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交通事故による吐き気 原因や通院先とは

交通事故にあってから吐き気がする…。交通事故による吐き気の原因は、一体何なのでしょうか? また、吐き気の場合、病院は何科に行けばいいのか迷ってしまうこともありますよね。今回は、交通事故による吐き気について気になる情報をご紹介します。

交通事故で吐き気 原因は?

吐き気

交通事故にあうことで、身体の痛みやしびれ、頭痛やめまいといった、様々な症状が現れる可能性があります。幅広い症状の中の1つに「吐き気」があります。交通事故による吐き気は、どういった原因があるのでしょうか?

むちうち

交通事故による症状で、多くの方にみられるのが「むちうち」です。むちうちとは、人間の頭部を支える首が、強い衝撃でむちのようにしなることから、むちうちと呼ばれています。正式には「頸椎捻挫(けいついねんざ)」「頚部挫傷(けいぶざしょう)」などと診断されるものです。
むちうちの症状は主に、以下の5つに分けられます。

  • 頚椎捻挫(けいついねんざ)型
  • 神経根損傷(しんけいこんそんしょう)型
  • 脊髄症状(せきずいしょうじょう)型
  • バレー・ルー症候群型
  • 脳脊髄液減少症(のうせきずいえきげんしょうしょう)

その中の「バレー・ルー症候群型」「脳脊髄液減少症」にみられる症状の1つに「吐き気」がみられます。

バレー・ルー症候群型(ばれー・るーしょうこうぐんがた)
自律神経が損傷しています。むちうち動作が原因となりおこったと考えられる自律神経失調症状のことです。頭痛、めまい、吐き気、耳鳴り、難聴などの症状があります。

脳脊髄液減少症(のうせきずいえきげんしょうしょう)
脳髄液腔から脳髄液が漏れ、さまざまな症状がでます。慢性的な頭痛や首の痛み、めまい、耳鳴り、聴覚障害、吐き気や視力低下、全身の倦怠感などの症状があります。

頭部の外傷

交通事故により、頭部が衝撃を受けることで、怪我を負ってしまった場合もあります。以下のような怪我の場合にも、「吐き気」の症状がみられる可能性があります。

  • 脳しんとう
  • 脳出血
  • 脳挫傷(のうざしょう)
  • 頭蓋内出血

交通事故の直後には、脳が興奮状態にあることで、すぐに自覚症状が現れない場合があります。また、症状が吐き気であっても、脳の損傷といったより重い症状の可能性もあります。まずはしっかりと病院を受診し、診察を受けましょう。

吐き気はどこに通院すればいい?

病院

交通事故による吐き気の場合、どんな通院先が考えられるのでしょうか?

病院

交通事故にあったら、まずは病院へ行き医師の診察を受けましょう。交通事故後の様々な手続きで必要になる診断書は、医師のみが発行できます。薬の処方や、詳細な検査も病院でしか行えません。

整形外科

むちうちが疑われる場合には、まずは「整形外科」を受診しましょう。むちうちの多くは、首部分の筋肉が衝撃を受け、過度に伸びたりすることで起こります。整形外科は、筋肉や骨を専門的に診察します。レントゲンやMRI・CTといった詳細な検査を受けることも可能です。

神経内科・脳神経外科

頭部の外傷が疑われる場合や、整形外科では原因がわからなかった場合には、「神経内科」を受診するといいでしょう。神経内科では、MRIやCTによる検査で脳に損傷がみられるかどうかが判断されるそうです。
また、脳の損傷が大きいと診断されたときに、脳神経外科や脳外科を紹介される場合があります。

整骨院・接骨院

むちうちといった症状の通院先には、整骨院もあります。整形外科と併用しての通院も可能です。整骨院は、国家資格である柔道整復師が、主に手技療法を用いて施術を行います。また、物理療法運動療法を行う場合もあります。むちうちはレントゲンやCT・MRIなどの検査では写らない場合もあります。整骨院では、痛みのある部分に柔道整復師が直接触れて、痛みを和らげる施術を行います。
接骨院は名称が異なるだけで、整骨院と違いはありません。

▶︎参考:整骨院でのむちうち施術について詳しく知りたい方はこちら

鍼灸院

鍼灸院では、国家資格であるはり師・きゅう師が施術を行います。はりやお灸が自律神経系や免疫系に作用し、症状の回復を手伝いします。

吐き気が後遺症になったら慰謝料は受け取れる?

お金

交通事故による怪我の治療を一定期間続けても、症状が緩和されない場合があります。そうしたときに、担当医から「症状固定」であると判断されることがあります。症状固定とは、今後治療を続けても将来的に回復が見込めない状態のことをいいます。症状固定は医師のみが判断でき、症状固定と判断された時点で「後遺症」となります。

交通事故による怪我が後遺症となった場合、「後遺障害等級認定」を申請し、認められることで後遺症は「後遺障害」となります。後遺障害の等級に応じて「後遺障害慰謝料」を受け取ることができます。
しかし「吐き気」の症状では後遺障害の等級に認定されません。吐き気の原因となる「むちうち」や「頭部の外傷」では、認められる場合があります。

慰謝料は損害賠償に含まれている

お金と車

慰謝料とは「損害賠償」の1つに含まれます。損害賠償とは、交通事故により被害者が被った損害を、加害者が主に金銭に換えて埋め合わせすることです。被害者が加害者に請求できる損害賠償に「積極損害」「消極損害」「慰謝料」の3つがあります。

積極損害

積極損害とは、交通事故によって実際に支払いが発生したお金のことです。治療費や通院の交通費、手術費などが含まれます。

消極損害

消極損害とは、交通事故がなければ得られるはずだったお金が損なわれた場合に発生します。消極損害には「休業損害」「逸失利益」の2つがあります。

休業損害

休業損害とは、交通事故によって仕事を休むことになり、収入が減少した場合の損害です。交通事故による減収分が補われます。

逸失利益

交通事故による怪我が後遺障害となり、思い通りに働けなくなる場合があります。逸失利益とは、交通事故にあわなければ、将来得られるはずだった収入が減少した場合の損害です。

慰謝料

慰謝料とは、交通事故によって被害者が受けた精神的苦痛を、加害者が金銭で補うものです。慰謝料には「入通院慰謝料」と、「後遺障害慰謝料」の二種類があります。

入通院慰謝料

入通院慰謝料とは、入通院することになった交通事故の被害者が負う精神的苦痛を、金銭で補うものです。

後遺障害慰謝料

「後遺障害等級認定」を受けると、後遺障害慰謝料を受け取ることができます。後遺障害慰謝料は、後遺障害の等級により金額が異なります。また、後遺障害慰謝料には「自賠責保険基準」、「任意保険基準」、「弁護士基準」の3つの計算基準があります。どの計算基準を使うかにより、後遺障害慰謝料の金額が異なってきます。

後遺障害等級認定の申請

書類に書き込む様子

後遺障害には、1〜14級までの後遺障害等級があります。1級が最も重く、14級が最も軽い症状となります。

後遺障害等級認定の申請方法には「加害者請求」「被害者請求」の2種類があります。

加害者請求

加害者請求とは、後遺障害等級認定の手続きを、加害者側の任意保険会社に任せる方法です。被害者がするべきことは加害者側の保険会社に「後遺障害診断書」を提出するだけで、様々な手続きをする必要がありません。ただし、加害者側の任意保険会社に手続きを任せるため、どのような手続きが行われているかを知ることはできません。

被害者請求

被害者請求とは、被害者が直接、加害者側の自賠責保険会社に後遺障害等級認定の申請を行う方法です。被害者は、申請に必要なすべての書類を自ら集め、加害者側の自賠責保険会社へ送付する必要があります。被害者請求は、加害者請求と異なり被害者自身が申請の手続きをしなくてはなりません。そのため手間や時間がかかってしまいます。ですが、どのような手続きが行われているか把握しながら進めることができます。

ただの吐き気と思わずまずは通院しましょう

ひらめいた!

いかがでしたでしょうか。交通事故による吐き気の原因となる怪我や症状は多くあります。ただの吐き気だと思わずに、まずは病院を受診しましょう。また、むちうちによる吐き気の場合、整骨院や鍼灸院といった、むちうち施術を得意とする通院先を選ぶこともポイントです。

この記事の執筆者

彩の街法律事務所 弁護士 / 神尾 尊礼
2006年東京大学法科大学院卒業後、2007年司法修習修了・弁護士登録。2007年12月森・濱田松本法律事務所、2009年法テラス埼玉法律事務所経て、2012年2月彩の街法律事務所を設立。

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