部分や骨折箇所の周囲に貼る。そのとき、伸ばしすぎないように貼り付けていく。
  3. 両端をしっかりと皮膚に押し付け、しっかりと接着させる。

骨折周囲に貼る理由は「貼ってはいけない場所」で改めて解説します。

効果時間

ロキソニンテープは、含まれる成分が皮膚から浸透していく仕組みになっています。成分が浸透してから、効果は24時間続くとされています。

しかし、肌への負担やかぶれるリスクを考慮すると、1日の中で9時間前後が適切です。

とくに、湿気があり、汗をかきやすい夏季はテープが浮きやすくなるため、入浴前に剥がし、入浴後に新しいものを貼るのがおすすめです。

就寝時に貼っても問題はありませんが、起床したときの剥がし忘れだけは注意しましょう。

貼ってはいけない場所

ロキソニンテープは、以下の場所には貼らないよう注意してください。

  • 骨折箇所
  • 目の周りや粘膜
  • 傷や切り傷、湿疹などがある部分
  • 皮膚病の症状が現れている部分
  • 他の医薬品や化粧品との併用部位

これらの場所にテープを貼ると、刺激やかぶれの原因となる可能性がありますので、十分に注意して使用してください。

中でも、骨折箇所は、骨折による影響で腫れがひどくなっています。湿布による副作用が出やすいため、骨折箇所には直接貼らず、周囲に貼るようにしましょう。

ロキソニンテープの副作用

ロキソニンテープの副作用(発疹、かゆみ、発赤など)

▲ロキソニンテープの副作用

ロキソニンテープは、痛みの緩和や炎症を抑える薬として処方される湿布です。

しかし、正しく使用しても副作用が発現する可能性があります。とくに、皮膚に直接貼りつけるため、敏感な方や長時間の使用により、発疹、かゆみ、発赤などの皮膚症状が出ることがあるので注意が必要です。

さらに、長期間の使用や過度な使用は、胃腸障害や腎機能障害といった影響をおよぼすかもしれません。

湿布を使っている際に、何か異常を感じたり、症状が悪化してきたりした場合は、すぐに使用を中止して、医師のアドバイスを求めることが大切です。

骨折はロキソニンの湿布より整形外科を受診

交通事故後の整形外科受診は①検査(レントゲン・MRI)②診断書の発行③痛み止めや湿布の処方等ができる

▲交通事故後の整形外科受診

骨折の疑いがある場合、痛みを一時的に緩和させるための湿布よりも、早めに整形外科を受診して医師の意見を求めることが大切です。

骨折の範囲や深さ、種類によっては関節の変形や神経障害などの後遺症を残すこともあります。

また、見た目にはわかりづらい「ヒビ」が入っているだけの場合でも、「湿布で治まるだろう」と軽視して放置してしまうと、同じように後遺症となるかもしれません。

すでに交通事故を起こしてから一定の時間が経過していて、まだ整形外科を受診していない方は早めに受診するようにしましょう。
関連記事骨折をしたら何科を受診する?診断方法から治療中の過ごし方までを紹介

骨折の受診で不安があるなら相談を

骨折には、ロキソニンの湿布による効果は薄いと考えられています。骨折した場合はすぐにRICE処置を行うことが大切です。その後、治療を進めるために整形外科を受診しましょう。

この記事を監修したのは…

理学療法士として、回復期病院で脳血管疾患を中心にリハビリテーションを経験。その後、フリーライターに転向。医療・健康分野をはじめ、地域・観光、転職関連などの幅広いジャンルの執筆を行っている。

この記事の執筆者

理学療法士 / 柿野 俊弥
理学療法士として、回復期病院で脳血管疾患を中心にリハビリテーションを経験。その後、フリーライターに転向。医療・健康分野をはじめ、地域・観光、転職関連などの幅広いジャンルの執筆を行っている。

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