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むちうちになったら病院へ行くべき?転院や併用についても解説!

交通事故でむちうちになった場合、病院を受診して治療を受けることが重要です。
しかし、病院は営業時間が短く、通院を続けることが困難な方もいらっしゃると思います。

実は、むちうちの通院先は病院だけではないということをご存知でしょうか?
今回の記事では、交通事故によるむちうちの通院先や、むちうちに適した治療法などについて解説していきます。

むちうちになったら病院へ?

交通事故後、痛みがなくても病院に行くべき理由

▲交通事故後、痛みがなくても病院に行くべき理由

交通事故でむちうちになった場合、まずは病院を受診することが大切です。
交通事故発生から病院の受診までに時間がかかると、症状と事故の因果関係が疑われ、本来請求できるはずの治療費を請求できなくなることがあるからです。
また、病院では充実した検査を受けられます。検査により症状を早期発見し、治療を行うことで症状の治りが早まることに期待できます。

病院で検査を受けたあとは、むちうちの治療を受けるために通院を開始します。治療を受けることができる通院先は、大きく分けて以下の2つが挙げられます。

  • 病院
  • 整骨院
交通事故通院における整形外科と整骨院の治療内容の違い

▲交通事故通院の病院と整骨院の治療内容の違い

病院

むちうちの治療が受けられる病院は、整形外科やペインクリニックです。
病院では医師による治療を受けたり、診断書を取得したりできます。
治療の内容としては痛み止めや湿布の処方、ブロック注射、手術、レントゲンやMRI検査などがあります。

なお、むちうちの治療費を加害者側の保険会社に請求するときは、診断書が必要になります。診断書の発行は、医師にしかできない行為ですので、病院を受診したら、必ず医師に診断書の作成を依頼しましょう。

交通事故治療における診断書の内容と役割

▲交通事故治療における診断書の内容と役割

整骨院

整骨院では、柔道整復師によるマッサージや電気療法、牽引、温熱療法などの施術を受けることができます。

整骨院・接骨院の交通事故施術とは?

▲整骨院の交通事故施術内容の種類

ただし、病院のように投薬や検査、診断書の作成は行えません。

病院の転院や2つの通院先の併用も可能

交通事故で転院する方法は、まず保険会社と医師に転院したい旨を伝えます。次に、医師に紹介状(診療情報提供書)を作成してもらいます。注意点はできるだけ早めに転院することと、転院回数は最小限にとどめることです。

▲交通事故で転院する方法

治療の途中でも、転院というかたちで通院先の変更が可能です。また、病院と整骨院を併用して治療や施術を進めることもできます。

転院や併用をする場合は、通院先の治療が合わない、自宅や職場から近い場所に通院したいなど、合理的な理由があると認められる必要があります。
また、転院や併用をする前には加害者側の保険会社へその旨を連絡しておきましょう。
無断で転院や併用をした場合、損害賠償を請求できなくなる可能性があります。

むちうちの具体的な治療方法

むちうちは十分に治療を行わなければ、症状が悪化したり後遺症が残ってしまったりすることがあります。
症状の程度によって個人差はありますが、一般的にむちうちの治療期間は3ヶ月といわれています。
治療の途中で症状が落ち着いてきたと思っても、自己判断で通院をやめず、完治または症状固定となるまで通院を続けましょう。

症状固定とは:治療を続けても症状の緩和が見られない状況の事

▲症状固定とは?

むちうちの治療は、急性期と慢性期で適している治療法が異なります。
それぞれどのような治療が適しているのでしょうか?詳しく解説していきます。

むちうちの急性期と慢性期における対処法の違い

▲むちうちの急性期と慢性期における対処法の違い

急性期における治療

むちうちになったばかりの急性期は筋肉が炎症を起こしていて、強い痛みを感じます。
炎症が落ち着くまでは、第一に安静を保つことが大切です。無理に動かしたりマッサージを行うことで、症状が悪化してしまい回復の遅れにつながりかねません。

むちうちでは、安静を保つためにコルセットを着用する場合があります。首の動きが制限され、首にかかる負担を軽減させることができますので、炎症が落ち着くまでの間はコルセットの着用をおすすめします。

首のむちうちにおけるコルセットの役割:首の負担を減らして炎症を悪化させないこと

▲首のむちうちにおけるコルセットの役割とは?

安静を保つ以外の治療法としては、痛み止め冷たい湿布の使用が適しています。痛み止めや湿布の使用で、痛みを緩和させることができます。
温かい湿布は、急性期に使用すると症状が悪化する恐れがありますので、急性期は必ず冷たい湿布を使いましょう。

慢性期における治療

慢性期は、むちうちが発症してからしばらく時間が経ち、炎症が治まったにもかかわらず、痛みやしびれなどの症状が続いている状態です。

炎症が治まっている慢性期では、マッサージ電気療法牽引など機能を回復するための治療が適しています。
また、温かい湿布の使用も効果的です。
急性期とは違い、炎症が治まったら患部を温め血液の循環を改善し、損傷した筋肉の修復を促すことが大切だからです。
慢性期に冷たい湿布を使用すると逆効果となってしまいますので、間違えないように注意してください。

むちうちは温めるべき?冷やすべき?:炎症があるときは「冷やす」、炎症が収まったら「温める」

▲むちうちは温めるべき?冷やすべき?

そもそもむちうちとは?

むちうちは交通事故で強い衝撃を受け、首がムチのようにしなることによって発症します。症状によって、以下の4つのタイプに分類されます。

  • 頸椎捻挫型
    首や肩の痛み、首の運動制限、頭痛など。
  • 神経根症状型
    首の痛み、しびれ、脱力感、顔面痛など。
  • バレー・リュー症候群型
    頭痛、めまい、耳鳴り、視力低下、集中力の低下など。
  • 脊髄症状型
    足のしびれ、歩行障害、排泄機能障害など。
むちうちの特徴「症状が後から現れる」「診断が難しい」

▲むちうちの特徴「症状が後から現れる」「診断が難しい」

むちうちの特徴

むちうちは、交通事故から数日経って痛みがあらわれたり、外見上は異常がみられないことから受傷したことに気がつきにくいという特徴があります。
交通事故直後は身体が興奮状態になっているため、痛みを感じないことが多いからです。

むちうちの検査を受けるなら

むちうちは筋肉や靭帯など軟部組織を損傷している状態なので、骨の異常を確認するための検査であるレントゲンでは見つけることができません。
一方で、MRI検査は筋肉や靭帯の損傷を発見できるため、むちうちの検査としては適しています

MRI検査とは

▲MRI検査とは

MRI検査のような画像検査の他にも、神経に異常があらわれているかを確認できる神経学的検査を受けるのもよいでしょう。
むちうちの場合、主に以下のような神経学的検査が行われます。

頚部の神経学的検査

ジャクソンテスト、スパーリングテスト、深部腱反射テスト、筋委縮検査。

腰部の神経学的検査

FNSテスト、SLRテスト、ラセーグテスト、ラセーグテスト、下肢腱反射テスト、徒手筋力検査、筋委縮検査。

むちうちの後遺症は神経の異常から生じるものが多いため、神経学的検査は後遺障害等級認定の際に受けることがよいでしょう。

▶︎参考:後遺障害等級認定について詳しく知りたい方はこちら

むちうちになった被害者は損害賠償を請求できる

交通事故の損害賠償の内訳

▲交通事故の損害賠償の内訳

交通事故でむちうちになった被害者は、交通事故による損害を賠償金として加害者に請求することができます。
請求できる項目としては、大きく分けて以下の3つが挙げられます。この3つすべてを総称して「損害賠償」と呼ばれます。

  • 積極損害
    積極損害は、交通事故が原因で出費を余儀なくされた場合に発生した損害のことです。治療費入通院費、付添看護料などが含まれます。
  • 消極損害
    消極損害は、交通事故にあわなければ得られたはずの利益を失ったことによる損害のことです。休業損害逸失利益の2種類に分けられます。
  • 慰謝料
    慰謝料は、交通事故による精神的苦痛に対する賠償のことです。入通院慰謝料後遺障害慰謝料死亡慰謝料の3種類に分けられます。

慰謝料を計算するとき、3つある算定基準の中からどれを適用するかで、損害賠償の金額は大きく変化します。

使用した算定基準によって慰謝料額に差が出る

慰謝料の算定基準は、自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準の3つがあります。

交通事故の慰謝料の3つの基準(自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準)

▲交通事故の慰謝料の3つの基準

  • 自賠責基準
    自動車の所有者に加入が義務付けられている、自賠責保険に基づいた算定基準です。
  • 任意保険基準
    各任意保険会社が独自で定めている算定基準です。基準は非公開とされています。
  • 弁護士基準
    過去の交通事故の裁判例に基づいた算定基準です。弁護士に示談交渉を依頼することで適用されます。

慰謝料は弁護士基準を適用すると最も高い金額で算出されるため、損害賠償の総額も高額になります。
一方で、自賠責基準は被害者に対する最低限の補償を目的としているため、算出される慰謝料の金額は最も低く、損害賠償の総額も低くなります。

治療費の打ち切りには注意

前述のように、交通事故による怪我の治療費は、加害者へ請求することができます。
しかし、治療を続けている途中で加害者側の保険会社から、治療費の打ち切りを打診される場合があります。
治療費の打ち切りを打診されるタイミングとしては、一般的なむちうちの治療期間である3ヶ月を目安とされています。

治療費を打ち切られてしまうと、打ち切られた日以降の治療費や慰謝料は支払われなくなり、症状が残っていて治療を継続したい場合、費用は自己負担になります。
完治または症状固定とされるまでは、治療費の打ち切りに応じないことが大切です。

加害者側の保険会社から治療費の打ち切りを打診されたらどうする?

▲加害者側の保険会社から治療費の打ち切りを打診されたらどうする?

もし保険会社から治療費の打ち切りを打診された場合は、以下のように対処しましょう。

  • 治療を続ける必要性の有無を医師に伺い、その旨を保険会社に伝える。
  • 弁護士に相談し、治療費の延長を交渉してもらう。
  • 健康保険を利用しながら自費で通院し、後から自己負担分の治療費を加害者側へ請求する。

むちうちの通院先選びに関するまとめ

交通事故によるむちうちの治療や施術は、病院、整骨院で受けられます。
2つの通院先には、以下のような特徴があります。

  • 病院
    医師による薬や湿布の処方、ブロック注射、手術、診断書の作成が可能。
  • 整骨院
    柔道整復師によるマッサージ、電気療法、温熱療法などの施術。

通院先の転院や、病院と整骨院の併用も可能です。ご自身の症状にあった治療や施術を受けられること、通院のしやすさを基準に通院先を選んでみることをおすすめします。

この記事の執筆者

交通事故病院編集部 ライター / T.N
大学を卒業し、出版社で取材や編集業務を経験。その後、WEBメディアの執筆に転向し、事故に関する様々な知識を多くの人に届けるべく、日々邁進中。現在は、交通事故専門士の資格を取得するために勉強をしている。座右の銘は、格物究理。

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