×

更新日:2019.06.05 交通事故 整骨院 整形外科 被害者 むちうち 監修記事

むちうちの症状について|損害賠償や後遺障害も解説!

むちうちという言葉は聞いたことがあるものの、実際にどのような症状があらわれるのかは、あまりご存知ない方も多いと思います。
この記事は、むちうちの症状をはじめ通院先や治療方法、損害賠償について七里みんなの鍼灸整骨院の深瀬将之先生に解説してもらいました。

七里みんなの鍼灸整骨院 監修バナー

現在交通事故被害でお困りの方も、そうでない方も、この記事を読んで少しでも新たな発見があれば幸いです。

むちうちの原因と症状について

症状チェックリスト

むちうちは、正式名称ではありません。医師による診断を受けると頚椎捻挫外傷性頚部症候群などといった診断名を伝えられます。
ここでは、むちうちの原因や症状について説明していきます。

むちうちはどのように起こる?

むちうちの「むち」は、交通事故やスポーツなどで不自然な強い衝撃を受けて、鞭がしなるように首が動くことに由来しています。
例えば自動車の停車中に後続車が追突してきた場合、後ろから強い衝撃を受けて、首は大きく前後に揺さぶられます。
交通事故の直後は、身体が興奮状態にあるため、むちうちになっていても自覚症状があらわれるまでに時間がかかる場合があります。

ーー むちうちの症状が事故直後に現れない場合があるのはなぜですか。

濱島先生:
「事故直後は脳が興奮したり緊張状態になり、アドレナリンが出ている状態になります。ですので、本来むちうちの痛みが発生していても、痛みに気づかないことがあります。しかし、時間が経つことで脳の興奮や緊張状態が解けると痛みが出るため、遅れて現れているように感じるのです。

むちうちは首の痛みだけじゃない?後遺症を残さないための治療法とは

痛み以外にも出る症状

むちうちの症状といえば「痛み」を連想する方も多いのではないでしょうか。
しかし、交通事故によるむちうちは、痛み以外の症状があらわれることも多いのです。以下で、むちうちの代表的な症状を挙げています。

  • 首や肩の痛み
  • 肩のこり
  • 頭痛
  • めまい
  • 吐き気
  • 手足のしびれ
  • 倦怠感

交通事故の影響で起こっている、とは想像しにくい症状もありますよね。

頚部の骨から出ている神経は主に、頭部、肩部、上前腕部に分布しています。
むちうちになった場合、頚部の筋肉だけでなく、関節、神経へダメージが生じることも考えられます。頚部がダメージを負うことによって、神経の走行が阻害され、しびれを伴う原因になります。
また、むちうちによるめまいや吐き気は、頭部が揺らされることによって、耳の中にある前庭神経が損傷されることで引き起こります。前庭神経がダメージを負い刺激が加わることで、平衡感覚野への障害、自律神経の過剰な興奮などの自律神経障害が起こり、めまいや吐き気に繋がります。また、前庭神経の損傷に加えて頚椎自体に歪みが生じることも、めまいがあらわれる原因に大きく関係します。めまいの代表例としては、バレー・ルー症候群が挙げられます。

むちうち治療の通院先と治療方法

むちうちの治療をする場合、病院以外にも通院できる場所があります。
代表的な通院先として、整形外科整骨院が挙げられます。
これから、それぞれの通院先について解説していきます。
病院の待合ロビー

整形外科

整形外科では、医師による診断や治療を受けられます。
警察や加害者側の保険会社に提出する重要書類でもある診断書の発行や、レントゲンやMRIなどの画像検査は、医師にしか行えない医療行為です。
交通事故発生から、なるべく早めに整形外科を受診して診断書を発行してもらいましょう。受診までに時間がかかってしまうと、症状と交通事故の因果関係を疑われてしまう可能性があります。

整骨院(接骨院)

整骨院では国家資格でもある、柔道整復師による施術を受けることができます。整骨院と接骨院は、名称の違いのみで施術内容や施術者の資格内容に違いはありません。
整形外科のような画像検査や診断は受けられませんが、整骨院では以下のような施術が受けられます。

  • 筋肉や関節の動きを調整する手技療法
  • 超音波や温熱、電気などを使った物理療法
  • リハビリを中心とした運動療法

また、整骨院は営業時間が長いという特徴があります。土日も営業していたり、遅くまで営業していたり、普段の生活リズムを崩さずに通院しやすい環境だと思います。

整形外科と整骨院の併用が可能

むちうちの治療は、整形外科と整骨院両方に通院することが可能です。
しかし、医師や加害者側の保険会社とのトラブルを避けるために、最初に整形外科を受診し、整骨院との併用について相談してみましょう。
▶︎参考:整形外科と整骨院の併用について、詳しくはこちら!

むちうちの治療にかかった費用は請求できる

通院を開始するにあたり、治療費や交通費などのお金の面で不安を感じる方も多いはずです。
しかし、交通事故の被害に遭った際、治療にかかる費用は加害者側に請求することができます。ここでは、交通事故の被害にあった場合に、受け取ることのできるお金について解説していきます。

電卓でお金の計算

請求できる費用の種類

交通事故の被害にあった際に、加害者側に請求できるお金は、治療費だけではありません。請求できる費用の一部は以下になります。

治療費 整形外科や整骨院で治療(施術)を受ける際の費用
通院交通費 通院先までの交通費。電車代や、自家用車のガソリン代
休業損害 交通事故の影響で仕事を休んだ場合の減収部分
付添看護費 重傷を負ったり、被害者がお子様だったりして付添が必要な場合の費用。1日あたりの定額があります
入通院慰謝料 入通院による精神的損害を補償するもの
後遺障害慰謝料 後遺障害が残ったことによる精神的損害を補償するもの
逸失利益 後遺障害がなければ将来得られたであろう収入の減収分

慰謝料の算出基準は3種類

上にも出てきた慰謝料には3つの算出基準があり、その基準によって受け取ることのできる慰謝料の金額は大きく異なります

  • 自賠責基準
    強制保険である自賠責保険から損害賠償を受ける場合の基準。被害者に対する最低限度の補償のため、3つの中では最も低額です。
  • 任意保険基準
    加害者が任意で加入している保険会社による基準。その算定基準はほとんど公表されていませんが、自賠責基準と同等または少し高額になります。
  • 弁護士基準
    損害賠償の交渉を弁護士に依頼した際に適用される基準。過去の裁判例をもとに算出基準を定めているため、3つの中では最も高額になります。

保険会社から治療の打ち切りを打診されることも…

まだ症状があるため、通院を続けているにもかかわらず、加害者側の保険会社から治療の打ち切りを打診する連絡が入る場合があります。
保険会社が治療の打ち切りを打診してくるのは、以下のような理由が考えられます。

  • 治療期間が長引いている
  • 通院頻度が不定期
  • 治療内容が簡易的

むちうちの場合、一般的な治療期間は3ヶ月程度といわれています。3ヶ月を過ぎても通院を続けていると、保険会社から見て不要な通院なのではないかと疑われてしまう場合があります。
また、定期的な通院がない場合や、通院しても簡単な治療しか行われていない場合も、保険会社に治療の必要性がないと判断されてしまうかもしれません。
まだ通院を続けたい場合、以下を参考に相談してみましょう。

  • 医師に相談し、医師から治療の必要性を保険会社に説明してもらう
  • 弁護士に相談し、交渉を依頼する

▶︎参考:治療の打ち切りについて詳しくはこちら!

治療を続けても症状がなくならない場合

長い期間治療を続けていても、症状がなくならない場合があります。
ある程度治療を続けても、症状がなくなる見込みがない場合、医師から症状固定の診断を受ける場合があります
症状固定の診断を受けた時点で、残っている症状は後遺障害として扱われ、被害者は後遺障害等級認定を申請することになります。
頭を抱える女性

後遺障害等級認定を受けることのメリット

後遺障害等級認定を受けることで、新たに後遺障害慰謝料逸失利益、2つの損害賠償金を請求できるようになります。
この2つの損害賠償金は、後遺障害等級が認定されれば、示談成立前でも受け取ることができます。

後遺障害等級認定の申請方法

後遺障害等級認定の申請方法は、以下の2種類です。

被害者請求
被害者自らが、書類収集をして、必要書類を全て揃えた上で、審査機関に申請する方法です。

メリット 提出書類の透明性が高く、納得のいく等級認定を受けられます
デメリット 自分で準備する書類が多く、手間がかかります

事前認定
後遺障害診断書を、加害者側の保険会社に送付するのみで手続きが完了します。他に必要な書類は保険会社が準備して、申請を行ってくれます。

メリット 手間がかかりません
デメリット 書類不足で思うような等級が認定されない場合があります

まとめ

いかがでしたか?
交通事故によるむちうちの症状は、多くの方が想像される「痛み」以外にも、肩こりや頭痛、めまいやしびれなど、たくさんあります。
ただの体調不良だと思わず、まずは整形外科を受診して、検査を受けましょう。
皆様が十分な補償を受けて、元気な日々を送れることを祈っております。

この記事の執筆者

交通事故病院編集部 ライター / T.S
大学を卒業し、出版社で取材や編集業務を経験。その後、WEBメディアの執筆に転向し、事故に関する様々な知識を多くの人に届けるべく、日々邁進中。現在は、交通事故専門士の資格を取得するために勉強をしている。座右の銘は、格物究理。

関連記事

おすすめ記事