2018.04.18 人身事故 被害者 加害者 裁判 交通事故

交通事故における業務上過失傷害とは?罪を軽くする方法について

運転席からの風景

休日の早朝、海釣りをするために車で海へ向かっていた。海に向かう途中、連日の仕事で疲れが出ててしまい、運転中にうとうとしてしまった。

眠気が原因でハンドルをうまく操作できず、気づいたときには目の前に車がいた。車を避けることもできず、そのまま前を走っていた車に追突した。被害者は怪我を負い、救急車で運ばれた。

交通事故でどんな罪に問われるのか、父親に電話で相談したところ「業務上過失傷害に問われるかもしれない。」といわれた。

「業務上過失傷害の場合、どんな刑罰を受けるのだろうか…。」

このような不安はありませんか。今回の記事では

  • 交通事故の加害者が受ける3つの処分
  • 業務上過失傷害について
  • 交通事故の刑罰を軽くする方法

などについて説明していきます。

交通事故の加害者が受ける3つの処分

処分

交通事故の加害者は、以下のような3つの処分を受けることになります。

  • 民事処分
  • 行政処分
  • 刑事処分

民事処分

 
民事処分とは、交通事故の被害者が負った損害を金銭で賠償するという処分です。損害賠償の金額は、被害者と加害者が示談交渉という話し合いで決め、支払うことになります。しかし、示談交渉がスムーズに進まなかった場合は、民事裁判になることもあります。

▶︎参考:交通事故の民事裁判について詳しく知りたい方はこちら

行政処分

行政処分とは、交通事故や交通違反を犯した場合に科せられ、免許に関する処分や反則金などの処分のことです。違反点数の加算が規定基準を超えると、免許停止になったり、免許取り消しになることがあります。

▶︎参考:交通事故の違反点数について詳しく知りたい方はこちら

刑事処分

刑事処分とは、交通事故の内容で懲役刑や禁固刑、罰金刑が科せられるという処分です。交通事故で加害者の過失が大きく、被害者の怪我が重症である場合に刑事処分の対象となります。業務上過失傷害は、刑事処分にあたります。

それぞれの刑罰の内容は、以下の通り。

  • 懲役刑:刑務所に拘置される刑罰で、拘置されている間は、必ず刑務作業を行います。
  • 禁固刑:刑務所か交通刑務所に拘置される刑罰で、拘置されている期間中に刑務作業をするかは、自由に選択できます。
  • 罰金刑:裁判所の判決で言い渡された金額を納める刑罰で、金額は1万円以上を納めることになります。

交通事故の業務上過失傷害は刑法改正前の罪

絶望

業務上過失傷害とは、業務上(※1)必要な注意を怠ったことで、他人を傷つけたときに問われるものです。業務上過失傷害の刑罰は、以下の2つです。

  • ①業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、5年以下の懲役刑もしくは禁固または100万円以下の罰金刑を受ける。また、重大な過失によって人を死傷させた者も、同じ刑罰を受ける。
  • ②自動車の運転をする上で必要な注意を怠り、人を死傷させた場合、7年以下の懲役刑もしくは禁固刑または100万円以下の罰金刑を受ける。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

しかし、業務上過失傷害における②の刑罰は、平成26年5月20日に新設された「自動車運転処罰法」に移行されました。では、自動車運転処罰法とは、どのような内容なのでしょうか。

※1 ここでの業務上は、社会生活を送る上で反復継続して行う行為を指します。

交通事故の罪は新しい法律に移行された

本

交通事故の罪に関する新しい法律は、「自動車運転処罰法」というものです。これは、悪質な交通事故が増加している状況を改善しようと、交通事故の加害者を厳しく取り締まるために新設された法律です。

自動車運転処罰法でよく知られている罪は、以下の2つです。

  • ①過失運転致死傷罪
  • ②危険運転過失致死傷罪

①過失運転致死傷罪

自動車運転処罰法の新設時に、業務上過失傷害から独立させたものが、過失運転致死傷罪です。過失運転致死傷罪の場合、7年以下の懲役刑もしくは禁固刑、または100万円以下の罰金刑になります。

業務上過失傷害は刑期が5年だったのに対し、過失運転致死傷害罪は刑期が7年と刑期の長さが引き上げられていることがわかります。

②危険運転過失致死傷罪

交通事故の中でも特に悪質なものが、危険運転過失運転致死傷罪になります。危険運転過失致死傷罪は、飲酒運転や薬物使用後の運転、スピード違反の運転など、危険運転を行った場合に問われる罪です。

過失運転致死傷罪よりも刑罰の内容が重くなっています。

  • 危険運転過失致死罪(人を死亡させた場合):20年以下の懲役刑
  • 危険運転過失傷害罪(人を怪我させた場合):15年以下の懲役刑

上記のような刑罰を受けることになります。

交通事故の刑罰を軽くするにはどうする?

悩む女性

交通事故の刑罰を軽くするには、以下2つの方法があります。

  • 執行猶予を獲得する
  • 嘆願書を被害者に書いてもらう

執行猶予を獲得する

執行猶予とは、判決で言い渡された刑罰の執行を先送りにすることです。また、執行猶予の間、刑事事件を起こさなかった場合は、刑罰を受けなくてよいとされます。

執行猶予が認められる場合は、以下の通り。

  • 交通事故を初めて起こした場合
  • 交通事故の内容が軽い場合
  • 被害者との示談が成立している場合    など

嘆願書を被害者に書いてもらう

嘆願書とは、加害者に科せられる処分を軽くするため、被害者が裁判官に対して提出する書類です。被害者に嘆願書を書いてもらい提出することで、裁判官は嘆願書の内容を考慮した刑罰になります。そのため、刑罰が軽くなる可能性もあります。

▶︎参考:交通事故の嘆願書についてより詳しく知りたい方はこちら

交通事故における業務上過失傷害のまとめ

いかがでしたか。交通事故の罪にあたる業務上過失傷害は、「自動車運転処罰法」の新設をきっかけに、過失運転致死傷罪へ移行されました。自動車運転処罰法は、過失運転致死傷罪のほかに、危険運転過失致死傷罪というものがあります。

これらの罪に問われた場合、加害者は処罰を受けることになります。しかし、執行猶予を獲得したり、被害者に嘆願書を書いてもらうことで、刑罰が軽くなることもあります。そのためにも、交通事故の加害者になった場合は、誠意を持った対応を心がけましょう。

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