むちうちは治らない?交通事故後の治療の流れについて解説!
交通事故の被害にあうと、むちうちに苦しむ方が多いのではないでしょうか。むちうちについて知りたい方も、なかなか治らないとお悩みの方も、いると思います。
この記事では、そんな皆様のお悩みが少しでも解決するように、むちうちの原因や症状、治療内容について解説しています。また、治療後の後遺障害や、損害賠償請求についても説明していますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
交通事故で最も起こりやすいむちうち
むちうちは、交通事故にあった際に最も起こりやすい怪我といわれています。
ここでは、むちうちの原因と症状を解説していきます。
むちうちの原因
むちうちは、不意に大きな衝撃を受けた場合に、首が鞭のようにしなることで起こるものです。交通事故の他にも、スキーやスノーボードなどのスポーツをしているときや、ジェットコースターに乗っているときに起こる可能性もあります。
「むちうち」は俗称で、正式名称は頚椎捻挫や外傷性頚部症候群といいます。
腰が同じような状況になると腰椎捻挫といわれます。
むちうちの症状は様々
むちうちになった場合、首にしか症状が出ないと考えるかもしれません。しかし、むちうちの損傷を受けた部位によって症状や発症する部位も異なります。
大きく3つに分類して、損傷を受けた部位と主な症状を解説していきます。
頚椎捻挫型
首の筋肉や靭帯などの軟部組織が、過度に損傷を受けることで発症します。むちうちと診断を受けた人の70%程度は、この頚椎捻挫型に該当するといわれています。主な症状としては、下記の通りです。
- 首の痛み
- 頚椎の運動制限(首が動かしにくいなど)
- 首や背中のこり
神経根症状型
交通事故の衝撃で首が腫れて、運動神経や知覚神経が集中している神経根が圧迫されて症状があらわれます。主な症状としては、下記の通りです。
- しびれ・麻痺
- 筋力の低下
- 知覚障害
バレー・ルー症候群
首の交感神経や副交感神経が損傷を受け、自律神経の機能に障害が起こって、症状が出ます。主な症状としては、下記の通りです。
- 頭痛
- めまい
- 耳鳴り
- 吐き気
- 倦怠感
病院以外に整骨院への通院もできる
むちうちの治療をする際の通院先は、病院を思い浮かべますよね。しかし、病院以外にも症状緩和の為に通院できる場所はあるのです。それが整骨院です。
まずは整形外科を受診しましょう
皆さんが「通院」という言葉で思い浮かべるのは、病院だと思います。むちうちの治療で通院する場合は、病院の中でも整形外科を受診しましょう。
筋肉や神経に異常がないかを調べて、診断書を発行してもらう必要があるためです。レントゲンやMRIを使った画像診断や診断書の発行は、医師にしかできない医療行為ですので、必ず一度は受診するようにしてください。
事故直後は身体が興奮状態で、痛みを感じにくい場合もありますが、自覚症状がなくても筋肉や神経が損傷を受けていることもあります。異常を早期発見して適切な治療を受けられれば、治癒も早まるかもしれませんので、早めに整形外科を受診しましょう。
整骨院は頻繁に通院しやすい
もう一つの通院先として挙げる整骨院では、国家資格を持った柔道整復師による施術が受けられます。
整骨院は、マッサージ中心の手技療法、鍼や灸を使った鍼灸療法、電気や超音波を使った物理療法など、多くの治療法があるので、そのときの症状に応じた施術が受けられると思います。
また、整骨院は整形外科に比べて、営業時間が長い場合がほとんどです。土日も施術可能な院が多いので、通院期間や回数が多くなりがちなむちうちの治療には、便利だと思います。
むちうちが治らない時は後遺障害の認定を検討しましょう
治療期間が長くなってきても、なかなか症状が緩和しない場合、現在の症状はどう対処すればよいのでしょうか。
治療期間が長くなってきたら症状固定
症状固定とは、このまま治療を継続しても、症状の改善が見込めない状態を指します。
むちうちの場合、一般的な治療期間が6ヶ月といわれています。6ヶ月程度治療を続けても、症状に変化が見られなくなっている場合は、症状固定を検討してもよいと思います。
また、加害者側の保険会社から症状固定を勧められる場合がありますが、症状固定の判断ができるのは、医師のみです。被害者ご本人と、担当医師が症状について話し合ってから結論を出すようにしましょう。
後遺障害等級の認定の申請方法は2種類
症状固定後も残っている症状を後遺症とします。後遺症の中でも、交通事故によって負ったもので、労働能力の喪失を伴う症状を後遺障害といいます。
後遺障害は、部位や症状の程度によって1~14級の等級に分類されます。むちうちの場合、12級や14級に分類されるケースが多いようです。
後遺障害の等級は、保険会社に書類を提出して、損害保険料率算出機構が等級の分類を審査します。これを後遺障害等級認定と呼びます。
後遺障害等級認定の申請方法には
- 事前認定
- 被害者請求
の2種類があります。
事前認定
医師に発行してもらった後遺障害診断書を加害者側の保険会社に提出するのみで、あとの手続きは保険会社が進めてくれるというものです。
後遺障害診断書を保険会社に送付するのみなので、被害者ご自身の負担は軽く済みますね。しかし、後遺障害診断書以外に提出する書類は、加害者側の保険会社が用意するため、書類不足となり、正しい等級認定が受けられない可能性もあります。
被害者請求
書類を全て自分で用意して自賠責保険会社に送付して、審査を受けるものです。
必要な書類は、下記の通りです。
- 後遺障害診断書
- 交通事故証明書
- 保険金請求書
- 診断書
- 休業損害証明書
他にも被害者請求の場合には、レントゲンやカルテなど審査に有効な書類を追加して提出することができます。
書類を集めるための手間はかかりますが、ご自身の判断で提出する書類を決められるため、審査結果の透明性は高いと思います。
交通事故の被害者は損害賠償を請求できる
むちうちの治療にかかった治療費や交通費、慰謝料は損害賠償として加害者に請求することができます。
請求できる損害賠償の項目
交通事故の加害者は、被害者に対する損害賠償義務が生じます。
被害者が、加害者側の保険会社に請求できる主な損害賠償は以下になります。
治療費 | 通院先で治療にかかった費用 |
---|---|
通院交通費 | 通院先までの交通費(公共交通機関の費用・自家用車のガソリン代) |
入院雑費 | 入院の際の雑費(飲み物・新聞の購入など) |
休業損害 | 交通事故の怪我によって仕事を休んだ場合の減収部分 |
入通院慰謝料 | 入通院が必要なことによる精神的苦痛を補償 |
逸失利益 | 後遺障害によって将来収入が減ると考えた時の減収部分 |
後遺障害慰謝料 | 後遺障害による精神的苦痛を補償 |
示談が成立するともう損害賠償は変更できない
示談とは、損害賠償金の金額や支払い方法について、交通事故の加害者と被害者が話し合って、解決・和解することです。
示談交渉を早く済ませようとする方もいますが、一度示談に合意してしまうとその後に賠償額を変更することはできません。したがって、後遺障害等認定を受けてから示談交渉を開始しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
交通事故で最も起こりやすいと言われているむちうちには、様々な症状があります。
整形外科や整骨院で、症状に合った治療を受けるようにしてくださいね。ある程度通院を続けても、症状の緩和が見込めない場合は、後遺障害等級認定も検討してみてください。
この記事で、皆様のお悩みが少しでも解消されていることを、願っています。
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