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交通事故後に耳鳴り|何科を受診するべき? 原因はむちうち?

監修記事

島谷 柚希

看護師

交通事故の際、エアバックのふくらみやむちうちなどが原因で耳鳴りが起こることがあります。

症状がすぐに出る方や時間がたってから出る方などさまざまです。

今回は、交通事故で耳鳴りが起こる原因や、耳鳴りの症状が長引いてしまったときの対応についてお伝えします。

むちうちと耳鳴りに関係はある?

耳鳴りに悩む女性

「むちうち」は整形外科的には「外傷性頚部症候群」と呼ばれるものであり、受診した時の病名としては「頚椎捻挫」がつきます。

自動車事故においては後方から追突されたときなどに頚部に強い運動域を超えた力がかかり、頚部の靭帯や軟部組織が損傷される病態です。

ときに頚部筋肉の部分断裂を生じることがあります。骨や軟骨には異常がありません。

頚部には頭部と全身をつなぐ神経が走っている重要な場所であり、事故の衝撃で損傷を受けた組織に頚部の神経・自律神経などが含まれると、頚部痛・頭痛・めまい・耳鳴りの原因になることがあります

交通事故後に耳鳴りが出た場合の注意点

交通事故後には耳鳴りが起こることがあり、原因となる疾患はむちうちのほかに以下のようなものがあります。

  • 脳せき髄液減少症……交通事故の外傷により、脳など中枢神経を包んでいる髄液が漏れ出し、頭痛・めまい・耳鳴り・平衡感覚の喪失が出現する
  • 外傷性伝音難聴……エアバックが膨れる時の大きな音で鼓膜穿孔などを起こし、耳鳴りや聴力低下が起こる。

注意すべきことは耳鳴りの症状は事故後、すぐ出る場合もあれば、時間が経過してから起こる場合もあることです。

他の病気との鑑別のためにも、耳鳴りに気が付いた時にはなるべく早めに受診するようにしましょう。

むちうち・耳鳴りの症状は何科で診てもらう?

分岐

自分かむちうちかどうかもわからず、耳鳴りがある場合はどこで診察してもらえばいいのか迷うでしょう。

交通事故後に耳鳴りがあった場合、どこで診察してもらうのかを解説します。

耳鳴りは耳鼻咽喉科へ

耳鳴りの症状で受診すべき医療機関は耳鼻科です。

内耳や鼓膜など患部を直接先生の目で確認してくれますし、聴力検査をはじめとした各種検査もできます。

耳鳴りやめまいの中には聴神経腫瘍(聴神経にできるがん)もありますので、鑑別診断も必要です。

軽い耳鳴り・めまいは交通事故のせいだろうと様子を見ていて、時間がたち、腫瘍が大きくなっては全身に影響を与えます。

他の病気ではないかを確認するためにも耳鼻科を受診しましょう。

むちうちは整形外科へ

交通事故後に頚部痛や後頚部の違和感が現れたら整形外科を受診しましょう。

整形外科医は専門的な知識があり、外傷性頚部症候群のガイドラインも熟知しています。交通事故の受傷起点や状況も熟知しているため、適切な診断が可能です。

レントゲン撮影後、頚部の動き・しびれや麻痺など神経学的所見がないかも確認し、場合によっては頚部痛を緩和するための投薬治療なども開始されます。

耳鳴りの原因が耳鼻科で否定され、頚部痛もしくは頚部の違和感がある場合は整形外科を受診しましょう。

もしも耳鳴りが後遺症になってしまったら?

崩れ落ちる女性

交通事故の後に耳鳴りの症状が残り、仕事や日常生活に支障をきたす後遺症となることがあります。このような場合、後遺障害等級認定の申請が可能です。

後遺障害等級認定を申請することで、被害者は後遺障害慰謝料や逸失利益を受け取ることも可能です。

しかし、後遺障害慰謝料や逸失利益を受け取るには、後遺障害等級認定において後遺障害の等級が認定されなければなりません。

耳鳴りで認定される後遺障害の等級

耳鳴りの症状は、後遺障害等級認定で以下の等級に該当する可能性があります。

  • 12級
    耳鳴りの検査で難聴に伴い、著しい耳鳴りが常にあると確認できるもの
  • 14級
    耳鳴りを生じている耳の聴力が、低下していることに伴い、常に耳鳴りがあることを合理的に説明できるもの

耳鳴りで後遺障害等級認定を受けるポイント

耳鳴りで後遺障害等級認定を受けるには、以下のポイントを押さえておくことが大切です。

  • 耳鳴りがあらわれたら、すみやかに医師へ伝える。
  • 医師に自覚症状を正確に伝え、記録してもらう。
  • 耳鳴りを証明するための検査を受ける。

耳鳴りがあらわれたら、すみやかに医師へ伝える

交通事故と耳鳴りの因果関係が認められるには、すぐに病院を受診することが大切です。交通事故から時間が経ちすぎると、耳鳴りの原因が交通事故以外にあるのではないかと疑われることがあります。

医師に自覚症状を正確に伝え、記録してもらう。

後遺障害等級認定には、医師が作成する後遺障害診断書の内容が重要となります。耳鳴りはどんな音か、日常生活でどのようなときに支障が出るのかなど、できるだけ具体的に医師に伝えましょう。

耳鳴りを証明するための検査を受ける

後遺障害等級認定では、後遺症の症状を医学的に証明しなければなりません。したがって、以下のような耳鳴りの症状を検証するための検査を受ける必要があります。

耳鳴りの症状を検証するための検査をいくつかご紹介します。

  • ピッチマッチ検査:125Hzから8000Hzまで7種類の音の聞こえ方を調べるための検査
  • マスキング検査:耳鳴りの音の高さを調べるためにの検査
  • 純音力検査:耳鳴りの音が消えるか、どの大きさで消えるかを調べるための検査
  • ラウドネス・バランス検査:耳鳴りの高さと音量を調べるための検査

交通事故の後遺障害等級認定の手続き

後遺障害等級認定を申請する場合は、「事前認定」または「被害者請求」のどちらかで行います。

事前認定

事前認定とは、被害者が加害者側の保険会社を通じて後遺障害等級認定を受ける方法です。

被害者は、加害者側の保険会社に後遺障害診断書を提出すれば、その後の手続きは加害者側の保険会社が引き継いでくれます。

メリットは被害者は、後遺障害等級認定の手続きの手間を省けること。デメリットは、保険会社主導の手続きであるため、被害者に不利な判定をされることもありうる事です。

被害者請求

被害者請求とは、被害者自身が直接、加害者側の自賠責保険会社に後遺障害等級認定の申請を行うことです。

被害者請求で後遺障害等級認定を行うと、手間がかかります。その理由は、被害者自身で必要な書類を取得・作成しなくてはならないからです。

しかし、被害者自身で手続きを進めていけば、後遺障害等級認定の書類に書かれている内容を把握することができます。そのため、被害者にとって、納得のいく後遺障害等級認定の結果を得られます。

交通事故の耳鳴りについてのまとめ

音のイメージ

交通事故の後に耳鳴りの症状が出現する場合があり、原因はむちうちや外傷性のものなどさまざまです。

頚部の痛みを伴う場合は整形外科・耳鳴りの実であれば耳鼻科など症状に応じて受診する医療機関を決めましょう。

長引く後遺症で日常生活に支障がある場合は後遺障害の等級認定の申請もできます。

この記事を監修したのは…

看護師として小児外科、整形外科、健康診断機関など医療現場などで勤務。
この経験を生かし、疾病の予防や健康増進に関する情報を発信する医療・健康ライターとしても活動をしている。

この記事の執筆者

看護師 / 島谷 柚希
看護師として小児外科、整形外科、健康診断機関など医療現場などで勤務。 この経験を生かし、疾病の予防や健康増進に関する情報を発信する医療・健康ライターとしても活動をしている。

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