2018.08.14 警察 追突事故 むち打ち 柔道整復師 医者・ドクター
交通事故による首の痛み むちうちの原因と対処法について
目次
交通事故に巻き込まれ怪我をしてしまう可能性は誰にでもあるもの。
事故直後はなんでもなかったのに、次の日起きてみると「なんだか首が寝違えたように痛い……」。
今回の記事では、交通事故後に現れる首の痛みについてを中心に解説していきます。
交通事故後に現れた首の痛みは、むちうち?
法定速度を守っていたとしても、予期せぬ追突や衝突があったとき、首に異常な力が加わって頚椎を損傷することがあります。
このように、首に異常な力が加わり頚椎が損傷し、痛みが生じることを「むちうち」といいます。
交通事故が原因で現れた「むちうち」なのか、自分で判断するのは難しいと思います。
ーー交通事故にあい、『もしかしてむちうち症かもしれない…』と悩む方に向けて、
簡単にできるセルフチェック方法を教えてください。田畑先生:
「極端に言えば、“交通事故の前にあった症状なのか・なかった症状なのか”です。事故後に感じたことのない痛みや違和感が症状としてい出ていれば、それは当然事故の要因が大きく関わってくる。今までの人生でそんなことはなかったのに事故が起きてから症状が出たということは、事故が引き金になっている可能性が高いと言えます。」
その場合はこのようにして、事故が原因で現れた「むちうち」なのかセルフチェックしましょう。
交通事故の怪我で多い、むちうちの原因とは?
むちうちの正式名称は頚椎捻挫(けいついねんざ)といい、その症状はいわゆる「首の捻挫」が7〜8割。交通事故にあった後、目立った外傷がなく首が少し痛い、首が回らないといった症状が現れます。
むちうちは、交通事故による衝撃で、首に不自然な力が加わることで頚椎が損傷してしまうことにより起きます。頚椎がムチを打った時のようにしなることから「むちうち」と総称されているのです。
また、むちうちは、交通事故の状況や衝撃の度合いによって、さまざまな症状をもたらします。
▶︎参考:レントゲンには映らない?むちうちが「異常なし」と判断されてしまう原因とは
交通事故後に現れるむちうちの症状とは?
むちうちのほとんどは頚椎捻挫(けいついねんざ)と呼ばれる首の捻挫ですが、頚椎だけでなく神経まで傷ついてしまうと、手足がしびれたりめまいなどが起きることがあります。
そしてこのような症状はレントゲンでは確認されないので、医師も異常がないと診断してしまうこともあります。以下に症状と原因をご紹介します。
むちうちは、以下5つに分けることができます。
①頚椎捻挫型(けいついねんざ)
頚椎捻挫とは、いわゆる「首の捻挫」のことで、頚椎の周辺にある筋肉や靭帯、軟部組織が損傷されることによって、症状が引き起こります。むちうちになった7~8割の人が、この頚椎捻挫型になるといわれています。
頚椎捻挫型による主な症状は、以下の通りです。
- 首・肩・背中のこりや痛み
- 首や肩の可動域が制限される
②バレー・ルー症状型
バレー・ルー症状型は、交通事故による衝撃が首の骨を通り越し、自律神経が損傷された場合に、引き起こる症状です。
バレー・ルー症状型による主な症状は、以下の通りです。
- めまい
- 耳鳴り
- 息苦しさ
▶︎参考:交通事故後、吐き気が止まらない…それはむちうちかもしれません。
③神経根症状型
交通事故による衝撃で頚椎の並びにゆがみが生じ、神経の根本が引き伸ばされたり圧縮による負荷を受けた場合、神経根症状型は発症します。
神経根症状型による主な症状は、以下の通りです。
- 首の痛み
- 腕の痛みやしびれ
- 倦怠感
④脊髄症状型
脊髄症状型は、交通事故の衝撃が脊髄まで到達し、損傷された場合に引き起こります。
むちうちの中で最も重い症状といわれ、後遺障害が残る可能性も高いといわれています。
脊髄症状型による主な症状は、以下の通りです。
- 下肢のしびれ
- 知覚異常
- 歩行障害
⑤脳髄液減少症
脳髄液減少症は、交通事故によって首や頭に衝撃を受け、脳髄液が減ることによって症状が引き起こります。
脳髄液減少症による主な症状は、以下の通りです。
- 全身の痛み
- 聴力・視覚障害
- 倦怠感
- 耳鳴り
疑問:何故むちうちの痛みは事故直後に現れない?
交通事故後は、身体が興奮状態にあるため、痛みに気づきません。そのため、事故から数時間、数日経って現れることがあるのです。
交通事故後、むちうちになったら治療はどうする?
医師から骨に異常がないといわれても、首の痛みやめまい、頭痛が続く場合はむちうちの可能性があります。万が一、物損事故のままで処理をしているのであれば、警察署へ行って人身事故に切り替えることをおすすめします。
一度整形外科で診断を受けて異常がないといわれても、骨に異常がないだけかもしれません。
むちうちは神経が傷つくことでも起こるので、神経症状が続く(痛み、めまい、しびれなどの異常)ようならMRI検査を受ける必要があります。
むちうちの通院先3つ
むちうちの治療は、整形外科・整骨院・鍼灸院に行くことをおすすめします。
上記は、加害者に請求する損害賠償の適用範囲内だからです。それぞれの違いについて簡単に説明します。
▶︎あわせて読みたい:むちうちの治療にはどれくらいの期間がかかる?
▶︎参考:交通事故の場合に使える2つの保険について
①整形外科
医師免許所有者が開業。診断書の発行や、レントゲン・CT・MRIなどの検査、手術などができる。
また、薬や湿布の処方もできます。
②整骨院
整骨院や接骨院は柔道整復師という国家資格所有者が開院。
整骨院は、整形外科や総合病院(西洋医学)では補えない部分を補完してくれます。打撲や捻挫、挫傷などの症状をよくすることに長けています。
③鍼灸院(しんきゅういん)
はり師ときゅう師の国家資格所有者が開院。自律神経の乱れに、鍼を打ったり灸をすえたりして症状を緩和させます。
むちうちの治療費は誰が支払う?
「むちうちの治療費は誰が支払うの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
むちうちの治療にかかる費用は、被害者の場合は加害者に損害賠償を請求することができます。
損害賠償とは、交通事故によって被害者が受けた損害の埋め合わせを加害者が行うことです。
請求できる損害賠償は3つ
被害者が加害者に対して請求できる損害賠償は、大きく分けて3つ。
- ①積極損害
- ②消極損害
- ③慰謝料
それぞれの内容を、詳しく見ていきましょう。
①積極損害
積極損害とは、交通事故によって出費を余儀なくされた場合に発生する損害のことをいいます。
積極損害として請求できる代表的なものは、以下の通りです。
- 治療費
- 入院費
- 手術費
- 通院交通費
- 付添看護費
- 装具・器具等の購入費 など
②消極損害
消極損害は、本来得られるはずの収入や利益が、交通事故にあったことによって減少した場合に発生する損害です。
消極損害は、「休業損害」と「逸失利益」の2つに分けることができます。
- 休業損害
交通事故が原因で仕事を休んだことにより、収入が減少してしまった場合の減収分を補償。 - 逸失利益
交通事故の後遺障害によって労働能力が減少し、本来得られるはずであった収入が減少した場合の減収分。
③慰謝料
慰謝料とは、交通事故の被害者が受けた精神的苦痛を、加害者が金銭で補ったものです。
慰謝料は、「入通院慰謝料」と「後遺障害慰謝料」の2つに分かれています。
- 入通院慰謝料
交通事故の怪我で入通院する際に、被害者が受けた精神的苦痛に対して支払われる金銭。 - 後遺障害慰謝料
交通事故の怪我が後遺障害になってしまったことで、被害者が受けた精神的苦痛に対して支払われる金銭。
交通事故の損害賠償は、交通事故が原因で負った怪我であると証明できなければ、受け取ることができません。事故から時間が経ってしまうと、その怪我が交通事故によるものかどうかの判断がつかなくなってしまう恐れがあります。そのため、事故後はすぐに医療機関へ行くようにしましょう。
保険会社に治療費の打ち切りを打診されたら
交通事故の被害者が負った怪我を治療するために必要な費用は、加害者側の保険会社が負担してくれます。加害者側の保険会社は、被害者の負った怪我が完治または症状固定になるまで、治療費を負担する義務があります。
しかし、加害者側の保険会社に治療費の打ち切りを打診されることもあります。その場合は、怪我の治療が必要であることを主張しましょう。また、通院先の担当医に相談してみるのもよいでしょう。
交通事故後の怪我が後遺症になったら…?
交通事故でむちうちになってしまい、治療を続けたのにも関わらず、「後遺症」として残ってしまったら…。後遺症になった後の治療費や慰謝料の支払いは、どうなるのでしょうか。
ここでは、交通事故の怪我が後遺症になってしまった場合に、被害者がすべき事をご紹介します。
後遺症に対する慰謝料は支払われない!
むちうちが後遺症になってしまったら、被害者はリハビリを受けるため、定期的に通院を続けなければいけません。
しかし後遺症になった後は、これまでの治療費や、慰謝料の支払いが打ち切られてしまいます。したがって、後遺症になった後の治療費は、すべて被害者の自腹になってしまいます。
交通事故後に後遺症が残ったら慰謝料は?
「後遺症」に対する慰謝料の支払いは行われませんが、「後遺障害」には慰謝料が支払われます。
後遺症として残った症状に、5つの条件が当てはまった場合、後遺障害として認められます。
- ①交通事故と怪我との間に因果関係があること
- ②交通事故による怪我が、今後生きていく上で回復する見込みがないこと
- ③交通事故の怪我によって、労働能力が低下してしまうこと
- ④後遺症による症状が医学的に証明、または説明されていること
- ⑤後遺症の症状が自賠責保険の等級認定に値すること
以上の条件を満たすと、後遺障害等級認定を受けることができます。
後遺障害等級が認定されると、等級に応じた後遺障害慰謝料の支払いを受けることができます。
首の痛みで後遺障害等級認定を申請する準備
後遺障害等級認定の申請準備として、被害者がすべき事は2つ。
- 症状固定まで通院を続ける
- 後遺障害診断書を取得する
症状固定まで通院を続ける
症状固定とは、怪我の治療をこれ以上続けても、症状の緩和が見込まれない状態のことをいい、医師のみが判断できます。
むちうちの症状がいったん良くなったからといって、自身の判断で通院を止めてはいけません。また、加害者側の保険会社に症状固定を促されることもありますが、症状固定の判断は医師のみが行えるものです。
自己判断で通院を中止することはせず、少しでも体に違和感や痛みがある場合は、しっかりと通院を続けるようにしましょう。
後遺障害診断書を取得する
医師に症状固定と判断されたタイミングで、医師に後遺障害診断書の作成を依頼しましょう。
後遺障害診断書は、後遺障害等級の認定に大きく影響する重要な書面です。
作成を依頼する際は、医師に自覚症状を的確に伝えるようにしましょう。また、記載してもらった内容を、自身でもしっかりと確認することが大切です。
交通事故の後遺障害等級認定の申請方法
後遺障害等級認定の申請方法は、2つ。
- ①事前認定
- ②被害者請求
それぞれの申請方法を、詳しく見ていきましょう。
①事前認定
事前認定とは、後遺障害等級認定の申請手続きを、すべて加害者側の保険会社に任せる方法です。被害者自身が手続きを行う必要はないため、精神的なストレスは軽減できるでしょう。
しかし、どのような内容で手続きが行われているのか、被害者は知ることができません。後遺障害慰謝料の支払いを行うのは、あくまでも加害者側の保険会社です。したがって、被害者にとって有利な結果になるように、手続きを進めてくれるとは限らないのです。
②被害者請求
被害者請求とは、被害者自身が加害者側の保険会社に直接、後遺障害等級認定の申請手続きを行う方法です。被害者は、申請に必要な書類をすべて自分で集め、加害者側の保険会社に送る必要があります。
すべての手続きを被害者自身で行うため、事前認定に比べて時間と手間がかかってしまうでしょう。
少し面倒だと思える被害者請求ですが、後遺障害等級が確実に認定される可能性は、事前認定に比べて高いといえます。なぜなら、被害者請求は被害者自身が行うため、自分にとって有利な結果になるように、提出書類を付け足すことができるからです。また、手続きの内容を把握し、納得しながら進めていくこともできます。
交通事故後の怪我が後遺症になるのを防ぐには…
むちうちは、レントゲンには映りにくいとされています。そのため、医師がレントゲンやCTで「骨に異常が見られない」と判断しても、なぜか続く不調は確実にどこかに不具合があるはずです。
▶︎参考:レントゲンに症状が映らないのはなぜ?検査を受けておいた方がいい理由とは?
交通事故によるむちうちで悩んでいる方の多くが、「異常がないはずない」と悩み、整形外科で診断を受けながら、整骨院や鍼灸院へ通院します。
整骨院や鍼灸院は、整形外科で処方される湿布や痛み止めでは改善できない症状でも、深部の筋肉の損傷や関節に対して直接的な治療を行ってくれます。
痛みを我慢していると、深刻な後遺症に発展することもあるので、できるだけ早期に十分な治療を受けるようにしましょう。
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