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2018.07.31 自賠責 裁判 示談交渉 交通事故 被害者請求

交通事故の相手が無保険で裁判になったら?裁判を行うまでの流れ

交通事故の加害者が保険に加入していない場合は、保険会社から損害賠償の支払いを受けることはできません。加害者が無保険の場合、被害者は加害者本人に直接、損害賠償を請求することになります。そこで今回は、加害者が無保険だった場合の損害賠償の請求方法、裁判の手続きなどについて解説してきます。

交通事故で使える自動車保険は2種類

冒頭で述べたように、交通事故の被害者は、加害者側の保険会社に対して、損害賠償を請求することができます。損害賠償とは、交通事故の被害者が受けた様々な損害の埋め合わせを、加害者が行うことです。

自賠責保険の用紙

損害賠償の支払いを行う自動車保険は、2種類。

  • 自賠責保険
  • 任意保険

まずは、それぞれの自動車保険がどのようなものかを確認しておきましょう。

自賠責保険と任意保険

自賠責保険とは、自動車損害賠償責任保険の略称です。自動車を所有する全ての運転者に加入が義務付けられているため、「強制保険」と呼ばれることもあります。
自賠責保険は、交通事故によって被害者が受けた損害を、最低限補償することが目的とされています。人身事故のみに適用され、120万円を限度額として、通院1日につき4,200円の慰謝料が発生します。

AとBを持つ女性

任意保険はその名の通り、加害者の任意で加入を決めることができる保険です。交通事故における損害は、自賠責保険のみでは補償しきれない場合があります。被害者に支払われる損害賠償が、自賠責保険の限度額を超えてしまった場合、不足分は任意保険によって補われます。

自賠責保険未加入に対する罰則

自賠責保険は、自動車を所有している運転者ならば必ず加入しなければいけません。これは、自動車損害賠償保障法の第5条によって義務付けられています。

第五条 自動車は、これについてこの法律で定める自動車損害賠償責任保険(以下「責任保険」という。)又は自動車損害賠償責任共済(以下「責任共済」という。)の契約が締結されているものでなければ、運行の用に供してはならない。

自動車損害賠償保障法

法律で加入が義務付けられている自賠責保険ですが、もしも加入していない場合は、以下のような罰則が科せられます。

たとえ事故を起こさなくても、自賠責保険(共済)に未加入で運行した場合は1年以下の懲役または50万円以下の罰金、自賠責保険(共済)の証明書を所持していなかっただけでも30万円以下の罰金が科せられます。 また無保険での運転は交通違反となり違反点数6点が付され、即座に免許停止処分となります。

自賠責保険(共済)に加入していないとどうなる? – 国土交通省

任意保険で重要な保険は2つ

任意保険は、自賠責保険で補いきれなかった損害の、不足分を補償する役割を果たしています。

任意保険で最も重要な保険は、2つ。

  • 対人賠償責任保険
    交通事故によって被害者が怪我を負ったり、死亡した場合の損害に対して、加害者の対人賠償責任保険から保険金が支払われる。
  • 対物賠償責任保険
    交通事故によって被害者の自動車が破損した場合の損害に対して、加害者の対物賠償責任保険から保険金が支払われる。

※対人賠償責任保険、対物賠償責任保険ともに、自賠責保険の限度額を超えた場合の、不足分が被害者に対して支払われます。

交通事故の加害者が任意保険に未加入

前述したように、任意保険への加入は、運転者の任意で決めることができます。したがって、交通事故の加害者が必ずしも、任意保険へ加入しているとは限らないのです。

話し合い1

被害者に支払われる最終的な賠償金額は、加害者側の任意保険会社と示談交渉を行い、示談が成立した上で被害者に支払われます。しかし、加害者が任意保険に加入していない場合は、加害者本人と直接、示談交渉を行わなければいけません。

自賠責保険から支払いを受ける

交通事故の加害者が「任意保険には加入していないけれど、自賠責保険には加入している」という場合は、自賠責保険に対して損害賠償を請求することができます。

自賠責保険への加入は法律で義務付けられているため、法律違反をしていない運転者でない限り、全員が加入しています。

お金を数える手

自賠責保険への損害賠償請求は、通常であれば、加害者側の任意保険に一括対応してもらうことがほとんどです。したがって、被害者自身が直接、自賠責保険に対して請求手続きを行う必要はありません。

しかし、加害者が任意保険に加入していない場合は、被害者自身が直接、自賠責保険に対して請求を行わなければいけません。

▶︎参考:被害者自身が自賠責保険に直接請求!「被害者請求」の手続き方法について詳しく知りたい方はこちら。

自賠責保険からの補償は最低限

加害者が自賠責保険のみに加入している場合は、自賠責保険から損害賠償の支払いを受けることができます。

しかし、自賠責保険による支払い金額の限度額は、極めて低いものとなっています。なぜなら、自賠責保険は「被害者の損害を最低限補償する」ことが目的だからです。

悩み2

自賠責保険による保険金の限度額は、以下の通りです。

傷害による損害
(治療費、通院交通費、休業損害、入通院慰謝料など)
120万円
後遺障害慰謝料 1,100万円(第1級)~32万円(第14級)
死亡による損害
(葬儀料、死亡慰謝料など)
3,000万円

また、自賠責保険は人身事故のみに適用されます。したがって、被害者の自動車が破損した場合の損害(物損事故)に対しては、補償を受けることはできません。

自賠責保険の限度額を超えた場合

傷害による損害を例とした場合、被害者に支払われる損害賠償の限度額は、120万円となっています。
交通事故による怪我を治療するために医療機関へ通院すると、治療費の発生はもちろん、医療機関への通院交通費や付添看護費、入通院慰謝料など、様々な費用が発生します。

怪我の程度や治療期間にもよりますが、治療にかかる費用や慰謝料を足していくと、あっという間に120万円を超えてしまうこともあります。

お金と電卓

加害者が任意保険に加入している場合は、自賠責保険の限度額を超えた分を補ってもらうことができます。しかし、加害者が任意保険に加入していなく、自賠責保険の限度額を超えてしまったら、不足分は加害者本人に、直接請求しなければいけません。

交通事故の加害者が自賠責・任意保険共に未加入

加害者が自賠責保険と任意保険、両方に加入していないというケースはほとんどありませんが、ありえないことではありません。加害者が自賠責保険、任意保険ともに未加入の場合は、全ての損害賠償を加害者本人に、直接請求するしかありません。

頭を抱えて悩む女性

加害者に対して直接、損害賠償の請求をする方法は、以下の通りです。

  • ①加害者と連絡を取り、示談交渉を進める。
  • ②示談が成立したら、示談書を作成。
  • ③示談書の内容に従い、加害者が示談金の支払いを行う。

裁判は相手が支払いをしないときに行われる

示談書には、交通事故の事実と解決内容が記載されています。被害者と加害者が直接示談を行い、納得した上で示談書を作成しているはずですが、加害者が示談書の内容に従わない場合もあります。

裁判所とお金

加害者が示談書の内容に従わず、示談金の支払いを行わない場合は、裁判を起こして加害者に損害賠償を請求する必要があります。

「損害賠償請求訴訟」の方法

加害者が示談金の支払いに応じない場合の裁判は、「損害賠償請求訴訟」といいます。損害賠償請求訴訟は、法的手続きとしては最も強力な、最終的な手続きです。

裁判では、被害者が「加害者による不法行為」や「損害の内容」、「交通事故の存在と内容」などを適切に主張し、立証しないといけません。主張立証が不十分な場合、判決で損害が認められず、被害者が負けてしまいます。加害者との示談が成立している場合は、示談書が証拠になるため、負けることはほぼないでしょう。

裁判で被害者が勝訴すると、裁判所が加害者に対して損害賠償金の支払い命令の判決を出してくれます。加害者は、支払い命令の判決に従って、被害者に損害賠償の支払いを行います。

加害者が裁判の判決に従わない場合

裁判を行っても、加害者が判決に従わない場合があります。加害者が支払い命令の判決に従わない場合は、加害者の財産から賠償金の取り立てをすることができます。

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加害者から賠償金を取り立てるには「強制執行(差し押さえ)」の手続きを行います。加害者が預貯金を持っている場合や、生命保険に加入している場合などは、預貯金や生命保険を強制的に解約し、財産を差し押さえ、損害賠償として回収します。

加害者に預貯金もなく、生命保険にも加入していない場合は、加害者に対して強制執行を行うことはできません。しかし、損害賠償の支払いを諦める必要はありません。なぜなら、裁判での判決内容は、10年間有効であるからです。10年間の間に、加害者が財産をつくることができたら、そこから取り立てをすることができます。

自分の人身傷害保険を使う

自動車保険

また、被害者が人身傷害保険に加入している場合は、被害者自身の保険から補償を受けることもできます。

人身傷害保険は、任意保険の1つです。被害者が交通事故で負傷した場合、加害者の有無や過失割合に関係なく、保険会社から保険金の支払いを受けることができます。被害者が受け取ることのできる保険金額は、契約した際に定められた基準額に基づいています。

政府保障事業から保障を受ける

加害者が無保険で、判決に従わない場合は、政府保障事業から保険金の支払いを受けることもできます。

政府保障事業とは、加害者が無保険の場合や、ひき逃げなどで加害者が不明な場合に、政府から損害賠償の支払いを受けることができる制度です。政府保障事業による補償内容は、自賠責保険による補償内容と同様のものとなります。

▶︎参考:政府保障事業の手続き方法について、詳しく知りたい方はこちら!

無保険の交通事故裁判についてのまとめ

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交通事故は、思いもよらない時に起こるものです。もしも交通事故にあってしまい、被害者になってしまったら、加害者側の保険会社に対して損害賠償を請求することができます。しかし、加害者が必ずしも自動車保険に加入しているとは限りません。加害者が無保険の場合に、被害者が取るべき対処法を把握しておくことで、不利な立場になることを避けることができます。

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