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2018.08.20 交通事故 むち打ち 慰謝料 後遺症 監修記事

むちうちでしびれが…後遺障害との関係

交通事故でむちうちを負うと、首の痛みの他にしびれの症状があらわれる場合もあります。交通事故後にしびれの症状があらわれたら、どのような治療を行えばよいのでしょうか。

そこで今回は、むちうちによるしびれの治療方法や症状固定について、岩槻みんなの鍼灸整骨院の佐藤先生に解説してもらいました。

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むちうちには種類がある

首に痛みがある女性

交通事故の怪我でよくみられるむちうち…。
むちうちには、首や腰の痛み、めまい、吐き気など様々な症状があります。

むちうちの種類は以下の5つ。

頸椎捻挫型

頚椎捻挫とは、交通事故で首に衝撃を受けたことによって、首の筋肉や靭帯が損傷してしまった状態です。簡単にいうと、「首が捻挫している状態」を指します。むちうちを負う7〜8割の人が、この頚椎捻挫型になるといわれています。

頚椎捻挫型の主な症状
首・肩・背中のコリや痛み など

バレー・ルー症状型

バレー・ルー症状型は、交通事故による衝撃が首の骨を通り越し、自律神経が損傷されてしまった場合に症状があらわれます。

バレー・ルー症状型の主な症状
めまい・耳鳴り・息苦しさ など

神経根症状型

神経根症状型は、交通事故による衝撃で首の骨に歪みが生じ、神経を支える根本部分が損傷された場合に発症します。

神経根症状型の主な症状
首や腕の痛み・(身体の各部位に)しびれ・脱力・後頭部や顔面の痛み など

脊髄症状型

脊髄症状型は、交通事故の衝撃が神経を通り越し、脊髄を直接傷つけてしまった場合に症状があらわれます。むちうちの中で最も重症であるといわれ、後遺症が残る可能性もあります。

脊髄症状型の主な症状
下肢のしびれ・知覚障害・歩行障害・排便が困難になる など

脳髄液減少症

交通事故で体に衝撃を受けたことによって、脳脊髄液が脳脊髄液腔から漏れ出し、様々な症状を引き起こします。

脳髄液減少症の主な症状
起立性頭痛・聴力障害・倦怠感・下半身まひ など

しびれの症状があらわれるのは?

上記で述べたように、むちうちには5つの症状型がありますが、しびれの症状はどの症状型に当てはまるのでしょうか。

しびれの症状が出やすいものとして、神経根症と脊髄損傷が挙げられます。

神経根症とは、脊髄から出る神経を支える根元(神経根)が引き伸ばされたり、圧迫され負荷を受けたりして、症状を引き起こすものです。主に腕の痛みや痺れを引き起こします。またヘルニアの原因ともなり、咳やくしゃみをした時、首を曲げた時に症状が強まることがあります。

脊髄損傷では、身体の麻痺、知覚障害、歩行障害が起こることがあり、下肢に伸びている神経が損傷すると下肢の痺れや知覚異常が起こり、歩行障害につながります。膀胱や直腸の障害が起こり、排便・排尿に支障をきたす恐れがあります。後遺障害として残ってしまう可能性が高く、むちうちの中でも最も深刻なケースです。

▶︎参考:むちうちによる足のしびれ。原因は何?
▶︎参考:むちうちの通院先はどこがある?
▶︎参考:交通事故で仕事を休むことに…減収分はどうなるの?

むちうちの通院先3つ

病院

むちうちの治療は、以下3つの通院先で行うことができます。

  • 整形外科
  • 整骨院
  • 鍼灸院

それぞれの通院先がどのように違うのか、以下で説明していきます。

整形外科

整形外科では、医師が治療を行います。
治療内容としては、レントゲンやMRIなどの検査を行い、骨に異常がないかを診てもらうことができます。また、治療を受けても痛みが引かない場合は、痛み止めや湿布の処方もしてくれます。

整骨院

整骨院では、柔道整復師が施術を行います。
施術内容としては、マッサージなどの手技療法や、電気を使った物理療法、動かすことで回復を高める運動療法などがあり、怪我の状態に合わせて施術をしてくれます。

しびれの症状に対して整骨院が行う施術とは?
むちうちによって、しびれの症状があらわれている場合、どのような施術を行うのでしょうか。

当院で行うしびれの施術は、神経を圧迫している筋、骨に対して初期段階では超音波やテーピングや手技を用いて遠隔的にアプローチを加え、まずは炎症を抑える治療を行います。

炎症が治まった後は、神経の圧迫を改善するために筋、骨のアライメントを整え動きの改善を図ります。ただし、問診時に神経自体の大きな損傷による異常所見が見られる場合には、必ずMRIの受診をすすめています。

鍼灸院

鍼灸院では、はり師ときゅう師が施術を行います。鍼の施術は「はり師」、灸の施術は「きゅう師」が行います。
人の身体には、約365以上のツボがあるといわれています。鍼や灸を使ってそのツボを刺激することで、リンパや血液の流れが良くなり、機能回復が見込めるといわれています。

上記の通院先であれば、被害者は加害者側の保険会社に、治療費や通院交通費などの費用を請求することができます。加害者の保険を使うからといって、被害者が通院先を選ぶことができないことはありません。交通事故の被害者は、自由に通院先を選ぶことが可能です。

▶︎参考:交通事故で使える保険について詳しく知りたい方はこちら

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しびれの症状が症状固定と診断されたら…

むちうちの治療を行っていて、しびれの症状の緩和が見られない場合、担当の医師から症状固定と診断されることがあります。

症状固定と診断されるのはいつ?

むちうちの治療を始めてから、症状固定と診断される平均的な期間はあるのでしょうか。

患者様の通院の頻度や治療期間によって変わってきますが、一般的には治療を開始してから6ヶ月程度だといわれています。

医学的な意味での症状固定とは、傷病の症状の改善・回復が期待できなくなった状態を指します。簡単に言いますと「痛みは残るものの、よくも悪くもならない状態」のことです。当院では、整形外科と患者様、保険会社と連携をとり、患者様にとって最適な時期で症状固定のご提案をしております。

ただし、事故前と事故後の体の状態に関しては、患者様ご本人が一番わかっていると思います。そのため時期は、患者様が納得・実感したうえで、治療の終了(治癒)もしくは症状固定の判断を行うようにしています。

結論になりますが、症状固定での治療の終了に関しての平均は6ヶ月程度ですが、一番大切なのは、患者様自身のお身体の状態が改善に向かう実感です。お身体の状態が改善しているようであれば、期間は気にせずに継続して治療を受けることをおすすめします。

症状固定後の治療は?

症状固定となった場合、治療を行うことは可能なのでしょうか。

症状固定となった場合、交通事故のむちうち症状のうち、痛みの残存なのか、しびれ症状の残存なのか、動き(可動域)の低下なのか等をしっかり検査・問診を行い施術を開始させていただきます。

症状はひとそれぞれですが、一例として当院に通院されている患者様に置き換えると、交通事故から1年経過(症状固定)後に来院。雨の日や季節の変わり目(気圧の変化により)に偏頭痛が起きるという方は、交通事故後、首の骨の間隔が狭くなりストレートネックによる可動域の低下、筋緊張、血行不良があり、鍼治療と首(頚椎)の矯正、手技による可動域改善を行った結果、偏頭痛の症状が緩和された方もいます。

事故の後だからしょうがないとあきらめてしまう前に、まずは一度ご相談いただけると幸いです。一人ひとりで症状の残存の仕方、痛みの箇所が違いますので、ご自身に合わせた施術で一緒に改善させましょう。

症状固定となってしまった場合でも、治療を継続することは可能なようです。しかし、症状固定と診断されてしまうと、その後の治療費は自費で支払わなければならないので、注意しましょう。

しびれの症状は後遺障害になる?

頭痛を訴える外国人男性

後遺障害等級の14級に「局部に神経症状を残すもの」、12級に「頑固な神経症状を残すもの」という項目があります。このことから、しびれの症状は重症度により、14級や12級の後遺障害として認められる可能性があります。では、後遺障害について、以下で詳しく説明していきます。

後遺障害とは

交通事故が原因での怪我が症状固定と診断され、後遺症となった症状のうち、後遺障害の等級に該当するもののことを指します。

後遺障害にあたる症状がある場合は、後遺障害等級認定を行いましょう。

後遺障害等級認定に必要な5つの条件

以下の5つの条件を満たしていなければ、後遺障害等級認定で認められることは難しいです。

  • ①通院を継続的に行っている
  • ②後遺症が残るような事故であったか
  • ③同じ症状が現在まで続いている
  • ④自覚症状が証明できること
  • ⑤症状が後遺障害の等級に該当している

後遺障害等級認定を申請する前に、5つの条件を満たしているか確認してくださいね。

後遺障害が認定されたらどうなるの?

疑問

後遺障害が認定されると、後遺障害慰謝料と逸失利益というものを受け取ることができます。その詳しい内容はこちら。

後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料とは、交通事故が原因で後遺障害が残った場合に被害者が受けた精神的苦痛を、加害者が金銭で補ったものです。
後遺障害には1級〜14級までの等級がついており、これを後遺障害等級といいます。1級が最も重い症状、14級が最も軽い症状となり、症状が重くなるにつれて後遺障害慰謝料の金額も上がっていきます。

後遺障害慰謝料の相場
慰謝料を計算する場合、3つの基準があります。それは、自賠責保険基準・任意保険基準・弁護士基準というものです。どの基準で計算するかによって後遺障害慰謝料の金額も異なります。任意保険基準は、各保険会社によってばらつきがあるため、今回は自賠責保険基準と弁護士基準の後遺障害慰謝料の相場を提示します。

等級 自賠責保険基準 弁護士基準
第14級 32万円 110万円
第12級 93万円 290万円

このように、自賠責保険基準と弁護士基準で受け取ることができる金額に差が出ます。したがって、どの基準を使うかをしっかりと考える必要があります。弁護士基準を使う場合は、弁護士費用がかかる場合もあるので、注意が必要です。

逸失利益

逸失利益は、交通事故による後遺障害で被害者の労働能力が低下してしまい、本来得られたはずの利益が得られなくなったことに対する賠償をあらわします。

逸失利益の計算

逸失利益には、決められた計算式があります。

逸失利益=基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数

  • 基礎収入:事故前に受け取っていた収入額
  • 労働能力喪失率:後遺障害等級別に決まっている(14級→5%、12級→14%)
  • 労働能力喪失期間:原則として症状固定後から67歳までの年数(※今回のような神経症状の場合、5年程度のように制限することもあります。)
  • 労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数:年数によって決まっている(例:1年→0.952、5年→4.329)

これらは、治療費や入通院慰謝料などとは別に支払われるものです。したがって、慰謝料をさらに増額することができます。
▶︎参考:逸失利益に計算方法とは?詳しく知りたい方はこちら

後遺障害等級認定の手続きについて

保険手続き1

では、後遺障害の等級はどのように認定し、どのように賠償金を請求すればよいのでしょうか。

後遺障害等級認定の手続きの大まかな流れ

①医師から症状固定の診断を受ける。

②後遺障害診断書などの書類の提出する。

後遺障害認定の手続きに必要な書類はこちら。

  • 自賠責保険支払請求書兼支払指図書
  • 交通事故証明書、事故発生状況報告書
  • 診療報酬明細書及び診断書
  • 後遺障害診断書
  • レントゲン、MRI等の画像

※後遺障害等級認定の審査は、書面主義で行われます。書類の内容で証明することになるので、記載漏れや検査に漏れがあると、後遺障害等級に該当している症状も認められなくなってしまいます。

③後遺障害の等級が認定される。

④慰謝料(後遺障害慰謝料と逸失利益)を受け取る。

後遺障害等級認定の手続き方法2つ

後遺障害等級認定を申請する場合、2通りの方法があります。
それぞれの違いについて述べます。

①被害者請求

被害者請求は、文字通り被害者自身が申請の手続きを行う方法です。そのため、被害者自身で必要な書類などを揃えなければなりません。しかし、被害者自身が書類などを揃えることで、納得のいく後遺障害等級認定を得ることができます。
また、後遺障害等級が認定されれば、損害保険料算出機構が賠償金の一部として指定した口座に賠償金を振り込みます。したがって、被害者はすぐに賠償金を受け取ることができます。

②事前認定

事前認定とは、相手の保険会社に申請の手続きを任せる方法です。この方法だと、被害者自身で書類を揃える手間を省くことができます。しかし、申請する過程の把握ができないので、被害者にとっては不安かもしれません。
また、事前認定では、相手の保険会社と示談交渉が終了するまで、賠償金が振り込まれません。

▶︎参考:損害保険料率算出機構とは?
▶︎あわせて読みたい:後遺障害等級認定について弁護士に相談するなら弁護士特約!

しびれの症状は、要注意。

なるほど

いかがでしたか?
むちうちのしびれの症状は、後遺症になる可能性があります。もしも症状固定と診断されたら、後遺障害等級認定をしましょう。後遺障害等級認定が認められれば、入通院慰謝料や治療費とは別に、後遺障害慰謝料や逸失利益を受け取ることができますよ。

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