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漢方薬はむちうちに効果的?症状ごとに適した漢方薬について解説

交通事故による外部からの強い衝撃がが原因で、むちうちなどの症状が現れる場合があります。むちうちや打撲などから生じる痛みや不調は、病院で行われる治療だけでなく、漢方薬も改善の効果が期待できるといわれています。

今回は、むちうちで現れる様々な症状に適した漢方薬について詳しく解説していきます。

むちうちが原因の症状に効く漢方薬とは?

漢方薬

むちうちは、交通事故やスポーツを原因として発症するケースが多くあります。受傷直後は痛みを感じていなくても、しばらく時間が経ってから、痛みやしびれなど様々な症状が現れてくる場合もあります。

むちうちには、早期に駆瘀血(くおけつ)剤を服用することで、改善の効果が期待できるといわれています。
むちうちで用いられる代表的な漢方と、それに適した症状や体質は以下の通りです。

体質 漢方 症状
実証 葛根湯(かっこんとう) 項背部のコリ、こわばり
桃核承気湯(とうかくじょうきとう) むちうちの初期段階で服用されることが多い
通導散(つうどうさん) 打撲の初期段階に服用される
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん) 葛根湯、桃核承気湯、通導散で処方される体質よりは、やや中間証の体質に用いられる
桂枝二越婢一加朮附湯    (けいしにえっぴいちかじゅつぶとう) 全身の筋肉や関節に痛みがある場合に服用される
治打撲一方(ちだぼくいっぽう) 打撲やむちうち専用とされている
黄連解毒湯(おうれんげどくとう) 突発的な打撲や交通事故で、精神が動揺しているときに服用される
中間証 桂枝去桂加茯苓朮湯      (けいしきょけいかぶくりょうじゅつとう) 首の後ろにコリがある、尿の出が悪いときなどに服用される

体質について

漢方では、体格や体質、病気に対する抵抗力の強弱が「実証」「虚証」「中間証」という3つのタイプに分けられています。それぞれの具体的な特徴は、以下の通りです。

実証

  • 筋肉質
  • 血行が良い
  • 疲れにくい
    など

虚証

  • 顔色が悪い
  • 低血圧
  • 疲れやすい
    など

「実証」と「虚証」の特徴を半分ずつ持っている、バランスのとれたタイプのことを「中間証」といいます。
漢方を服用するときは、ご自身の症状や体質に適したものを選ぶことが大切です。

むちうち症状の1つである「バレ・リュー症候群」とは

頭痛を訴える外国人男性

むちうちは「頚椎捻挫型」、「神経根症状型」、「バレ・リュー症候群」、「脊髄症状型」など症状の種類が分けられています。その中で、むちうちによる首への外傷をきっかけに発症する自律神経症状は、「バレ・リュー症候群」に該当します。

バレ・リュー症候群の原因

バレ・リュー症候群は、交通事故やスポーツ時の接触による首の外傷をきっかけに、自律神経の中に含まれている交感神経への刺激が大きな原因と考えられています。しかし、自律神経の乱れはレントゲンやMRIなどから客観的に把握することが難しいため、明確な原因は未だ解明されていません。

バレ・リュー症候群でみられる症状

代表的な症状としては、頭痛、めまい、聴力低下、耳鳴り、眼精疲労、吐き気、疲労感、発熱、不眠などが挙げられます。首の外傷がきっかけで発症するものの、症状は全身にわたり現れることがあるという特徴があります。

西洋医学的治療法

病院で行われる治療法は、神経ブロック注射や筋弛緩薬、鎮痛剤、抗不安薬など症状に応じて用いられます。受傷して間もない急性期の段階では、まず整形外科を受診するとよいでしょう。慢性的な症状には、心療内科や耳鼻咽喉科、脳神経内科への通院となる場合が多いです。

漢方薬を用いた治療法

それでは、漢方を用いた治療法について症状ごとに詳しく解説していきます。

  • 不安感や不眠が顕著に現れている場合:地黄(じおう)芍薬(しゃくやく)酸棗仁(さんそうにん)竜眼肉(りゅうがんにく)
  • 頭痛やめまいなど、頭部の症状:釣藤鈎(ちょうとうこう)天麻(てんま)菊花(きくか)
  • 憂鬱感や重い悩みによる食欲不振喉の詰まり感など:柴胡(さいこ)厚朴(こうぼく)半夏(はんげ)薄荷(はっか)枳実(きじつ)香附子(こうぶし)

外部から衝撃を受けることで起こる症状

車が衝突

外部からの強い力を受けたことが原因で発症する症状は、むちうちだけではありません。骨折や打撲、捻挫、脳脊髄液漏出症など様々です。
まずは、西洋医学における症状ごとの治療内容をご紹介します。

西洋医学での主な治療

病院では各症状に対し、以下のような治療を行います。

骨折

ギプスやコルセット、頚椎カラーなどを用いて固定し、安静を保つ

捻挫、むちうち

損傷した部位を、外固定具を用いて固定する。

肉離れ、打撲

湿布や鎮痛剤を投与して痛みの緩和を図る。

脳脊髄液漏出症

強い衝撃を受けるなどして、脳脊髄腔に穴が空くことから髄液が漏れ出し、頭痛などの症状が現れることがあります。
脳脊髄液漏出症の場合は血液をノリの代わりにし、髄液の穴をふさぐブラッドバッチと呼ばれる治療法が行われます。

打撲には『治打撲一方』

治打撲一方とは、丁子(ちょうじ)大黄(だいおう)樸樕(ぼくそく)川芎(せんきゅう)川骨(せんこつ)甘草(かんぞう)からなる、打撲に効果が期待できる漢方とされています。外部からの衝撃により内出血でたまった血液を早く吸収させることで、内出血による組織の繊維化を防ぎます。そのため、打撲だけでなく交通事故やスポーツでの接触による、外部からの衝撃がきっかけとなる怪我や症状に用いられています。

タイプ別で考える【神経痛】の痛み

腰を叩く腰痛の女性

むちうちの症状の一つとして、神経痛が現れる場合もあります。神経痛には、痛みの種類に応じて2つのタイプで分けられますので、ご紹介します。

神経痛による痛みの種類

  • 慢性的に痛みがある
  • 雨の日に痛みがあらわれる、もしくは悪化する
  • 夜になるにつれて痛みが強くあらわれる

上記のように、慢性的に痛みがあるタイプには疎経活血湯(そけいかっけつとう)を服用することで改善に期待が出来ます。体力中等度で痛みやしびれがありながら、関節痛、神経痛、腰痛、筋肉痛のある方に適した漢方です。

  • 冷えると痛みがあらわれる
  • 気温が下がった日や冷房が効いた場所にいると痛みが強くなる
  • お風呂に入ると痛みが和らぐ

上記のように、冷えによる痛みが現れるタイプには、桂枝加苓朮附湯(けいしかりょうじゅつぶとう)を服用することで改善に期待が出来ます。体力虚弱で手足の冷えによるこわばり、尿量が少ない、動機、めまい、筋肉のぴくつきがありながら、関節痛や神経痛がある方に適した漢方です。

まとめ

ポイント

漢方は、むちうちの症状改善の効果も期待できるといわれています。漢方薬を服用する場合は、ご自身の体質や体格などに適したものを選ぶことが大切です。この記事を参考に、症状や痛みのタイプを理解しながら、最適な改善方法を見つけ出していただければ幸いです。

この記事の執筆者

交通事故病院編集部 ライター / T.N
大学を卒業し、出版社で取材や編集業務を経験。その後、WEBメディアの執筆に転向し、事故に関する様々な知識を多くの人に届けるべく、日々邁進中。現在は、交通事故専門士の資格を取得するために勉強をしている。座右の銘は、格物究理。

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