事故後のむちうちの病院はどこに?治療費や慰謝料も解説
交通事故が原因の怪我で、最も多いといわれているむちうち。
むちうちになってしまったら「どこに診てもらえばいいの?」と、通院先に悩まれる方も多いのではないでしょうか。また、「どのくらいの通院期間で症状が緩和されるのか」「治療にかかる費用は誰が支払うのか」というのも、気になるポイントだと思います。
今回は、交通事故でむちうちになった際の通院先や治療方法、治療にかかる費用などについて、詳しく解説していきます。
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目次
むちうちとは?
むちうちとは、交通事故やスポーツなどの衝撃で首に不自然な力が加わり、筋肉や靭帯が損傷することで起こる怪我の総称です。首に力が加わる際、首が鞭(むち)のようにしなることから「むちうち」と呼ばれています。正式名称は「頚椎捻挫(けいついねんざ)」や「頚部挫傷(けいぶざしょう)」といいます。
むちうちの症状には種類がある
むちうちの症状には、いくつかの種類があります。
- 頚椎捻挫型
- バレー・ルー症状型
- 神経根症状型
- 脊髄症状型
それぞれでどのような症状があらわれるのか、詳しく見ていきましょう。
頚椎捻挫型(けいついねんざがた)
頚椎捻挫の症状は、頚椎(首の骨)の周りにある筋肉や靭帯などの軟部組織が損傷することで引き起こります。分かりやすくいうと「首が捻挫している状態」です。むちうちを負った7~8割の人が、この頚椎捻挫型になるといわれています。
頚椎捻挫型の主な症状は、以下の通りです。
- 首の後ろや肩の痛み
- 首や肩の動きが制限される
- 首や肩、背中のコリ など
バレー・ルー症状型
バレー・ルー症状型は、頚椎付近にある後部交感神経が損傷し、自律神経のバランスが崩れることで引き起こります。
バレー・ルー症状型の主な症状は、以下の通りです。
- めまい
- 耳鳴り
- 息苦しさ
- 頭痛 など
神経根症状型(しんけいこんしょうじょうがた)
交通事故で衝撃を受けると、頚椎の並びにゆがみが生じる場合があります。神経根症状型は、頚椎の並びがゆがむことで神経の通り道が狭くなり、神経が圧迫されることで引き起こります。
神経根症状型の主な症状は、以下の通りです。
- 首の痛み
- 腕の痛みやしびれ
- 体のだるさ
- 顔面痛 など
脊髄症状型(せきずいしょうじょうがた)
脊髄症状型は、交通事故による衝撃で脊髄が損傷された場合に引き起こります。これまで紹介してきたむちうちの症状の中で、最も重い症状といえます。
脊髄症状型の主な症状は、以下の通りです。
- 下肢のしびれ
- 外部の刺激に対して、通常と異なって知覚してしまう知覚異常
- 排せつが困難になる
- 歩行障害 など
むちうちの通院先は?
むちうちの主な通院先は、2つ。
- 整形外科
- 整骨院
それぞれの通院先で、受けられる治療・施術内容が異なります。
一つひとつ、詳しく見ていきましょう。
整形外科
整形外科では、医師が治療を行います。
整形外科での主な治療方法は、3つ。
- レントゲンやMRIの検査機器で骨の異常を検査
- 必要に応じて手術
- 湿布や痛み止めの注射・投薬
また整形外科では、切り傷やすり傷などの外傷の治療を得意としています。
レントゲンやMRIでの「画像診断」や「手術」、「投薬」は治療行為にあたります。治療を行えるのは、整形外科にいる医師のみです。
整形外科は、交通事故にあったらまず行くべき通院先です。
なぜなら、整形外科では「診断書」を取得することができるからです。診断書は「この怪我は交通事故による怪我です」と証明するための書面で、保険金の請求や人身事故への切り替えの際に必要となります。診断書の作成を行えるのは、整形外科にいる医師のみです。
交通事故にあったら、まずは整形外科で診断を受け、診断書を取得しましょう。
整骨院
整骨院では、柔道整復師が施術を行います。
柔道整復師とは国家資格の1つで、主に手技を用いて施術を行います。
整骨院での主な施術内容は、3つ。
- 整復法
骨折や関節が外れた箇所を、元に戻すための操作を行う施術方法。
- 固定法
骨折や脱臼した箇所をギプスや包帯で固定し、身体機能の回復を図る施術方法。
- 後療法
光や電気を使った「物理療法」、動かすことで身体機能の回復を高める「運動療法」、手で患部に刺激を与えることで自然治癒力を高める「手技療法」によって、損傷した組織を回復させる施術方法。
光や電気を使った「物理療法」、動かすことで身体機能の回復を高める「運動療法」、手で患部に刺激を与えることで自然治癒力を高める「手技療法」によって、損傷した組織を回復させる施術方法。
むちうちは、骨の異常ではない場合がほとんどです。頚椎の筋肉や靭帯が損傷されることで引き起こることが多いため、レントゲンやMRIには症状が写らない場合あります。よって、整形外科では「異常なし」と判断されてしまうことがあります。
整骨院では患部に直接触れて施術を行うため、整形外科では発見できなかった症状を見つけてくれる場合があります。整形外科へ通院を続けても痛みが引かない場合は、保険会社から許可を得た上で、整骨院との併用を検討してみてもよいでしょう。
むちうちの通院期間
むちうちの治療を続けていくうちに「どれくらいの期間、通院を続けたら治るの?」と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。
むちうちの通院期間は症状の度合いにもよりますが、一般的には3ヶ月程度といわれています。しかし、症状が重い場合は6ヶ月~1年以上かかることもあります。
「これくらいの期間、治療を続けたら治ります!」と断定できる通院期間は、ないに等しいでしょう。
どのくらいの頻度で通院したらよい?
「むちうちの通院期間を断定することはできない」と前述しましたが、「なるべく早く症状を緩和させるための対処法」はあります。
むちうちの症状をできるだけ早く緩和させる対処法は、週3回程度の通院頻度を保つことです。通院の間隔が空きすぎてしまうと、治療を受けても体が治療を受ける前の状態に戻ってしまい、症状の緩和に時間がかかってしまいます。
また、通院頻度が少ない場合「そんなに痛くないんじゃないの?」と保険会社に判断されてしまい、治療費の支払いが打ち切られてしまうこともあります。
むちうちの治療費は誰が支払う?
むちうちの治療にかかる費用は、損害賠償として加害者側の保険会社に請求することができます。
損害賠償とは、交通事故によって被害者が受けた様々な損害の埋め合わせを、加害者が行うことです。
被害者が請求できる損害賠償は、3つ。
- 積極損害
- 消極損害
- 慰謝料
それぞれの損害賠償の内容を、詳しく見ていきましょう。
積極損害
交通事故による怪我の治療には、様々な費用がかかります。治療費はもちろんのこと、通院先へ行くまでに交通費もかかります。
積極損害とは、治療を行うために出費を余儀なくされた場合に発生する損害です。
積極損害として請求できる損害賠償は、以下の通りです。
- 診察費
- 治療費
- 付添看護費
- 入院雑費
- 通院交通費
- 装具・器具の購入費 など
消極損害
消極損害とは、交通事故にあったことによって、本来得られていたはずの収入や利益が減少してしまった場合に発生する損害です。
消極損害として請求できる損害賠償は、2つ。
- 休業損害
交通事故による怪我が原因で、休業しなければいけなくなった場合の減収分を補償。
- 逸失利益
後遺障害が残ったことによって労働能力が低下し、本来得られていたはずの収入が減少した場合に発生する損害。
慰謝料
慰謝料とは、交通事故によって被害者が受けた様々な精神的苦痛を、金銭で補ったものです。
慰謝料として請求できる損害賠償は、2つ。
- 入通院慰謝料
治療を受けるための入通院を強いられたことで、被害者が負った精神的苦痛を補償するもの。
- 後遺障害慰謝料
交通事故による怪我が後遺障害になってしまったことで、被害者が負った精神的苦痛を補償するもの。
慰謝料の金額は計算基準によって異なる
むちうちの慰謝料を計算する際は、以下3つの計算基準が使われます。
- ①自賠責基準
- ②任意保険基準
- ③弁護士基準
それぞれの基準によって、慰謝料の計算方法や被害者に支払われる金額が異なります。それぞれの計算基準がどのようなものなのか、詳しく見ていきましょう。
①自賠責基準
自賠責基準は、自動車を所有する全ての運転者に対して加入が義務付けられている「自賠責保険」を基準として計算されたものです。
自賠責保険は、交通事故によって損害を受けた被害者に対して、最低限の保障をすることが目的です。したがって、自賠責基準を使って慰謝料を計算した場合、被害者に支払われる金額は3つの基準の中で最も低額になります。
②任意保険基準
任意保険基準は、運転者の任意で加入を決めることができる「任意保険」を基準に用いて計算したものです。
任意保険会社はいくつかあり、それぞれの保険会社で基準が異なっているため、慰謝料の金額はほとんど公開されていません。一般的には、自賠責基準より高額で、弁護士基準よりは低額になるといわれています。
③弁護士基準
弁護士基準は、交通事故における過去の判例を参考に、弁護士会によって公表されているものです。弁護士基準による慰謝料の金額は、「赤い本」や「青い本」と呼ばれる法律書に記載されています。
弁護士基準で慰謝料の計算を行なった場合、被害者に支払われる金額は3つの基準の中でも最も高額になるといわれています。
むちうちの慰謝料を増額させる2つの方法
加害者に対して慰謝料を請求する際、「できるだけ多くの金額を請求したい」と、誰もが思うのではないでしょうか。
交通事故によるむちうちの慰謝料を増額させる方法は、2つ。
- 症状固定まで通院を続ける
- 慰謝料を弁護士基準で請求する
それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。
症状固定まで通院を続ける
交通事故で怪我を負ってしまったら、医師に「症状固定」と判断されるまで定期的な通院を続けることが大切です。症状固定とは、怪我の治療をこれ以上続けても緩和される見込みがなく、また悪化する可能性も低い状態のことを指します。
症状固定まで通院を続けなかった場合、治療をやめた時点で費用の支払いは打ち切られてしまいます。また、通院頻度が低かったり通院期間が長引いた場合、保険会社から症状固定を促され、治療費の打ち切りを言い渡されることがあります。しかし、症状固定の判断ができるのは病院にいる医師のみです。体に痛みや違和感などの症状が残っている場合は、通院先の医師と相談した上で通院を続けるようにしましょう。
慰謝料を弁護士基準で請求する
先ほども述べましたが、慰謝料の計算には3つの基準があり、「弁護士基準」が最も高い金額となります。したがって、弁護士基準で慰謝料の請求をすると、自賠責基準や任意保険基準に比べて大幅に増額できる可能性があるのです。
それでは、弁護士基準で慰謝料を請求するには、どのような手続きを取ればよいのでしょうか。
弁護士に示談交渉を依頼する
交通事故における損害賠償の問題は、加害者側の保険会社と示談交渉を行い、示談が成立することで解決となります。示談とは、交通事故の被害者と加害者側の保険会社が損害賠償について話し合い、お互いが和解・納得した上で、被害者支払われる最終的な示談金額を決定することです。
この示談交渉を弁護士に依頼することで、弁護士基準を使った慰謝料を請求することができます。ただし、示談交渉の対応を弁護士に頼むことで「弁護士費用」が発生します。弁護士費用が高額になってしまった場合、示談金額が思うように増額されない可能性があります。弁護士費用は、弁護士特約に加入していることで補ってもらうことができるので、今一度自身の保険内容を確認しておきましょう。
後遺症になってしまったら…
症状固定と判断された時点で、その怪我は後遺症となります。
後遺症は、今後生きていく上で一生つきあっていかなければいけないものです。後遺症になってしまったら、定期的に通院を続けることが必要です。しかし、これまでの治療費や慰謝料の支払いは打ち切られてしまいます。
「後遺症になってしまった上に、治療費の支払いも打ち切られるなんて、これからどうしたらいいんだ…」と悩まれる方も多いのではないでしょうか。
後遺障害等級認定を申請しましょう
後遺症が後遺障害と認められると、後遺障害慰謝料の支払いを受けることができます。
後遺症が後遺障害と認められるには、以下の条件を満たす必要があります。
- 交通事故による怪我が完治する見込みがないこと
- 交通事故と怪我との因果関係が明確であること
- 交通事故の怪我により労働能力が低下してしまうこと
- 後遺症となった症状が、医学的に証明または説明されていること
- 怪我の症状が自賠責保険の等級認定に値すること
後遺障害には、1級から14級までの等級があり、これを後遺障害等級といいます。1級が最も重い症状となり、14級が最も軽い症状となります。
後遺障害慰謝料は、後遺障害等級によって支払われる金額が異なります。症状が重くなるにつれて、後遺障害慰謝料の金額が上がっていきます。
むちうちが後遺障害になった場合、後遺障害等級は14級と認められることがほとんどです。
後遺障害等級認定の申請準備
後遺障害等級が認定されるには、後遺障害等級認定を申請する必要があります。
後遺障害等級認定の申請を行う前に、まずは申請準備を行いましょう。
後遺障害等級認定の申請準備で、被害者がすべき事は2つ。
- 症状固定まで通院を続ける
- 医師に後遺障害診断書の作成を依頼する
症状固定と判断されなかった場合、後遺障害等級が認定される可能性は極めて低くなってしまいます。まれに、保険会社から症状固定を促される場合があります。しかし、症状固定の判断ができるのは医師のみです。保険会社から症状固定と言われても安易に応じることはせず、主治医と相談を行い、通院を続けるようにしましょう。
医師に症状固定と判断されたタイミングで、医師に後遺障害診断書の作成を依頼しましょう。後遺障害診断書の内容によって、後遺障害等級の認定がされるか否かが決定されるといってもよいでしょう。主治医に対して自覚症状をこと細かに伝え、記載された内容をしっかりと確認し、納得のいく後遺障害診断書を取得するようにしましょう。
後遺障害等級認定の申請方法
後遺障害等級認定の申請準備が整ったら、申請を行いましょう。
後遺障害等級認定の申請方法は、2つ。
- 加害者請求
- 被害者請求
加害者請求とは
加害者側の任意保険会社に、後遺障害等級認定の申請手続きを任せる方法です。被害者がすべき事は、加害者側の保険会社に対して後遺障害診断書を提出することのみです。被害者は手続きを行う手間を省くことができますが、どのような手続きが行われているのかを知ることはできません。
被害者請求とは
被害者請求とは、加害者側の自賠責保険会社に対して被害者が直接、後遺障害等級認定の申請を行う方法です。被害者は、後遺障害等級認定の申請に必要な書類を自らで集め、加害者側の自賠責保険会社へ提出します。手間はかかりますが、手続きの透明性を保ち、納得しながら申請を行うことができます。
交通事故によるむちうちの通院方法についてまとめ
交通事故にあい「むちうちかも?」と思ったら、すぐに治療・施術を受けることが大切です。治療期間は人それぞれで異なりますが、週3回程度の通院を続けることで、早めに症状が緩和されることもあります。後遺症を残さないためにも、通院を怠らず、症状に適した治療・施術を受けるようにしましょう。
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