2017.12.27 被害者 人身事故 慰謝料 手続き 後遺症

人身事故にあってしまった!一般的な慰謝料相場と増額方法

人身事故にあい、怪我を負ってしまったら、一刻も早く怪我を診てもらいたいですよね。
怪我を診てもらうといっても、「通院先はどうすればいいの?」「治療費や通院費はどうなるの?」など、悩まれる方も少なくないのでは?

頭を抱えて悩む女性

人身事故にあったら、被害者は加害者に損害賠償を請求することができます。
損害賠償の中には、慰謝料、治療費や通院交通費、入院費などの費用が含まれています。損害賠償を請求することによって、被害者は、費用を負担せずに、怪我の治療を受けることができます。

損害賠償の請求ができると理解することで、費用についての心配は、少し軽減されると思います。
しかし、この損害賠償についての疑問も、色々と生じるのではないでしょうか。
「損害賠償の慰謝料ってなに?」「誰が支払うの?」「いつもらえるの?」「いくらもらえるの?」など、不安や悩みは絶えませんよね。

今回は、

  • 人身事故にあったら、どこに診てもらえばよい?
  • 通院費や治療費などの、慰謝料はどうなるの?
  • 慰謝料は誰が支払うの?
  • 慰謝料が支払われるのはいつ?

など人身事故についての疑問を、一つひとつ解説しています。

▶︎参考:人身事故で加害者になってしまったときの対応とは
▶︎あわせて読みたい:交通事故の頭痛はむちうち?

人身事故とは

人身事故が起きた瞬間

「交通事故にあい怪我を負ったら、必ず人身事故で処理をするように」といわれています。それは、何故なのでしょうか。そもそも「人身事故ってどういう事故?」と思われる方もいらっしゃると思います。

人身事故と物損事故の違い

人身事故とは、交通事故によって、人が怪我をしたり、死亡したりする交通事故のことを指します。車やガードレールなどの公共物が破損していたとしても、人が怪我をしていたら、人身事故になります。
反対に、人が怪我をしていなく、モノだけが壊れる事故のことを、物損事故といいます。

人身事故で処理をした場合、被害者は加害者に対して、怪我の治療費や医療機関への通院費、後遺障害が残った場合は後遺障害慰謝料などの、慰謝料を請求することができます。

煙を出して故障した車

しかし、物損事故で処理をした場合、治療費や通院費などの慰謝料は支払われません。加害者は、車や公共物などのモノに対する賠償金を支払うだけでよいのです。怪我を負った被害者は、怪我の治療費などを自腹で支払わなければいけません。「交通事故にあい怪我を負ったら、人身事故で処理をするように」といわれているのは、被害者が不利な立場になるのを防ぐためです。

人身事故の怪我はどこに行けばいい?

交通事故による怪我の通院先は、大きく分けて3つ。

  • 整形外科
  • 整骨院
  • 鍼灸院

それぞれの特徴や違いについて、解説していきます。

▶︎参考:交通事故で考えられる怪我とは?

整形外科

整形外科では、レントゲンやMRIを使って骨や組織の精密検査をし、損傷があった場合、治療をしてくれます。また、切り傷やすり傷など、外傷の治療もしてくれます。
治療後でも痛みが引かない場合は、湿布や痛み止めの処方をしてもらうこともできます。

また、整形外科には医師が在籍しているので、診断書の取得をすることもできます。
診断書は医師のみが作成することができ、怪我の症状や、怪我の治療期間の見通しなどが記載されています。

診断書は、物損事故から人身事故へ切り替える際に、警察に提出する必要があります。
また、加害者に賠償金を請求する際、加害者側の保険会社にも提出します。
色々な手続きに関わってくる大切な書類となるので、必ず取得するようにしましょう。
▶︎参考:物損事故から人身事故へ切り替える方法とは?

オッケーしてる医者

交通事故にあったら、医師の診断を受けなければいけません。交通事故による怪我だということを、証明するためです。

交通事故の怪我で、通院先に迷ったら、まずは整形外科へ行きましょう。

整骨院

交通事故の怪我は、レントゲンやMRIの精密機器に写る症状や、外傷だけではありません。
むちうちや捻挫、打撲などは精密機器には写らないことも。

整骨院は、精密機器に写らない体の異常や、目に見えない怪我の施術を得意としています。
施術内容としては、マッサージなどの手技療法、超音波や電気などの物理療法などがあります。施術を行うのは、医師ではなく柔道整復師です。

▶参考:柔道整復師とは

また、整骨院は整形外科に比べ、遅くまで営業している場合がほとんどです。土日や祝日も営業している整骨院もあります。
仕事などの都合で、整形外科への通院を続けることが難しいという方は、保険会社の了承を得た上で整骨院へ通院してもよいでしょう。

鍼灸院(しんきゅういん)

鍼(はり)での施術は、はり師が行います。

施術内容としては、きわめて細い鍼を使い、ツボの刺激をします。刺激をすることで、体制反射が起こります。この反射を利用することにより、筋肉の緩和や、血液やリンパの循環の改善を目的としているようです。

ご自身に適した通院先を選びましょう

交通事故による怪我は、事故後すぐに発症するものだけではありません。時間が経過してから、症状があらわれてくるものも、少なくないのです。交通事故の被害あったら、必ず医療機関へ診てもらう、ということを忘れないようにしましょう。

黒板の前に立つ医師

また、ご自身の怪我の症状に適した通院先を選択するようにしましょう。通院を続けても症状がよくならない、という場合は、転院することも可能です。

通院先にお困りの際や、転院したいがどうしたらいいか分からない、という場合は、交通事故病院相談窓口へご相談ください。交通事故に詳しい専門スタッフが、お悩みを解決いたします。

▶参考:人身事故の怪我は、まずどこに行けばよい?

人身事故でもらえる慰謝料は2種類

人身事故にあうと、被害者は加害者に慰謝料を請求することができます。
被害者が受け取ることのできる慰謝料は2種類。入通院慰謝料後遺障害慰謝料です。

慰謝料とは?

交通事故にあうと、怪我の痛みに対する苦痛や、交通事故にあってしまった、という悲しみに襲われますよね。

慰謝料とは、交通事故によって生じた苦痛や悲しみなどの精神的損害に対して、支払われる損害賠償金のことをいいます。

▶︎参考:慰謝料は損害賠償の1つ!被害者が請求できる損害賠償について、詳しく知りたい方はこちら!

入通院慰謝料

交通事故にあい怪我をし、入院や通院を強いられた際に、被害者が負った精神的損害または、肉体的損害を賠償するための慰謝料です。

肩を痛がる女性

交通事故にあい怪我をしたことで、長期間痛みに耐えなければなりませんよね。
様々な検査や、リハビリをする必要もあるかもしれません。時間を割いて、通院する手間もかかります。

入通院慰謝料は、そのような損害に対する、迷惑料のようなものです。

後遺障害慰謝料

交通事故による怪我の症状が固定すると、後遺症が残ってしまいます。
後遺症が残ってしまった場合、症状の内容や程度により、等級がつきます。
これを後遺障害等級といい、等級に応じて賠償金が支払われます。

脳のピースがはずれたパズル

後遺障害慰謝料は、後遺障害になってしまったという精神的苦痛や、外見の悪さ、日常生活への支障などの、精神的損害を賠償する慰謝料です。

▶参考:症状固定について

慰謝料の計算方法は?

人身事故にあった際に受けることのできる慰謝料は、入通院慰謝料+後遺障害慰謝料で計算します。

電卓とカラフルな数字

入通院慰謝料と後遺障害慰謝料それぞれの計算方法には、自賠責保険基準、任意保険基準、弁護士基準の3種類があります。
ここでは、自賠責基準の慰謝料の算出について述べます。

自賠責保険とは?

人身事故での賠償金額は、1日4200円と定められており、120万円が限度額とされています。自賠責保険は、すべての運転者に加入を義務付けられている保険です。

自賠責基準

交通事故で被害者が受けた損害に対して、最低限の補償をすることを目的とした基準です。
自賠責基準は2つに分けることができ、それぞれで支払い基準が変わってきます。

怪我や障害などの人身傷害の場合

怪我や障害などの、人身傷害に対する保険金の請求は、自賠責保険を使うことができます。
人身傷害に対して、被害者が受け取ることのできる保険金は、自賠責基準では120万円が限度額とされています。

後遺障害による損害の場合

後遺障害による損害は、人身傷害とは別に保険金が支払われます。
なぜなら、後遺障害は、治療を始めた段階で決定するものではないからです。

ある程度の期間治療を受けても、症状が良くならない場合があります。そうすると、医師に症状固定と判断され、後遺症となります。後遺症に等級がつくことで、後遺障害になるのです。

後遺障害には1級から14級までの等級があります。支払われる金額は、等級によって変動し、1級が最も高く、14級が最も低くなります。

自賠責保険基準による支払い限度額は、1級で3000万円、14級で75万となっています。

任意保険基準

任意保険とは、文字通り運転者の任意で加入する保険です。

慰謝料の計算は、任意保険会社独自の基準で計算されます。一定の基準は存在しますが、保険会社によって基準が異なるため、非公開とされています。

弁護士基準

裁判所の考え方や、過去の判例を基準にして、慰謝料の計算がされます。
入院や通院の日数に比例して、金額は増えていきます。しかし、不規則な通院をしたり、通院頻度が少ないと、減額されてしまう場合があります。

弁護士基準での計算は、3つの基準の中で最も高い計算方法です。

自賠責保険基準での入通院慰謝料の計算方法

自賠責保険では、通院1日につき4,200円の慰謝料が支払われます。
入通院慰謝料は、

    実通院日数×2×4200

    で計算されます。

    通院期間180日(実通院日数80日)を例とした場合、

    80×2×4200=672,000

    となり、入通院慰謝料は67万2000円となります。

自賠責保険基準で支払われる慰謝料の上限額は、120万円です。
それ以上の金額になった場合は、加害者側の任意保険会社または、加害者本人に、足りない分を補ってもらいます。

後遺障害慰謝料の計算方法

後遺障害には、1級から14級までの等級があります。
後遺障害慰謝料の計算は、後遺障害等級を基に算出されます。
1級が最も高い金額となり、14級が最も低い金額となります。

交通事故による怪我で、最も多いとされているむちうちが、後遺障害になった場合、後遺障害等級は14級と認定される場合が多いです。
自賠責保険基準による14級に値する後遺障害慰謝料は、32万となっています。

慰謝料は誰が支払うの?

慰謝料を支払うのは、加害者側の保険会社または、加害者本人です。

お金を渡す女性の手

慰謝料は、任意保険会社が、自賠責保険の分も一旦支払います。そして、自賠責保険が負担するべき金額を、任意保険会社が後に自賠責保険会社に請求する形となっています。

加害者本人に慰謝料を請求するのは、自賠責保険の限度額を超え、さらに加害者が任意保険に加入していない場合です。

請求方法には、加害者請求被害者請求があります。

加害者請求

加害者側の任意保険会社に、診断書を提出すると、手続きをすべて行ってくれます。
被害者は、診断書以外の書類の取得や、作成をする手間を省くことができます。
しかし、加害者側の任意保険会社に、手続きをすべて任せてしまうので、被害者はどのように手続きが行われたのかを知ることはできません。

被害者請求

被害者自身が、加害者側の自賠責保険会社に、直接慰謝料を請求する方法です。
被害者は、診断書の他に、事故状況説明図や印鑑証明書などの書類を、自分で取得・記載しなければいけません。
すべての手続きを被害者が行うことは、手間がかかりますが、慰謝料の請求は被害者請求をおすすめします。なぜなら、加害者側にすべての手続きを任せてしまう加害者請求と比べ、不明点が少なくなり、自分が納得のできる手続きを、進めることができるためです。

慰謝料をもらえるタイミングはいつ?

被害者が慰謝料を受け取ることができるのは、加害者側の保険会社との示談が、終了してからになります。示談とは、加害者側の保険会社と被害者が話し合い和解して、被害者に支払われる賠償金額を決めることを指します。

握手してる人形と仲介人

示談が終了した後は、示談書を作成する必要があります。加害者側の保険会社から、示談書の案が送られてきます。示談書に記載している内容を、しっかりと読み理解した上で、間違いがなければ署名・押印をして、保険会社に送り返します。それから、保険会社が事務的な手続きをし、やっと被害者の指定口座に賠償金が振り込まれます。

保険会社から示談書が届いてから、賠償金の振り込みまで、約2週間ほどかかるといわれています。示談が成立した2、3日後に、被害者に示談金が支払われるわけではない、ということを把握しておきましょう。

▶︎参考:損をせず、慰謝料をもらうために気をつけること

人身事故による慰謝料増額のコツ

交通事故の慰謝料を受け取れるならば、できるだけ高い金額の慰謝料を獲得したいですよね。しかし、被害者が保険会社に交渉したところで、簡単には増額してもらえません。慰謝料を増額するためには、いくつかのコツがあります。

人差し指を立ててポーズをとる女性

後遺障害等級認定を受ける

後遺障害等級認定を受けない場合、被害者が受けとることのできる慰謝料は、入通院慰謝料のみです。

後遺障害等級認定を受けると、入通院慰謝料の他に、後遺障害慰謝料や逸失利益を受け取ることができます。これにより、数十万~数百万の慰謝料増額が見込めます。

弁護士に示談交渉を任せる

加害者側の保険会社は、被害者に対して、慰謝料相場の5割程度しか提示しない場合がほとんどです。被害者本人が保険会社に交渉したとしても、増額してくれることはまずないでしょう。

しかし、弁護士が加害者側の保険会社に受任通知(※)を送ることで、保険会社は、慰謝料の提示額を、相場の9割程度まで増額してくれます。

ここから、弁護士が加害者側の保険会社と示談交渉を行うことで、相場または、相場以上の慰謝料増額をしてもらえる場合があります。

しかし、弁護士に示談交渉を依頼すると、弁護士費用が発生します。慰謝料を増額できたとしても、弁護士費用が高額になってしまった場合、思うような結果を得られない可能性があります。

弁護士特約に加入していると、弁護士費用を補うことができます。弁護士に示談交渉を依頼する際は、自身の加入している保険内容を確認してからにしましょう。

(※)弁護士が被害者の代理となり、加害者側に事件を受任したことを知らせる書類

まとめ

黒板にチョークで書かれた電球

人身事故にあったら、加害者に慰謝料を請求できること、慰謝料の種類や計算方法など、お分かりいただけたでしょうか。また、弁護士へ相談することで、慰謝料が増額する場合もあります。人身事故にあったら、悩みや不安が絶えませんよね。一人で悩まず、まずは相談することから始めてみましょう。

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